
とりあえず情報を集めて参考書や問題集を買ったんだけど、結局なにから手をつけたらいいの…?
こんな感じになる人は多いです。僕も試験科目と範囲の広さには悩まされました…。
こうなってしまう原因は、出題傾向をきちんと理解していないまま(したつもりで)勉強しようとしているからです。
出題傾向を理解して勉強すれば、
- どの科目がよく出て、
- 必要ない分野はどこなのか
を、簡単に判断できます。逆にいえば、何も知らないまま適当に勉強するから悩んじゃうんですよね…。
そこで本記事では、兵庫県教員採用試験の教職・一般教養の出題傾向を知る方法を解説します。
試験科目や対策のポイントも紹介しているので、参考にしてください。
時間を無駄にしないためにも、闇雲に勉強を進めていくのではなく出題傾向を理解して勉強を始めましょう。
「試験科目とかは自分で調べたから出題傾向が早く知りたい!」という方は、下のリンクから記事内の該当箇所に移動できます。
・対策のポイントが知りたい方はこちらから。
・出題傾向を知る方法が知りたい方はこちらから。


【兵庫県教員採用試験】教職・一般教養の傾向
教職・一般教養とは、教師として働く上で必要となる学習指導要領や法令などの教師力を測る「教職科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養科目」で構成される筆記試験です。
これから勉強を始める前に押さえておきたい傾向を3つ紹介します。
- 試験科目が多い
- 解答時間が短い
- 一般教養科目の比重が大きい
試験科目が多い
兵庫県教員採用試験の教職・一般教養は「科目数が多すぎる」ということです。
これまでにあなたが経験した高校・大学入試なら5科目~7科目ぐらいですが、兵庫県は19科目もあるんですよね…。
教職教養 | 教育原理 教育法規 教育心理 |
一般教養 | 【人文科学】 国語 英語 音楽 美術 保健体育 技術家庭 【社会科学】 世界史 日本史 地理 政治 経済 【自然科学】 数学 物理 化学 生物 地学 |
その他 | 情報・コンピュータ 一般常識 教育施策 |
どの科目も中学~大学できちんと勉強してきた人からすれば、それほど難しいわけではありませんが…。この科目数はヤバいですね。
あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないように、出題傾向をきちんと理解して対策することが大事。



実際、試験科目の多さに途中で受験を諦めてしまう人は少なくないんですよね…。
解答時間が短い
試験時間は60分です。
対する問題数は50問もあるので、1問あたりにかけられる時間は1分程度しかないですね…。
こんな問題を1分ぐらいで解けますか?




複雑な問題も含め、すべての問題をこの時間内で解ききることは、簡単なことではないですよね。
実際に、解答時間が足りずに問題を解ききれない人は少なくありません。
マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが必要になってきます。普段の勉強から時間配分を意識しておくなど、十分な対策をとっておくことが必要です。
一般教養科目の比重が大きい
全出題の80%以上を一般教養(人文・社会・自然科学など)が占めています。
ただでさえ試験科目があるのに出題数まで多いため、対策が大変です。とくに大学受験をきちんとしてこなかった人からすれば、数学や理科などが多く出ているのは厄介としかいいようがないですね。
出題傾向をきちんと把握して勉強しましょう。詳しい出題傾向はこちらでまとめています。
以上が、教職・一般教養の傾向です。
高校・大学入試に比べると試験科目が倍増するので、科目の多さに手こずることがあります。これまでの受験勉強とは少し違った工夫が必要なので、次に対策方法を紹介しますね。
【兵庫県教員採用試験】教職・一般教養の対策ポイント
兵庫県教員採用試験の教職・一般教養は科目・範囲が広範なので、適当に勉強することはNGです。
勉強するときは以下のポイントを押さえて進めてください。
科目に優先順位をつける
兵庫県の試験科目は多いですが、科目によって配点(問題数)は異なります。
少しでも楽に、簡単に勉強したいと思う場合、この科目選択が今後の勉強効率を大きく左右します。配点が低い科目にどれだけ時間を使っても点数を上げることはできません。
以下に科目ごとの配点(問題数)をまとめています。このデータや自分の学力を踏まえて、現実的に得点できそうな科目を選んでみましょう。
参考)科目別の問題数一覧(直近3年分)
科目 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|
教育原理 | 5 | 5 | 6 |
教育法規 | 2 | 3 | – |
教育心理 | – | 1 | 1 |
国語 | 8 | 5 | 8 |
英語 | 8 | 8 | 8 |
音楽 | 1 | 1 | 1 |
保健体育 | 1 | 1 | 1 |
美術 | 1 | 1 | 1 |
世界史 | 1 | 1 | – |
日本史 | 3 | 2 | 3 |
地理 | 1 | 4 | 2 |
政治 | 1 | – | 1 |
経済 | – | 2 | 1 |
環境 | 1 | – | – |
数学 | 4 | 5 | 5 |
物理 | 1 | 1 | 1 |
化学 | 1 | 1 | 1 |
生物 | 1 | 1 | 1 |
地学 | 1 | 1 | 1 |
情報 | 6 | 5 | 6 |
その他 | 3 | 2 | 2 |
合計 | 50 | 50 | 50 |
このように、科目によって配点(問題数)が違います。すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を確実に正解することが大切。
配点が高い科目に重点を置き、知識をインプットしていきましょう。
最初から最後まで手をつけない
どの科目も全範囲から出題はありません。
たとえば、
▼教育原理の分野と出題率▼
- 教育の基本概念:0%
- 教授・学習理論:0%
- 学習指導要領:100%
- 道徳教育:0%
- 特別活動:0%
- 生徒指導:80%
- 特別支援教育:100%
- キャリア教育:0%
といった具合に、分野によって出る・出ないがあるのです。
勉強ができない、苦手な人ほど、何度も何度も最初から最後まで勉強していますが、出ない部分にまで時間を使うのは無駄じゃないですか?
試験科目・範囲が膨大だからこそ、出題傾向を理解して、どの科目・範囲から勉強するのかという戦略を練ることが大事です!
出題傾向を知る方法はこちらを参考にしてください。
復習をメインに繰り返す
また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。
僕の経験上、どれだけ勉強量を増やしても復習に時間をかけていないと覚えることはできません。僕も勉強時間の7割ぐらいを復習に充てていました。
復習のタイミングは一概ではありませんが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
参考)復習のタイミング
1日目 | 1〜10ページをやる |
---|---|
2日目 | 1〜10ページを見直して、11〜20ページをやる |
3日目 | 1〜20ページを見直して、21〜30ページをやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。これをしないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。
最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、復習メインを意識して勉強していきましょう。
【兵庫県教員採用試験】教職・一般教養の出題傾向を知る方法
ここでは、教職・一般教養の出題傾向を知る方法を3つ紹介します。
- 自力で分析する
- 過去問シリーズを使う
- noteを活用する
自力で分析する
兵庫県教員採用試験の過去問はホームページで公開されています。
それを使いながら、自分が使う教材に合わせて自力で出題傾向表を作成します。
メリット | デメリット |
---|---|
費用が抑えられる(無料) 手取り早く過去問を入手できる | 自力で分析する手間がかかる 初心者には難しい 分析できる年数が少ない 誤った分析をしてしまうリスク |
過去問は無料でダウンロードできるので負担は少ないです。しかし、5年分ぐらいしか分析できません。出題傾向を理解するには不十分です。
また、科目知識のない初心者が傾向分析しようとすれば、「この問題は学習指導要領かな?道徳教育かな?」と、間違って分類してしまう危険性があります。



ある程度、知識がある人ならいいかもですが、何から勉強すればいいの?と悩んでいる人にはキツイかもですね。
過去問シリーズを使う
協同出版の書籍「教員採用試験「過去問」シリーズ」の冒頭に過去5年分の出題一覧表が付いています。
これを使えば出題傾向を把握することができます。
メリット | デメリット |
---|---|
過去5年間の出題傾向がわかる 問題と解説が手に入る 費用が安い(1,780円) | インプット用の参考書・問題集が別途必要 在庫が少ない(すぐ売り切れる) |
出題傾向や出題形式、レベルを知る意味では最適の1冊ですが、直接これを使って勉強はできません。
なぜなら、出題一覧表に対応する参考書・問題集がないからです。
簡単にいうと、あなたが使おうと思っている参考書の目次と出題一覧表がリンクしていないので、どこを勉強すればいいのか悩むってこと。
つまり出題傾向はある程度わかるけど、使う参考書に合わせてカスタマイズするというワンクッションが必要なので、直接的に勉強ができない点は欠点と言わざるを得ません。



同シリーズには参考書もあります。しかし、文章の羅列になっているので覚えるのに適していません。学校の教科書を読み込んで覚える感じなので、時間をかけたわりに記憶には残らないですね・・・。


noteを活用する
「オープンセサミシリーズ(参考書、問題集、ノート)」を使って勉強している(勉強する)人にオススメの方法です。
過去10年間(2013~2022年実施)の出題を科目別・分野別に分類して、オリジナルの出題傾向表をnoteで公開しています。
メリット | デメリット |
---|---|
過去10年間の出題傾向が丸わかり 分析済みのデータが入手できる 誤った分析をしてしまうリスクが少ない 費用が抑えられる(1,480円) | 使う問題集が限定的 完璧主義の人には不要 |
オープンセサミシリーズを使えば目次と出題分野がリンクしているので並行学習が可能です。
出題傾向表を見て、繰り返し出題されている科目・分野から勉強すればOK。逆に出題がない分野は見る必要すらないので、「どこを勉強すればいいんだろう…」と悩む心配がありません。
使う(使おうと思っている)参考書がオープンセサミシリーズでない場合は効果をフル活用できませんが、効率よく勉強を進めたい方はぜひ役立ててほしいです。
詳しくは以下の記事で解説しています。
【兵庫県教員採用試験】教職・一般教養の傾向と対策まとめ
今回は兵庫県教員採用試験の教職・一般教養について傾向と勉強方法を解説しました。
僕が兵庫県志望者の相談を受けていて思うのは、適当に勉強をしてしまっている人が相当多いということです。
どんな勉強でもそうですが、どれだけ時間をかけて努力したとしても、それが間違った方法であれば意味がありません。
とくに教職・一般教養は未知な部分が多いので、はじめて受験する方であればこそ、正しい勉強方法を知り、効率よく勉強していくことが大切です。
まずは出題傾向の理解、そこから始めていきましょう!

