■ 教員採用試験の勉強はいつから対策したらいいの?
■ 教員採用試験に勉強は何から始めればいいの?
■ 教員採用試験の勉強方法が知りたい!
教員採用試験は対策することが多いので「いつから勉強すればいいの?」と最初から挫折してしまうケースはとても多いです。
そこで本記事では、初心者が効率よく対策を始められるように具体的な勉強方法や手順(コツ)を解説します。
本記事をしっかり理解すれば「これから教員採用試験の勉強を始める初心者が合格点を取るまでに必要なこと」がすべてわかりますよ!
▼この記事を書いている人▼
教員採用試験の勉強はいつから始める?【1年前がベスト】
結論、試験日の1年前(6月〜7月)から始めることをオススメします。
なぜなら、勉強(対策)することが多いからです。
現在の学力や目指す自治体・校種教科によって必要な勉強期間は違ってきますが、勉強のスタートが遅いほどできることが限られてしまいます。
実際にネット上でも対策に苦労している人は多いです。
学校や仕事が忙しすぎてまったく勉強できない時期ができるかもしれませんが、早めに準備をしておけば慌てずに対処できます。
大学生は何年生から始める?
大学生も1年前からでOK。大学3年生の夏休みごろですね。
あまり早く始めても試験内容が変わったり、モチベーションを保つのが難しかったりするのでオススメしません。
それよりも部活動やアルバイト、ボランティアなどをやって人生経験を積むことに時間を使いましょう。
詳しくは以下の記事でもまとめています。
教員採用試験の勉強時間は?
現在の学力や目指す自治体・校種教科によって異なりますが、合格者の多くが700時間程度の勉強をしています。
教員採用試験の内容はとても幅広いので、それなりの勉強時間は必要です。落ちる人は勉強時間が圧倒的に不足している傾向があるんですよね。

そんなに勉強時間が必要なのか…。できるか心配だな…。
勉強時間の多さに驚愕したかもしれませんが、1日2時間やれば1年程度で達成できる時間です。1日4時間勉強できるなら半年程度で終わりますね。
1日の勉強時間 | 700時間に達するまでの日数(期間) |
---|---|
2時間 | 350日(約1年) |
3時間 | 233日(約8カ月) |
4時間 | 175日(約6カ月) |
5時間 | 140日(約5か月) |
6時間 | 110日(約4ヵ月) |
学業や仕事と両立しながら合格を目指すことになるので、負担がなく、現実的に勉強できる計画を立てましょう。



具体的な教員採用試験の勉強スケジュールはこちらの記事で解説しています。
教員採用試験の勉強は何から始める?
結論、自力で3年分の過去問を解きましょう。



ええ…いきなり過去問!?まだ勉強していないのに解けるわけないじゃん…。
このように思ったなら注意が必要。
なぜなら、最初に過去問を解いてみないと現時点での実力(学力)がわからないからです。
たとえば、すでに8割以上取れるなら全国の過去問を解くだけで十分ですが、4割以下なら基礎的な部分(小中の教科書レベル)から始めるべきです。
当然、これまでの学力や経験値が違うので勉強内容が同じでいいわけないですよね。
なので、勉強を始める前に過去問を解く。そして、現時点の実力に見合った勉強計画を立てていきましょう。
なお、教員採用試験の過去問の使い方は以下の記事でもくわしくまとめています。
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重要度の高い教科専門から勉強する
優先順位は自治体によって異なりますが、教科専門>教職教養>一般教養の順で優先度(配点)が高いです。
教員採用試験の合格ラインは『教科専門+教職・一般教養=7割』が一つの目安なので、配点が高い『教科専門』に7月頃から手をつけていき、12月までにある程度仕上げていきましょう。
そして、年明けから『教職・一般教養』や『小論文・人物試験』の勉強も取り入れていくイメージで勉強してみてください。



専門科目はどの受験者も点を取ってくるので落とすと詰みます。専門はガッツリ勉強し、教養科目は傾向に沿って効率よく対策できるとGoodです!
教員採用試験の勉強方法を種目別に解説!
教職教養・一般教養
教職教養・一般教養は教員採用試験における筆記試験のひとつです。
特徴は試験科目の多さで、ザっと15科目はありますよ。
分野 | 試験科目 |
---|---|
教職教養 | 教育原理、教育法規、教育心理、教育史 |
一般教養 | 国語、英語、数学、社会、理科 |
音楽、美術、保健体育、技術、家庭、情報 | |
その他 | 一般常識、社会時事・教育時事、ローカル |
『高校までの勉強科目+教職課程の知識』といった感じの試験です。
効率よく勉強することが大事
科目 | 東京都 | 横浜市 | 愛知県 |
---|---|---|---|
教育原理 | 10 | 6 | 6 |
教育法規 | 9 | 4 | 3 |
教育心理 | 4 | 5 | 1 |
教育史 | 1 | 2 | |
国語 | 4 | 2 | |
数学 | 4 | 2 | |
英語 | 2 | 2 | |
社会 | 7 | 2 | |
理科 | 4 | 2 | |
ローカル | 1 | 1 |
このように自治体によって出題科目や範囲は違いますが、やはり『教職系科目(教育原理や教育法規)』が重要、かつ勉強に時間がかかるので重点的に取り組んでいきたいですね。また、一般教養科目では『国語』『数学』『英語』の問題数が多く出題頻度も高いので重要です。
その他科目(社会や理科、副教科)は捨て科目にしてもOKですが、出題頻度の高い科目・分野があったりするので、この辺りは押さえておけるとGood!



なんとなく勉強を始めている人ほど、試験傾向とはかけはなれたことをやっているため、時間をたくさん使っているわりに点数が伸びないので注意!
なお、教職教養・一般教養の勉強方法は以下の記事でくわしく解説しています。
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教科専門教養
教科専門試験は、志望教科・科目に関する学力を問う試験です。
教職教養・一般教養は全員が同じ問題を解きますが、教科専門試験は志望校種・教科により出題科目が大きく異なります。
志望教科 | 主な内容(試験科目) |
---|---|
小学校 | 全科(国語、算数、社会、理科、外国語、音楽、図工、家庭、体育) |
国語 | 現代国語、現代文、古文、漢文 |
社会 | 日本史、世界史、地理、政治経済、倫理 |
保健体育 | スポーツのルール・知識、各種大会、保健知識、応急手当 |
養護教諭 | 健康相談、歯科検診、各種法令、人体の構造・機能 |
問題レベルは自治体によって異なりますが、高校入試~大学入学共通テスト(旧センター試験)ぐらいをイメージしておけば大丈夫です。
満点を目指して勉強することが大事
『教員採用試験の勉強は何から?』でも説明したように、教科専門は配点比率が高いです。また、平均点も高い傾向にあるため点が取れないと差がつきます。
教科知識以外にも『学習指導要領や指導法』などが出題される自治体もあるため、過去問は必ず見ておきましょう。



実際に指導する教科・科目なので、高得点を取れるように準備してください!
なお、専門教科試験の勉強方法は以下の記事でくわしく解説しています。


小論文
論文試験はテーマに沿って文章を書かせることで、受験者の人間性や論理性、表現力などを見る試験です。
出題テーマは自治体によって様々ですが、「教員としてのあり方」が最も基本的なテーマ。
評価の高い答案を書くには、文章力だけでなく、目指す教師像や教育答申、教育問題など幅広い知識を身につけておくことが大事です。
ここまで紹介してきた筆記試験(教職や専門)とは違い、採点者が評価をつけるため、黙々と勉強するだけでは点数が伸びません。
書いた答案は添削をしてもらい、客観的な意見を取り入れながら勉強することで徐々に結果が見えてくる試験です。
なお、小論文の対策方法は以下の記事を参考にしてください。


人物試験(面接)
- 個人・集団面接
- 集団討議
- 模擬授業
- 場面指導
- 実技試験
教員採用試験の人物試験は、個人面接をはじめ模擬授業や集団討議まで幅広く行われています。
最近は、教員の資質向上が目標となっていることもあり筆記よりも人物重視の傾向が強いです。
たとえば、兵庫県の最終合否は「一次試験の成績に関係なく、二次試験の結果のみで判断します」としています。神奈川県や横浜市も同様です。
つまり、筆記試験が満点でも、5割でも一次試験を突破してしまえば同じということ。
人物重視であることを理解して、筆記試験の勉強と並行して対策することが重要です。



ここを勘違いして、試験直前まで筆記対策ばかりやって、人物対策を後回しにした結果、落ちる人が多いんですよね…。気をつけましょう!


教員採用試験の勉強を効率よく進めるコツ【3カ月でも間に合う】
短期間(1ヶ月〜3ヶ月)で合格ラインに乗ることは簡単ではありませんが、きちんとコツを理解して勉強すれば充分に闘うことは可能です。
効率よく勉強を進めるコツは以下の5つ。
- ゴールを明確にする
- 頻出分野を理解する
- 捨て科目を上手に使う
- 文章を書いて覚えない
- 復習の回数を意識する
合格ラインを明確にする
合格ラインはまず7割を目標にしましょう。
自動車免許のように9割必要な試験なら満点を目標にすべきですが、7割なら解けない問題があっても問題ないですし、苦手科目があっても大丈夫です。
最初から7割を取るには何をすればいいのか考えると、勉強時間を大きく短縮できますよ。



高校社会や保健体育、養護教諭は8割以上を目指してください!
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頻出分野を勉強する
教員採用試験の出題範囲は広いですが、 頻出分野は全体の2~3割ほど。
たとえば、教育原理は「学習指導要領」の出題率が高いですが、茨城県や名古屋市ではほとんど出題がありません。そのような自治体もあるんですね。
四の五の言わずに全部やればいいじゃないか!と思うかもしれませんが、まったく出ない分野を勉強しても時間と労力の無駄ですよ。
なんとなく勉強を始めている人ほど、試験傾向とはズレたことをやっているため頻出分野を理解してから勉強してください。


捨て科目・分野を決める
勉強初心者にありがちなのが、何もかも網羅しようとして一通り勉強してしまったり、理解できないところがあると徹底的に調べたりするケースです。
教員採用試験は科目も範囲も膨大なので、逆に嫌気が差して挫折する可能性が高くなってしまいます。
『コツ①合格ラインを明確にする』、『コツ②頻出分野を勉強する』でも解説したように、7割を取るために必要な科目・分野(いる・いらない)をハッキリさせることが重要です。



東大に合格するような人でも、苦手な科目や分野は必ずあります。自分なりに取捨選択をして総合点でカバーしているわけです。試験に出ないところはためらいなく捨てることがきわめて大切!
書いて覚えない
僕自身、書きまくって覚えるスタイルでしたが、様々な勉強法を学んできた結果、とても効率が悪いことだとわかりました。
確かに、五感をフル活用して覚えることは科学的にも実証されています。
しかし、何回も書いて覚えようとする勉強法は、ただ書くことが目的になってしまい、時間を使ったわりに成果が見えにくいんですよね。
ボールペンやノートもどんどん消費していくため、勉強している気にはなりますが、読んで覚えるよりも多くの時間を要するため、多くの科目を捌かなければいけない教採向きではありません。



出題形式はほとんど択一式なので、何となく覚えておくくらいでOK。
ノートは使うべき?
覚えた知識をまとめることで、頭の中を整理できるメリットがあるため誰もが一度はやったことのある勉強法だと思います。
しかし、ノートにまとめる勉強法は知識の整理には役立ちますが、覚えることには適していません。
まとめノートといっても、ほとんどの場合、参考書の丸写しをして汚い参考書を量産しているだけなので効果はあまりないです。
繰り返し勉強して、どうしても覚えられない部分だけを集めたノートを作るくらいにしておくといいでしょう。


復習に時間を費やす
勉強できる人ほど復習(繰り返し)に時間をかける習慣を作っています。
どんなことでも繰り返しやっていれば無意識のうちに覚えてしまいます。最もわかりやすいのが、電話番号や自宅の住所です。何度も書いているので忘れませんよね。
これは勉強でも同じことが言えるのですが、多くの人は反復することを拒絶しがちです。
これではどれだけ勉強時間を積んでも記憶が定着しません。勉強できる人とできない人を分ける境界線と言っていいでしょう。
心理的に新しいことをしたい気持ちはわかりますが、合格したいなら1冊を繰り返し読むことが重要と言えます。



点数が低い人ほど、繰り返すことを嫌います。「次は何をすればいいですか?」という質問ばかり。それなのに、実際に問題を出してみても解けないんですよね…。
忘れることを恐れてはいけない
何度も忘れて、覚えてを繰り返すことで記憶が定着していくからです。
- 一度も覚えていない
- 一度覚えたのに忘れてしまった
この2つはまったく意味が違いますからね。
圧倒的に後者のほうが再記憶にかかる時間も減少するし、頭のなかで記憶が整理されるため復習した段階で確実に知識が定着しやすくなりますよ。
記憶が薄れていくスピードを遅らせるためには、「復習&復習&復習」が大切なのです。



知識がインプットできるまで、最低でも5回は反復することを自分の習慣として取り入れてしまいましょう。
教員採用試験の勉強は予備校か独学か?【使い分けが大事】
教員採用試験の勉強を進めるうえで、『予備校を利用すべきか』、それとも『独学で勉強するか』という悩みを抱える方も多いでしょう。
僕自身の意見は「両方を上手に使い分ける」という結論に至ります。もう少し具体的に言えば、筆記試験は独学、論文や面接は予備校といった感じです。
独学 0~10,000円 | 予備校 30,000~300,000円 | |
---|---|---|
金銭面 | 参考書代くらい | |
学習環境 | ||
問題解決 | 教室講座の場合 | |
情報力 | ||
モチベーション | ||
人物対策 |
独学と予備校の大きな違いは金銭面です。
正直、独学なら参考書・問題集・模試代くらいの支出しかないですからね。逆に予備校だと数十万円は飛んでいきます。


もちろん、たくさんの科目・範囲を効率よく勉強できる、教えてもらった方が記憶に残りやすいといったメリットもあるので、今のライフスタイルと相談して復習がきちんとできる環境なら予備校利用の価値はあります。
一方で、論文や面接は第三者目線、それも「教職経験をもった人物に見てもらう」といった部分が超重要!なので、論文や面接はプロを頼った方が効率的です。



学生同士や小さなコミュニティで練習するのも良いですが、きちんとした指導者がいるグループで経験を積んだ方が圧倒的にレベルアップしますよ。
教員採用試験の勉強方法まとめ
- 過去問を解いて現在の実力を知る。
- 過去問分析をして志望自治体の出題傾向を理解する。
- 教科専門試験から重点的に勉強する。
- 教職教養は『教育原理』と『教育法規』を重点的に覚える。
- 一般教養は『国語』、『数学』、『英語』の攻略がポイント。
- 並行して小論文、人物試験の対策を行う。
教員採用試験は科目も範囲も膨大なので、まともに勉強していては試験までに終わることができません。結局、中途半端な状態で試験を受けることになるので落ちてしまいます。
勉強期間は短くても、出題傾向に沿って効率よく勉強すれば十分に得点を重ねることは可能です。
やみくもに勉強するのではなく、出題範囲を把握して効率よく勉強することを心がけてみましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!