鹿児島県教員採用試験の中で、とくに厄介なのが、今回解説する教職・一般教養試験。
なんとなく情報を集めて勉強を始めたものの、「結局、何から始めればいいの?」と悩む方がほとんどでしょう。

事実、DMや公式LINEで相談を受けていても、的外れな(悪くいうとデタラメに)勉強をしてしまっている人が相当多いです。
そこで今回は、鹿児島県教員採用試験の教職・一般教養について徹底解説します。試験科目や出題傾向は自治体によって違うので、必ず理解してから勉強しましょう!
鹿児島県教員採用試験 教職・一般教養の概要
教職・一般教養試験とは、教員として必要な基礎能力や一般教養が、どれくらい備わっているかを測る試験のことです。
試験概要は以下のとおり。
試験時間 | 50分 |
---|---|
問題数 | 50問 |
出題形式 | 択一式と記述式 |
配点 | 100点満点(1問2点) |
制限時間50分で、50問に解答します。
出題形式は、4つの選択肢から正しい(誤りの)肢を選ぶ「四肢択一式」と「記述式」です。



続いて、具体的な試験科目を紹介します。
鹿児島県教員採用試験 教職・一般教養の出題科目
鹿児島県教員採用試験の教職・一般教養は、次の科目から出題されています。
教職教養 | 教育原理、教育法規、教育心理、教育史 | |
---|---|---|
一般教養 | 人文科学 | 国語、英語 |
社会科学 | 世界史、日本史、地理、政治 | |
自然科学 | 数学、物理、化学、生物、地学 | |
その他 | 一般常識、教育施策 |
大学の教職課程や中学~高校までに学んだ内容ばかりです。
そのため、難度は高くありませんが、科目数が多いので対策に苦労している人は多いです。やみくもに手をつけるのではなく、出題傾向をきちんと理解して対策しましょう。
なお、教職・一般教養の勉強方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。



続いて、出題傾向を解説します!
鹿児島県教員採用試験 教職・一般教養の出題傾向
ここでは、鹿児島県教員採用試験の教職・一般教養における出題傾向を解説します。
択一式と記述式
鹿児島県のベーシックな出題形式は、4つの選択肢から正しい(誤りの)肢を選ぶ「四肢択一式」です。
択一式の問題例


複数の語群から選んだり、正誤の数を選ぶ形式に比べると解きやすいです。また、数問ですが、記述式の問題もあります。
記述式の問題例


主に国語や数学、教育法規などが記述形式で出題されています。正確な知識にくわえて正しい漢字で書けるようにしておく必要があります。
バランスよく出題
教職教養と一般教養の出題比重は「1:1」で、バランスよく出題されています。とはいえ、科目によって出題数は違うので、以下のデータや自分の学力を踏まえて、現実的に点になりそうな科目から勉強しましょう。
採用年度 (実施年) | 令和3年度 (2020年) | 令和4年度 (2021年) | 令和5年度 (2022年) |
---|---|---|---|
教育原理 | 10 | 12 | 12 |
教育法規 | 7 | 6 | 10 |
教育心理 | 1 | 2 | 1 |
教育史 | – | 1 | 1 |
国語 | 11 | 11 | 6 |
英語 | 3 | 3 | 3 |
世界史 | – | 1 | 1 |
日本史 | 2 | 1 | 1 |
地理 | 1 | 1 | 1 |
政治 | 2 | 1 | 1 |
環境 | – | 1 | – |
数学 | 4 | 3 | 3 |
物理 | 2 | 1 | 1 |
化学 | 1 | 2 | 1 |
生物 | 1 | 1 | 2 |
地学 | 1 | 1 | 1 |
その他 | 4 | 2 | 5 |
このように、科目によって配点(問題数)が違います。すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を確実に正解することが大切。
合格目標は6割程度なので、高得点を狙うよりも安定して6割の得点を取ることが重要です。配点が高い科目に重点を置き、知識をインプットしていきましょう。
鹿児島県教員採用試験 教職・一般教養の対策方法
鹿児島県教員採用試験の教職・一般教養を効率よく対策する方法を解説します。
- 優先順位を決める
- 頻出分野の理解【超重要】
- 問題集→参考書の順でインプットする
- 模擬試験を活用する
優先順位を決める
少しでも楽に、簡単に点を取りたいと思う場合、勉強を始める前の科目選択が重要です。
たとえば、次のような傾向があるとしたら、どの科目から勉強するといいでしょうか?
- 教育原理:9問
- 教育法規:4問
- 教育心理:1問
- 教育史:1問
どんなに教育史が苦手でも、出題数の多い教育原理から勉強した方が効率的ですよね。
すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは配点が高い(出題数が多い)科目に重点を置き、知識をインプットしていきましょう。
》教職・一般教養の出題数一覧はこちら。
頻出分野の理解【超重要】
どの科目も全範囲から出題はありません。頻出分野を理解することで、得点に直結する勉強ができます。
たとえば、以下のように、分野によって出やすい・出にくいがあるのです。
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勉強ができない人や苦手な人ほど、全範囲を勉強しがちです。しかし、出ない分野にまで時間を使うのは、時間や労力の無駄ですよね。試験科目・範囲が膨大だからこそ、出題傾向を理解して、どの科目・分野から勉強するのか、という戦略を練ることが大事です。
なお、過去10年間の出題傾向を分析したデータを【何から始める?】鹿児島県教員採用試験の出題傾向【科目別】で公開しています。
問題集→参考書の順でインプットする
理由は単純で、参考書から読んでいたら絶対に間に合わないからです。また、活字だけの本では、どこがどういう形式で問われるのか判断できません。重要な部分の検討もつかないんですよね。
その点、問題集は、必要な知識を実践的な形でインプットできるので記憶にも残りやすいです。
参考書は問題集の解答を読むときの参考として、「正解にたどり着くために必要な知識やその周辺部分を読む」という使い方をしましょう。
なお、教員採用試験のオススメ参考書はこちらの記事で紹介しています。合わせて確認してみてください。
反復練習(復習)が重要
また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。
僕の経験上、どれだけ勉強量を増やしても復習に時間をかけていないと覚えることはできません。僕も勉強時間の7割ぐらいを復習に充てていました。
復習のタイミングは一概ではありませんが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
1日目 | 1〜10ページをやる |
2日目 | 1〜10ページを見直して、11〜20ページをやる |
3日目 | 1〜20ページを見直して、21〜30ページをやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。これをしないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。
最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、復習メインを意識して勉強していきましょう。
模擬試験を活用する
模擬試験(模試)の目的は、現在の自分の実力を測ることです。A判定やB判定などの結果に固執する必要はありません。模試で良い成績を収めたとしても、それが合格に繋がるとは限らないからです。
模試は、これまでに学習してきた内容が、どの程度身についているかを確かめる機会として活用してください。そして、模試の結果が返ってきたら、自分の弱点を把握し、復習することが重要です。
模試の結果を分析し、自分の立ち位置を知ることで、今後の勉強の方向性を決めていきましょう。オススメの模試については、【比較】教員採用試験のオススメ模試は?日程や金額、受けるべき理由も解説を参考にしてください。
鹿児島県教員採用試験 教職・一般教養のよくある質問FAQ
ここでは、DMや公式LINEで寄せられた、鹿児島県教員採用試験の教職・一般教養で、よくある質問に回答しています。
- 試験時間や問題数はどれくらいですか?
-
試験時間は50分、問題数は50問です。
問題数を時間で割ると1問1分ペースで解かないと間に合いません。実際に、解答時間が足りずに問題を解ききれない人は少なくありません。
解答用紙への記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが大事。普段から時間配分を意識して勉強しましょう。
- 過去問はどこで入手できますか?
-
過去の教員採用選考試験問題および正答例等は、『県政情報センター(県庁行政庁舎2階)』で閲覧・コピーできます。また、協同出版の「鹿児島県の教職・一般教養過去問」もオススメです。
- 勉強はいつから始めればいいでしょうか?
-
専門教科の勉強が一段落したら始めると良いでしょう。
なぜなら、専門教科の方が教職・一般教養よりも配点が高く、得意とする受験者が多いからです。なので、ある程度点数が取れないと差を広げられてしまいます。
なので、専門教科にある程度メドが立ったら教職・一般教養の勉強を始めてください。なお、教員採用試験の勉強法についてはこちらの記事を参考にしてください。
- 今から(短期間で)勉強しても間に合いますか?
-
現在の学力や環境によっては間に合います。
本試験まで期間・時間が短い場合でも、スケジュールを立てて勉強していくことが大切です。簡単なことではありませんが、きちんと戦略的な意識を持って勉強していけば結果を出せるでしょう。
なお、教員採用試験の勉強スケジュールの立て方はこちらの記事でまとめています。
鹿児島県教員採用試験 教職・一般教養は効率よく勉強しよう!
今回は、鹿児島県教員採用試験の教職・一般教養について、概要や出題傾向を解説しました。
試験科目は多いので、やみくもに勉強するのではなく、効率よく勉強することが大切です。どんな勉強でもそうですが、どれだけ時間をかけて努力したとしても、それが間違った方法であれば意味がありません。
とくに教職・一般教養は未知な部分が多いので、はじめて受験する方であればこそ、正しい勉強方法を知り、効率よく勉強していくことが大切です。
まずは出題傾向の把握、そこから始めていきましょう!過去の出題傾向は【鹿児島県教採の過去問分析】教職・一般教養の科目・分野別出題範囲を参考にしてください。
今回は以上です。