本記事では鹿児島県教員採用試験の教職・一般教養について傾向と勉強方法を解説します。
合格に向けて勉強を始めたものの、「結局、何から始めればいいの?」と行き詰っている受験者は多いです。
教職・一般教養の勉強を効率よく進めたいなら出題傾向の理解は必須です。
ここでいう出題傾向とは、『過去の出題データ』のこと。
出題傾向を理解せずに(したつもりで)勉強を進めるのは、カーナビなしで旅行に出かけるくらい無謀です。
合格目標は6割なので、裏を返せば「4割は落としてもいい」ってこと。満点を狙う必要はないのでむやみに手を広げて挫折するよりも、出題頻度の高い部分をしっかり押さえて学習することが大切です。
結果的に浮いた時間を他の対策に使えるため最終合格できる確率はグーンと上がるりますよ。
ぜひ本記事を参考にして傾向と正しい勉強方法を知り、効率よく勉強してみてください。
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【鹿児島県教員採用試験】教職・一般教養の傾向
教職・一般教養の傾向を3つ説明します。
試験科目が多い(15科目)
具体的な試験科目(出題科目)は以下のとおり。
過去のデータ》試験科目一覧
※2021~2023年度採用(令和2~4年実施)のデータ
教職教養 | 教育原理 |
---|---|
教育法規 | |
教育心理 | |
教育史 | |
一般教養 | 国語 |
英語 | |
世界史 | |
日本史 | |
地理 | |
政治 | |
数学 | |
物理 | |
化学 | |
生物 | |
地学 |
大学の教職課程や中学~高校までに学んだ内容で構成されています。
どの科目も中学~大学できちんと勉強してきた人からすれば、そんなに難しくありません。それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目が多すぎるからです。
あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないようにしてください。
解答時間が短い(1問1分)
解答時間は50分、問題数50問です。
つまり、問題数を解答時間で割ると1問あたり1分しか掛けられません。じっくりと考えていたら時間がどんどん過ぎていき、最後まで回答できない恐れがあります。
マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが大事。
普段から時間配分を意識して勉強しましょう。
出題割合はバランス型
- 教職教養:24問
- 一般教養:26問
※2023年度本試験問題より作成
全50問のうち約半分ずつの出題です。
しかし、一般教養は教職教養に比べて科目数が多く、高校・大学受験をきちんとしてこなかった人からすれば厄介だといわざるを得ません。
やみくもに手をつけるのではなく、科目ごとの配点(問題数)を把握して、必要な科目を中心に勉強することがポイントです。
【鹿児島県教員採用試験】教職・一般教養の勉強方法
勉強するときは以下の手順に沿って進めてください。
科目に優先順位をつける
鹿児島県教員採用試験の試験科目は多いですが、科目によって配点(問題数)は異なります。
少しでも楽に、簡単に点数を取りたいなら配点が低い科目に時間をかけてはダメです。
以下に科目ごとの配点をまとめています。配点や自分の学力を踏まえて、現実的に得点できそうな科目を選んでみましょう。
データ》科目別の問題数一覧
※2021~2023年度採用(令和2~4年実施)のデータ
科目 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|
教育原理 | 10 | 12 | 12 |
教育法規 | 7 | 6 | 10 |
教育心理 | 1 | 2 | 1 |
教育史 | – | 1 | 1 |
国語 | 11 | 11 | 6 |
英語 | 3 | 3 | 3 |
世界史 | – | 1 | 1 |
日本史 | 2 | 1 | 1 |
地理 | 1 | 1 | 1 |
政治 | 2 | 1 | 1 |
環境 | – | 1 | – |
数学 | 4 | 3 | 3 |
物理 | 2 | 1 | 1 |
化学 | 1 | 2 | 1 |
生物 | 1 | 1 | 2 |
地学 | 1 | 1 | 1 |
その他 | 4 | 2 | 5 |
科目選択が今後の勉強効率を大きく左右します。
すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは配点が高い科目に重点を置き、知識をインプットしていきましょう。
出題頻度の高い分野を理解する
どの科目も最初から最後まで出ません。
つまり、むやみに手を広げて途中で挫折するよりも、出題頻度の高い部分をしっかり押さえて学習することが重要なんですよね。
たとえば、教育原理の出題範囲は13分野ありますが、実際に勉強が必要なのは3分野しかないのです(以下参照)。
データ》教育原理の出題範囲
※2021~2023年度採用(令和2~4年実施)のデータ
出題範囲 | 21 | 22 | 23 |
---|---|---|---|
教育の意義と目的 | |||
教育方法 | |||
学習指導要領 | 3 | 3 | 4 |
生徒指導 | |||
道徳教育 | |||
特別活動 | |||
人権・同和教育 | 2 | ||
特別支援教育 | 5 | 5 | 5 |
社会教育 | |||
生涯学習 | |||
学校と学級の運営 | |||
教育時事 | 2 | 2 | 3 |
その他・総合 |
出題傾向が劇的に変化することは稀であり、約6割は繰り返し同じ分野から出題されています。
合格には5~6割程度の得点があればいいので必要分野に沿って勉強することが重要です。

あらら、6割でいいってことは…



そうです。4割は落としてもいいってこと。満点を狙う必要はないのでむやみに手を広げて挫折するよりも、出題頻度の高い部分をしっかり押さえて学習することで確実に合格できるでしょう。
過去の出題範囲表を以下の記事でまとめています。参考にしてください。
復習重視で勉強する
勉強では、先に進むよりもどれだけ復習するかが重要です。
僕の経験上、どれだけ勉強量を増やしても復習に時間をかけていないと覚えることはできません。僕も勉強時間の7割ぐらいを復習に充てていました。
復習のタイミングは一概ではありませんが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
参考)復習のタイミング
1日目 | 1〜10ページをやる |
---|---|
2日目 | 1〜10ページを見直して、11〜20ページをやる |
3日目 | 1〜20ページを見直して、21〜30ページをやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。これをしないだけで一気に知識の定着が悪くなります。
最初のうちはけっこうシンドイです。でも、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、復習メインを意識して勉強していきましょう。
【鹿児島県教員採用試験】教職・一般教養でよくある質問
ツイッターやLINEでよく相談される質問(内容)に回答しています。
過去問(PDF)はどこでダウンロードできますか?
Web上で公開されていないため、ダウンロードできません。
過去の試験問題等については、「県政情報センター(県庁行政庁舎2階)」で閲覧・コピーできます。



閲覧・コピーできるのは問題と解答だけです。解説も欲しいという場合は協同出版が出している書籍がオススメ!


勉強はいつから始めるべきですか?
専門科目の勉強が一段落したら始めると良いでしょう。
なぜなら、配点は教職・一般教養よりも専門科目の方が高いからです。
- 教職・一般教養:100点
- 専門科目:200点(※)
※実技試験のある教科(体・音・美・書)は併せて200点。
また、教職・一般教養の点数は最終合否には影響しません。
最終合格者の決定は二次試験の合計に一次試験の専門教科100~200点を加えた点数を総点とする。
採用選考配点基準(鹿児島県教育委員会)
教職・一般教養は試験科目が非常に広範なので対策に時間はかかります。しかし、どんなに高得点を取っても配点の高い専門科目で点数が取れないと合格できません。
なので、専門科目にある程度メドが立ったら教職・一般教養の勉強を始めるといいでしょう。
オススメの参考書・問題集はありますか?
オープンセサミシリーズ(東京アカデミー)が無難です。


- 豊富な情報量
- 大手予備校が監修している安心感
- 幅広い科目に対応
人気ランキングでもトップであり、多くの受験者が利用している点からもオススメ。
しかし、「無駄な部分が多い」、「出題傾向表がついていないので独学に適さない」という欠点が…。しかしそこは僕が作成したnoteを併せて使えば出題傾向がひと目でわかるので問題ないんですけどね。
オープンセサミの他にも「らくらくマスターシリーズ」や「Twin Books完成シリーズ」など教採用の参考書・問題集はたくさんあるので、自分にあった1冊を選んで勉強してください。
出題傾向を理解して効率よく勉強しよう
今回は鹿児島県教員採用試験の教職・一般教養について傾向と勉強方法を解説しました。
僕が鹿児島県志望者の相談を受けていて思うのは、適当に勉強をしてしまっている人が相当多いということです。
どんな勉強でもそうですが、どれだけ時間をかけて努力したとしても、それが間違った方法であれば意味がありません。
とくに教職・一般教養は未知な部分が多いので、はじめて受験する方であればこそ、正しい勉強方法を知り、効率よく勉強していくことが大切です。
効率よく勉強する手順は次のとおり。
これらを意識して勉強すれば十分に合格ライン(5~6割程度)まで得点を伸ばせます。
まずは出題範囲の確認、そこから始めていきましょう!