本記事では、横浜市教員採用試験に関する下記の内容をまとめています。
- 令和6年度横浜市教員採用試験の概要
- 横浜市教員採用試験の実施状況
- 横浜市教員採用試験の内容・傾向
試験対策を効率よくできるかどうかは、内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。
横浜市教員採用試験について網羅的に理解できますので、ぜひご一読ください。
その他、教員採用試験の内容は下記記事でまとめています。

横浜市教員採用試験の概要
横浜市教員採用試験とは、横浜市内の公立学校で働く正規教員を決める公務員試験のひとつです。
ここでは、令和6年度(2023年実施)横浜市教員採用試験の概要を紹介します。
求める教師像
横浜市が求める教師像は以下のとおりです。
- 教育への使命感や情熱をもち、学び続ける教師
- 「チーム学校」の一員として、ともに教育を創造する教師
- 子どもによりそい、豊かな成長を支える教師

「このような人物が欲しい!」という教育委員会からのメッセージです。今までの経験や体験からアピールできるような内容を準備しましょう。
受験資格(年齢制限)
以下の1から3の全てを満たしていることが条件となります。
募集教科と採用人数
令和6年度(2023年実施)に採用を予定している校種・教科と人数は以下のとおりです。
校種・教科 | R6 | R5 | |
---|---|---|---|
小学校 | 570 | 520 | |
中高共通 | 国語 | 30 | 30 |
社会 | 20 | 20 | |
数学 | 20 | 25 | |
理科 | 20 | 25 | |
音楽 | 10 | 10 | |
美術 | 20 | 20 | |
保健体育 | 25 | 20 | |
技術 | 20 | 15 | |
家庭 | 15 | 15 | |
英語 | 30 | 30 | |
高校 | 情報 | 若干 | – |
工業 | 若干 | – | |
商業 | 若干 | 若干 | |
特別支援 | 45 | 45 | |
養護教諭 | 25 | 30 |



昨年に比べると、全体で45人増える見込みです。
・令和6年度:850人
・令和5年度:805人
選考スケジュール
令和6年度(2023年実施)募集要項の発表から最終合格までのスケジュールは以下のとおりです。
3月下旬に募集要項の発表。
4月上旬から出願(申込受付)がスタート。
*令和5年4月12日(水)~5月15日(月)
6月下旬に受験票が発行される。
7月上旬に一次試験を実施。
*令和5年7月9日(日)
7月下旬に一次試験の合格発表。
*令和5年7月28日(木)
一次試験の合格者を対象として、8月上旬に二次試験を実施。
*令和5年8月10日(木)~9月1日(金)
10月上旬に最終合格者の発表。
詳細な日程や併願などの情報はこちらの記事でまとめています。


横浜市教員採用試験の実施状況
ここでは、過去5年間の実施状況をまとめています。
採用年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
令和5年度 | 2,632 | 974 | 2.7 |
令和4年度 | 2,982 | 1,025 | 2.9 |
令和3年度 | 2,838 | 1,001 | 2.8 |
令和2年度 | 3,082 | 1,186 | 2.6 |
平成31年度 | 3,445 | 905 | 3.8 |
なお、校種・教科ごとの詳細は以下の記事でまとめています。


横浜市教員採用試験の内容
ここでは、横浜市教員採用試験の傾向を試験ごとにまとめています。
それぞれ順番に傾向を解説しているので参考にしてください。
一般教養・教職専門
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 39問 |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 100点満点 |
一般教養・教職専門試験とは、教員として必要な基礎能力や一般教養が、どれくらい備わっているかを測る筆記試験のことです。
制限時間60分で、39問に解答します。
出題形式は、5個の選択肢から正しい組み合わせを選ぶ「択一式」がベーシックです。
主な出題科目
- 教育原理
- 教育法規
- 人文科学(国語、英語)
- 社会科学(日本史、政治)
- 自然科学(数学、理科)
その他、教育時事(学校教育の変化や教育関連のニュース)に関する出題もあります。
そのため、文部科学省のホームページを見たり、新聞を読んだりして普段の生活から情報収集をしておきましょう。
出題範囲は広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのかなど出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。
出題傾向や勉強方法はこちらの記事で解説しています。


教科専門の内容
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 100点満点 |
教科専門とは、志望する校種・教科の専門知識や学習指導要領の理解度を測る択一式の筆記試験です。指導教科の専門性を問われるので問題レベルが高く、多くの勉強時間が必要という特徴があります。



だいたい、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割以上を占めています。
まずは志望する校種・教科の過去問を解いてみて、現在の実力を確認してみてください。そうしないと、何から対策すればいいか判断できません。
現在の得点から以下のように勉強プランを考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門教科を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
論文の内容
試験時間 | |
---|---|
文字数 | 400〜500字 |
問題数 | 1題 |
評価基準 | 1 文章の構成 2 分かりやすさ 3 誤字脱字や不適切な表現 4 字数(400 字以上 500 字以内) |
配点比率 | 100点満点 |
論文は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に評価します。
試験時間は30分→45分、文字数は400~500字です。
出題例(テーマ)
横浜教育ビジョン2030 では、横浜の教育の方向性を以下の通り示しています。
(略)
上記の方向性①~④のうち一つを選び、あなた自身のよさや強みを生かして、どのようなことに取り組みたいと考えるか、400字以上500字以内で具体的に述べなさい。
論文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。
毎年、論文で評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。
過去の出題テーマや対策方法はこちらの記事でまとめています。


個人面接
試験時間 | 25分 |
---|---|
面接官 | 2人 |
配点 | 100点満点 |
個人面接とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが横浜市の教師として相応しいかどうかを評価・判断する人物試験のことです。
質問例
- 緊張していますか。
- 会場まで迷わずに来れましたか。
- 志望動機を教えてください。
- なぜ横浜市を志望したのですか。
→神奈川県や川崎市ではダメなのですか。 - 横浜市の魅力はどこだと思いますか。
- 横浜市の教員になるうえでの意気込みを言ってください。
- 教員を目指したきっかけは何ですか。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
面接を苦手とする人は多いです。しかし、合格するには避けては通れません。
面接練習をすることで、
- 自分の長所や短所
- なぜ教員になりたいのか
- 教員になって何がしたいのか
といった部分を改めて確認できます。自分と向き合う良い機会なので、時間をかけてじっくり取り組んでいきましょう。
過去の質問例や対策方法はこちらの記事で詳しく解説しています。


模擬授業
試験時間 | 18分 |
---|---|
面接官 | 2人 |
配点 | 100点満点 |
模擬授業とは、与えられたテーマをもとにして、実際の授業風景を披露する試験のことです。
志望教科の専門性や指導力だけでなく、どのように(な)授業をしているのか、児童生徒の興味・関心を惹きだす内容か、などを総合的に評価されます。
テーマ例
あいさつ / お金 / 案内状
(小学校)
模擬授業では、正確な知識を与える授業を行うことは重要ですが、それよりもどのように子供の興味・関心を高めることができるか、という部分が大事です。
塾や予備校のようなやや強引な展開で授業を進める人もいますが、学校での授業では、子供とのやり取り・掛け合いが非常に重要。発問や質問を重ねて、クラス全体で授業を「つくっていく」ことを意識して準備しましょう。


実技試験
実技試験とは、教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。
対象校種・教科と内容は以下のとおり。
中高音楽 | ①ピアノ伴奏による弾き歌い:夏の思い出、花、浜辺の歌から1曲選択 ②リコーダー演奏:忠実な音楽の師、忠実な羊飼い等から1曲選択 ③暗譜による楽器演奏:任意の楽器、曲で1曲 |
---|---|
中高美術 | ①平面作品:画用紙に着彩して表現 ②立体作品:紙粘土などを使用して表現 |
中高保体 | ①機械運動:マット、鉄棒、平均台、跳び箱 ②陸上競技:ハードル走、走り幅跳び、走り高跳び ③水泳:クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ ④球技:ゴール型、ネット型、ベースボール型 ⑤武道:柔道または剣道 ⑥ダンス:創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンス |
中高英語 | プレゼンテーションにおける英語運用能力試験 |
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
横浜市教員採用試験でよくある質問FAQ
最後に、横浜市教員採用試験でよくある質問に回答します。
- 過去問について
- 合格ラインについて
過去問について
横浜市教員採用試験の問題及び正答・配点等は、『横浜市市民情報センター』で閲覧及びコピーできます。
問題と解答のみで解説はありませんが、出題レベルや形式把握には十分活用できるでしょう。なお、解説が欲しいなら、協同出版の書籍「神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市の過去問シリーズ」がオススメです。


合格ラインについて
横浜市教員採用試験の合格ラインは公表されていませんが、過去の受験者データから教職5割、専門5割〜6割がひとつの目安になります。
もちろん、校種や教科によって差はありますし、競争試験なので変動する点は注意が必要です。
横浜市教員採用試験の対策を始めよう
教員採用試験に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。出題傾向を把握して、効率よく勉強を始めましょう。
本サイトでは、横浜市教員採用試験に関する有益情報を多く発信しています。ぜひ、参考にして合格に少しでも近づいてください。
今回は以上です。
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