教員採用試験で気になるデータといえば「合格ライン(合格最低点)」ではないでしょうか。「何割ぐらい取れれば合格できるの?」と悶々している人も多いと思います。
当然ですが、合格ラインは受験する自治体によって違いますし、年度ごとにも異なってきます。ただ、基準となる点数がわかればある程度推測できることも事実。
そこで本記事では、具体的な数値を示しながら目指すべき合格目標や対策をはじめるうえでのポイントを解説します。
合格にはどれくらいの点数が必要なのか把握して対策をはじめましょう!
教員採用試験の合格ラインはどのくらい?
結論からいうと、教員採用試験の合格ライン(合格最低点)は決まっていません。
なぜなら、教員採用試験は競争試験(相対評価)であり、「〇点以上取れば合格」といった資格試験(英検や簿記など)とは異なるためです。なので、合格ラインは、その年の問題レベルや採用者数によって変動することになります。
また、面接や小論文など、点数化が難しい試験も総合して合格者を決定するので、正確な合格ラインを算出できないのです。
目安は7割
合格ライン(合格最低点)を公表している神奈川県を例にみてみると、合格最低点の平均(令和4年度)は102.7点でした(200点中)。問題が簡単な仙台市でも7割ぐらいが平均です。
倍率が低い大分県などであれば4割~5割で合格できる場合もありますが、どの自治体でも安定して7割ほど取れるように準備しておくと良いでしょう。
関連記事:【特別選考が原因?】教員採用試験のボーダーラインは気にするだけ損です。
教員採用試験の合格ラインを超えるポイント
合格ラインを超えるには、以下のポイントを理解してから勉強に取り組むことが大事です。
- 合格基準の把握
- 配点比率の確認
- 教職・一般教養の攻略
合格基準の理解
合格基準(選考方法)は、自治体によって異なります。
選考方法 | 主な自治体 |
---|---|
筆記試験のみ | 北海道、神奈川県、大阪府、岐阜県、福岡県 |
筆記試験+小論文 | 東京都、愛知県、名古屋市、徳島県 |
筆記試験+面接 | 千葉県、大阪市、兵庫県、静岡県、岡山県 |
このように、自治体によって合格基準は大きくことなります。
なお、筆記試験だけの点数で判断する自治体ほど、合格ラインは高くなりやすいので注意しましょう。逆に試験内容が多い場合は、高得点は必要なくバランスよく点数を取ることが大切です。

基本的に教員採用試験は人物重視です。なので筆記の点数が低くても面接・論文の結果次第で大逆転は充分に可能。
配点比率の確認
自治体にもよりますが、教職・一般教養と専門教科で配点が異なる場合が多いです。
たとえば、千葉県や茨城県、岐阜県などですね。
自治体 | 教養 | 専門 |
---|---|---|
千葉県 | 60点 | 100点 |
茨城県 | 100点 | 300点 |
岐阜県 | 100点 | 400点 |
基本的に総合点で合否を決定するため、配点が高い試験で点数を取ることが重要となります。これを間違えて配点の低い試験ばかりに時間をかけても意味がないので注意が必要です。
教職・一般教養がカギ
試験では、専門教科よりも教職・一般教養が合否のカギを握っているのも事実。たとえば、合格最低点を公表している神奈川県の教職・一般教養と専門教科の平均ラインがこちら。
- 教職・一般教養:46.5 / 100点
- 専門教科:64.5 / 100点
このように教職・一般教養よりも専門教科の方が得点は高くなる傾向にあります。やはり、専門はこれから指導する教科知識ですので得意な人が多いです。
その点、教職・一般教養は科目も範囲も膨大なため対策が不十分な人ばかり。したがって、専門教科で差がつかない以上、教職・一般教養の攻略が勝負といっていいでしょう。
【自治体別】教員採用試験の情報
合格ラインを越えるには、頑張りすぎないことが重要です。なぜなら、どんなに勉強を頑張っても8割以上を安定して取ることは難しいから。
どんな試験でも平均点が6割〜7割になるように作られることが多いです。なので8割以上とれる受験者は少なく、多くが5割〜7割あたりに集結します。
最終合格するためにやらなければならないことは筆記試験のほかにも、面接や論文などたくさんありますからね。満点を取れる勉強をするよりも、7〜8割を取れる勉強にした方が最終合格しやすくなりますよ。
自治体ごとに合格率や対策法をまとめているので、参考にしてみてください。
北海道・東北
関東甲信越
東海・北陸
関西(近畿)
中国・四国
九州・沖縄
教員採用試験の合格ラインまとめ
教員採用試験は科目も範囲も膨大です。そのため全部を勉強することは現実的ではありません。合格ラインが9割とかなら絶望的ですが、実際は6〜7割でOK。
出題範囲を把握して、頻出度の高い科目・分野から勉強することがポイントです。