本記事では、三重県教員採用試験に関する下記の内容をまとめています。
- 令和6年度三重県教員採用試験の概要
- 三重県教員採用試験の実施状況
- 三重県教員採用試験の内容・傾向
試験対策を効率よくできるかどうかは、内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。
三重県教員採用試験について網羅的に理解できますので、ぜひご一読ください。
その他、教員採用試験の内容は下記記事でまとめています。

三重県教員採用試験の概要
三重県教員採用試験とは、三重県内の公立学校で働く正規教員を決める公務員試験のひとつです。
ここでは、令和6年度(2023年実施)三重県教員採用試験の概要を紹介します。
主な変更点
令和6年度採用(2023年実施)では、以下の変更点や追加があります。
- 小学校教諭・特支(小学部)の技能・実技試験について
-
小学校教諭・特別支援学校教諭(小学部)の第2次選考試験の技能・実技試験については、「英語リスニング」のみとします。「音楽」「体育」は実施しません。
*「音楽」「体育」については、第2次選考試験における模擬授業の課題の一つとして取り扱います。
- 面接試験について
-
第1次選考試験及び第2次選考試験において「集団面接」は実施しません。第1次選考試験は筆答試験のみ行います。
- 教職経験者等を対象とした特別選考
-
国立または公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校または特別支援学校において、正規の教諭、主幹教諭、指導教諭、養護教諭または栄養教諭として、令和5年3月31日現在、3年以上の勤務経験(休職等の期間を除く)がある人を対象とした「教職経験者等を対象とした特別選考」について、以下の①または②を満たす場合は、第1次選考試験を免除します。
① 勤務経験と同じ職種、校種・教科で受験する場合
② 正規として採用された職種、校種・教科で受験する場合
求める教師像
三重県が求める教師像は以下のとおりです。
- 教育に対する情熱と使命感をもつ人
-
子どもに対する愛情や教育者としての責任感が強く、常に子どもの人格と個性を尊重した指導ができる人
- 専門的知識・技能に基づく課題解決能力をもつ人
-
常に自己研鑽に努め、子どもとともに課題に取り組む創造性、積極性、行動力をもつ人
- 自立した社会人としての豊かな人間性をもつ人
-
優れた人権感覚と社会人としての良識に富み、組織の一員として関係者と協力して職責を果たし、子どもや保護者との間に深い信頼関係が築ける人

「このような人物が欲しい!」という教育委員会からのメッセージです。今までの経験や体験からアピールできるような内容を準備しましょう。
受験資格(年齢制限)
以下の1から3の全てを満たしていることが条件となります。
募集教科と採用人数
令和6年度(2023年実施)に採用を予定している校種・教科と人数は以下のとおりです。
校種・教科 | R6 | R5 | |
---|---|---|---|
小学校 | 248 | 269 | |
中学校 | 国語 | 21 | 23 |
社会 | 21 | 18 | |
数学 | 22 | 25 | |
理科 | 17 | 22 | |
音楽 | 8 | 7 | |
美術 | 6 | 6 | |
保健体育 | 15 | 16 | |
技術 | 4 | 5 | |
家庭 | 3 | 4 | |
英語 | 24 | 20 | |
高等学校 | 国語 | 7 | 9 |
世界史 | 2 | 2 | |
日本史 | 2 | 2 | |
地理 | – | 1 | |
公民 | – | 2 | |
数学 | 7 | 4 | |
物理 | 3 | 3 | |
化学 | 4 | 3 | |
生物 | 3 | 3 | |
美術 | – | 2 | |
保健体育 | 3 | 4 | |
看護 | – | 1 | |
家庭 | 4 | 3 | |
農業 | – | 4 | |
機械 | 4 | 3 | |
電気電子 | 3 | 3 | |
工業化学 | – | 2 | |
土木 | 2 | – | |
商業 | 5 | – | |
英語 | 7 | 9 | |
情報 | – | 2 | |
福祉 | – | 2 | |
海洋 | 1 | – | |
機関 | 1 | – | |
特支 | 小学部 | 14 | 15 |
中高部 | 2 | 2 | |
養護教諭 | 12 | 13 | |
栄養教諭 | 4 | 6 |



昨年に比べると、全体で36人減る見込みです。
・令和6年度:479人
・令和5年度:515人
選考スケジュール
令和6年度(2023年実施)募集要項の発表から最終合格までのスケジュールは以下のとおりです。
5月上旬に募集要項の発表。
5月中旬から出願(申込受付)がスタート。
*令和5年5月18日(木)~6月8日(木)
7月下旬に一次試験を実施。
*令和5年7月22日(土)
8月上旬に一次試験の合格発表。
*令和5年8月9日(水)
一次試験の合格者を対象として、8月中旬に二次試験を実施。
*令和5年8月17日(木)~29日(火)
9月中旬に最終合格者の発表。
詳細な日程や併願などの情報はこちらの記事でまとめています。


三重県教員採用試験の実施状況
ここでは、過去5年間の実施状況をまとめています。
採用年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
令和5年度 | 2,174 | 511 | 4.3 |
令和4年度 | 2,457 | 518 | 4.7 |
令和3年度 | 2,661 | 437 | 6.1 |
令和2年度 | 2,622 | 465 | 5.6 |
平成31年度 | 2,656 | 367 | 7.2 |
教員人気の低迷が問題視される中、三重県では平成16年度には9.5倍という高倍率を記録しました。その後は低下傾向にあり、令和4年度には4倍台まで落ち込んでいます。
なお、校種・教科ごとの詳細は以下の記事でまとめています。


三重県教員採用試験の内容と傾向
ここでは、三重県教員採用試験の傾向を試験ごとにまとめています。
それぞれ順番に傾向を解説しているので参考にしてください。
教職・一般教養
試験時間 | 40分 |
---|---|
問題数 | 大問17題 |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 50点満点 |
教職・一般教養試験は、教員として必要な基礎能力や一般教養がどれくらい備わっているかを測る筆記試験です。
制限時間40分で、大問17題(解答数22個)程度に解答します。
出題形式は、4~6つの選択肢から正しい(誤りの)肢を選ぶ「択一式」がベーシックです。
主な出題科目
- 教育原理
- 教育法規
- 人文科学
- 社会科学
- 自然科学
その他、教育時事(学校教育の変化や教育関連のニュース)や三重県の教育施策に関する出題もあります。
そのため、文部科学省や教育委員会のホームページを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。
出題範囲は広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのかなど出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。
出題傾向や勉強方法はこちらの記事で詳しく解説しています。


専門教科・科目
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 小特養栄:100点満点 中高:150点満点 |
教科専門とは、志望する校種・教科の専門知識や学習指導要領の理解度を測る択一式の筆記試験です。
問題レベルは、その教科に関する基礎的な知識から高度な専門知識まで幅広いです。
たとえば、小学校算数の場合、四則演算や分数などの基礎的な知識から、面積や体積、比例などの応用的な問題まで、様々なレベルの問題が出題されています。
また、中学校・高校の場合は、中学校で学ぶ基礎的な部分から高校の教科書や大学の入試問題などを参考にした、高度な問題が出題されることもあります。



その他、学習指導要領も出ているので注意が必要です。
まずは志望する校種・教科の過去問を解いてみて、現在の実力を確認してみてください。そうしないと、何から対策すればいいか判断できません。
現在の得点から以下のように勉強プランを考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
教科専門は配点が高く得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、厚く勉強することが大事です。
論述
試験時間 | 60分 |
---|---|
文字数 | 200~300字 |
問題数 | 3題 |
配点 (割合) | 50点 |
論述試験とは、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に測ることを目的としています。
文字数は1題200字~300字短いですが、3テーマあるので注意が必要です。
テーマ例
「学校における防災の手引」(令和4年3月 三重県教育委員会)には,学校における防災教育のねらいとして3点が示されています。あなたが特に取り組みたいと考えるねらいを1つ挙げ,そのねらいを選んだ理由とねらいを実現するためにあなたが取り組む学校の防災教育について具体的に述べなさい。
論述は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。
毎年、論述で評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。
過去の出題テーマや対策方法はこちらの記事でまとめています。


個人面接(模擬授業含む)
試験時間 | 25分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
形式 | 個人面接、場面指導、模擬授業 (コンピテンシー評価型) |
配点 | 150点満点 |
個人面接は、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが三重県の教師として相応しいかどうかを評価・判断する人物試験です。
三重県では、一般的な質疑応答の他、模擬授業や場面指導などについても実施。
過去の質問例
- 緊張していますか。
- 教師になろうと思ったのはいつですか。
- 教師になりたい志望動機を言ってください。
- タブレットなどのデジタル教材の利点はどこだと思いますか。
- コンプライアンスについて、具体的にどのような行動を行いますか。
- 併願はしていますか。
- タブレットを家庭学習をどのように活かしていけると思いますか。
- 勤務地はどこでも大丈夫ですか。
面接を苦手とする人は多いです。しかし、合格するには避けては通れません。
面接練習をすることで、
- 自分の長所や短所
- なぜ教員になりたいのか
- 教員になって何がしたいのか
といった部分を改めて確認できます。
自分と向き合う良い機会なので、時間をかけてじっくり取り組んでいきましょう。
過去の質問例や対策方法はこちらの記事で詳しく解説しています。


技能・実技試験
実技試験とは、それぞれの校種等、教科・科目に応じて求められる指導上の専門的知識、専門技能を備えているのか評価する試験です。
対象校種・教科と内容は以下のとおり。
小学校 | 英語:リスニング |
---|---|
中学校:音楽 | ・自由曲をピアノで演奏 ・ピアノの弾き歌い 「夏の思い出」または「夢の世界を」 |
中学校:美術 | ・素描 ・デザイン 【過去問(令和5年度)】 ・ステンレスカップを含む自画像のデッサン(鉛筆) ・「友情」をテーマに平面構成 |
中学校・技術 | ・ものづくり ・情報処理 |
中高:英語 | インタビューテスト |
中高:家庭 | ・被服製作 ・調理 【過去問(令和5年度)】 ・エプロン製作 ・ハンバーグステーク(付け合わせ:人参とさやいんげんの塩ゆで) ・茶碗蒸し ・コールスローサラダ |
中高・保体 | ・球技(1種目選択):バスケットボール、バレーボール、サッカー ・陸上競技(1種目選択):走幅跳、砲丸投 ・武道(1種目選択):柔道、剣道 ・器械運動:マット運動 ・ダンス:表現 ・水泳 【過去問(令和5年度)】 ・バスケット:ドリブルシュート、ゴール下ジャンプシュート ・バレーボール:レセプション、トス、スパイク、サーブ ・サッカー:リフティング、ドリブルスラローム、コントロールからシュート ・柔道:礼法、受け身、一人打ち込み ・剣道:礼法、素振り、仕掛け技、応じ技、地稽古 ・ダンス:課題曲から1曲を選択、作品テーマを考えて、曲の始まりから1分程度の小作品を踊る。 ・マット運動:(男子)側方倒立回転2連続→倒立前転→伸身ジャンプ1/2ひねり→伸膝後転→前方倒立回転飛び (女子)側方倒立回転2連続→倒立前転→伸身ジャンプ1/2ひねり→伸膝後転→伸膝前転 ・立幅跳び:2回測定 |
養護教諭 | 養護教諭の職務を遂行するうえで、必要とされる技能・実技 【過去問(令和5年度)】 問題①:Cさんの身長を測定してください。測定の準備と方法のポイントについて、Cさんに触れずに声に出して説明しながら測定してください。測定値も声に出してください。(1分30秒) 問題②:ICT機器を使用する機会が増えてきました。そこで、目の健康を守るための保健指導を中学校1年生1クラスを対象に行ってください。(3分間) |
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
三重県教員採用試験の対策を始めよう
三重県教員採用試験に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。出題傾向を把握して、効率よく勉強を始めましょう。
本サイトでは、三重県教員採用試験に関する有益情報を多く発信しています。ぜひ、参考にして合格に少しでも近づいてください。
今回は以上です。
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