この記事では、三重県教員採用試験の論述試験ついて徹底解説しています!
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論述対策を始めるときに一番知りたい情報が「過去問」ですよね。
本記事では、三重県教員採用試験の論述試験について過去問3年分をまとめました。試験概要(文字数や評価基準)や対策方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
三重県教員採用試験の論述とは
論述試験とは、自分の考えや主張を論理的に説明する記述式試験のことで二次試験に行われます。
試験時間 | 60分 |
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文字数 | 250〜300字 |
問題数 | 3題 |
評価方法 | 50点満点 |
一般的な論文とは違い、200字~300字程度の短文形式です。
この論述では、筆記試験(教職・一般教養や専門教科)で判断できない、教職に関する知識と理解、学校教育に関する課題の認識及び記述する力を測ることを目的としています。
評価の観点
- 専門的知識
- 誤字・脱字
- 教育観・教職観
これらの観点に沿って50点満点で採点されます。
短い文章で、知識を書くことは難しいです。日頃から、短文で意見をまとめる練習をしましょう。
三重県教員採用試験 論述のテーマ
ここでは三重県教員採用試験の論述で出題されたテーマ(過去問)をまとめています。
- 令和5年度(2022年実施)
- 令和4年度(2021年実施)
- 令和3年度(2020年実施)
令和5年度(2022年実施)
第1問
「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」 平成31年1月 中央教育審議会)において、これまで学校・教師が担ってきた代表的な業務の在り方に関する考え方について、以下のとおりに整理されました。
これらのことを踏まえて、あなたが学校における働き方改革として取り組みたい業務を①~⑭から2つ選び、選んだ理由についてそれぞれ述べるとともに、その うち1つの業務についての改善に向けた取組を具体的に述べ、300字以内でまとめなさい。
【基本的には学校以外が担うべき業務】
① 登下校に関する対応
② 放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導された時の対応
③ 学校徴収金の徴収・管理
④ 地域ボランティアとの連絡調整
【学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務】
⑤ 調査・統計等への回答等
⑥ 児童生徒の休み時間における対応
⑦ 校内清掃
⑧ 部活動
【教師の業務だが、負担軽減が可能な業務】
⑨ 給食時の対応
⑩ 授業準備
⑪ 学習評価や成績処理
⑫ 学校行事の準備・運営
⑬ 進路指導
⑭ 支援が必要な児童生徒・家庭への対応
第2問
三重県教育ビジョン(令和2年3月三重県・三重県教育委員会)では、基本施策2「個性を生かし他者と協働して未来を創造する力の育成 」の施策の1つとして「キャリア教育の充実 」を掲げ、そのめざす姿を以下のように示しています。
このことを踏まえたうえで、あなたが児童生徒に身につけさせたいと考える「将来の社会的・職業的自立に必要な資質・能力」を具体的に1つ挙げるとともに、その資質・能力を身につけさせるために取り組む学校の教育活動について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。
「めざす姿」
子どもたちが、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら学び、進路を決定する能力や態度、人間関係を築く力等、将来の社会的・職業的自立に必要な資質・能力を身につけています。
第3問
「学校における防災の手引」(令和4年3月三重県教育委員会)には、学校における防災教育のねらいとして、以下の3点が示されています。
以下の3点のうち、あなたが特に 取り組みたい と考えるねらいを1つ挙げ、そのねらいを選んだ理由とねらいを実現するためにあなたが取り組む学校の防災教育について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。
【学校における防災教育のねらい】
ア 自然災害等の現状、原因及び減災等について理解を深め、現在及び将来に直面する災害に対して、的確な思考・判断に基づく適切な意志決定や行動選択ができ るようにする。(知識、思考・判断)
イ 地震、台風の発生等に伴う危険を理解・予測し、自らの安全を確保するための行動ができるようにするとともに、日常的な備えができるようにする。(危険予測、主体的な行動)
ウ 自他の生命を尊重し、安全で安心な社会づくりの重要性を認識して、学校、家庭及び地域社会の安全活動に進んで参加・協力し、貢献できるようにする。(社会貢献、支援者の基盤)※文部科学省「『生きる力』を育む防災教育の展開」(平成25年3月)より
模範解答例はこちら
令和4年度(2021年実施)
第1問
次の表は、内閣府が公表した「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果(概要)」における青少年のインターネットの利用状況のうち、インターネットの1日あたりの平均利用時間及び3時間以上インターネットを利用する割合について示したものです。
表から読み取ることのできる傾向について述べるとともに、その原因及び児童生徒に及ぼす影響について考え、児童生徒のインターネットの利用に関して、あなたが教員として取り組んでいきたい具体的な方策について、300字以内でまとめなさい。

第2問
児童生徒が遅刻や欠席などを繰り返す背景の一つに、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているヤングケアラーの存在が指摘されています。
「ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書」(令和3年3月三菱UFJリサーチ&コンサルティング)によると、要保護児童対策地域協議会へのアンケート結果では、ヤングケアラーと思われる子どもを支援する際の課題として、「家族や周囲の大人に子どもが「ヤングケアラー」である認識がない」ことが、回答の中で最も高い割合を占めています。
児童生徒がヤングケアラーとして年齢や成長に見合わない責任や負担を負うことにより、生活や教育に大きく影響することがないよう、教員として日頃からどのようなことを心がけて上記の課題を克服し、児童生徒への支援を行うことができるか、具体的に述べ 250 字以内でまとめなさい。
第3問
三重県では、令和3年4月1日から「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」が施行されています。この条例の基本理念を踏まえ、あなたが児童生徒から性同一性障害であることを伝えられたとき、どのようなことに留意したうえで児童生徒に支援を行うか、具体的に述べ 250字以内でまとめなさい。

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令和3年度(2020年実施)
第1問
令和2年3月に策定された三重県教育ビジョンでは、「教職員の資質向上とコンプライアンスの推進」を施策の一つとしており、教職員に求められる素養や専門性として以下の6つを示しています。
あなたが、保護者や地域から信頼を得て教育活動を行うために、特に重要と考える素養又は専門性を1つ取り上げ、その理由と、選んだ素養や専門性を高めるためにどのようなことを実践していくのか、250字以内でまとめなさい。
素養 : 「教育的愛情」 「コンプライアンス意識」 「コミュニケーション力」
専門性: 「授業力」 「生徒指導力」 「学校組織運営力」
第2問
三重県では、平成30年4月に「三重県いじめ防止条例」を制定し、いじめ防止の取組を一層進めるとともに、令和2年3月に策定された三重県教育ビジョンにおいても、いじめや暴力のない学校づくり」を施策の一つとして推進しています。
あなたが、「いじめや暴力のない学校づくり」を実現するために取り組みたいことを具体的に挙げ、その取組によりどのような教育的効果が得られるか、250字以内でまとめなさい。
第3問
次の図1、図2は、「OECD生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント」(令和元年12月 文部科学省・国立教育政策研究所)に示されたものである。※調査対象は義務教育終了段階の15 歳児)
日本におけるデジタル機器の利用状況について、図1、図2それぞれから読み取れることを具体的に述べなさい。また、それらを踏まえて、今後あなたがデジタル機器を活用して取り組みたい教育内容について、300字以内でまとめなさい。
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模範解答例はこちら
なお、過去のテーマや模範解答例はこちらの記事でもまとめています。
たくさん練習して万全を期したい方は参考にしてください。

三重県教員採用試験の論述対策
論述試験を攻略するコツを3つ紹介します。
- 情報収集が重要
- 減点されない書き方を知る
- 解答例を読み込む
情報収集が必要
過去問を見てわかったと思いますが、「教育時事や三重県の教育施策」に関する知識が必要です。
書くためには、教育問題に対する知識、三重県の教育方針や施策、自らの教育観といった多くの情報が必要。
ただ自分の考えを書くだけでは評価はもらえないため、事前に情報収集をしておくことが大切。
マイナス評価を受けない書き方を知る
どれだけ上手に文章が書けても、以下に該当する答案はマイナス評価を受けてしまいます。
- 雑、汚い
- 原稿用紙の使い方
- 誤字・脱字
- 横文字だらけ
- 一文が長い
なかでも誤字・脱字や文体(常体・敬体)の混同は大きく減点されてしまいます。
詳しい内容は【模範解答例あり】教員採用試験の小論文とは?書けない理由や対策方法で解説しています。
解答例を読み込む
論述試験は論文とは違うため、起承転結などを意識して書く必要はありません。そこで重要なのが解答例を読み込んで型を身につけること。
そのうえで、実際に書いてみて達成具合を確認することが需要です。
解答例は、こちらの『【三重県教員採用】論述の教科書|過去のテーマと模範解答例まとめ」で解説しています。
併せて確認してください。

三重県教員採用試験 論述で落ちないように準備しよう
今回は、三重県教員採用試験の論述について、過去問や対策方法をまとめていました。
論述試験は論文とは異なるので、一般的な対策では攻略できません。過去問と解答例を使い込み型を知る。そして知識を増やしていくことで徐々に上達します。
また、1人で黙々と勉強して満足するのもよくありません。論述で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いです。
論述を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことなので気をつけてください。
論述が原因で不合格にならにように、早めに準備を始めていきましょう。まずは解答の把握です!
解答例はこちらの『【三重県教員採用】論述の教科書|過去のテーマと模範解答例まとめ」を参考にしてください。

今回は以上です。
その他、三重県教員採用試験の情報をこちらの記事でまとめています。
