本記事は、三重県教員採用試験の論述について解説しています。
実際、論述が書けずに不合格になる受験者は多く、対策を後回しにしないことが重要。
それでは、前置きはこの辺にしてさっそく内容を見ていきましょう!
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三重県教員採用試験 論述試験の過去問テーマ
ここでは三重県教員採用試験の論述で出題された過去問をまとめています。
2023年度(令和4年実施)
第1問
「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」 平成31年1月 中央教育審議会)において、これまで学校・教師が担ってきた代表的な業務の在り方に関する考え方について、以下のとおりに整理されました。
これらのことを踏まえて、あなたが学校における働き方改革として取り組みたい業務を①~⑭から2つ選び、選んだ理由についてそれぞれ述べるとともに、その うち1つの業務についての改善に向けた取組を具体的に述べ、300 字以内でまとめなさい。
【基本的には学校以外が担うべき業務】
① 登下校に関する対応
② 放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導された時の対応
③ 学校徴収金の徴収・管理
④ 地域ボランティアとの連絡調整
【学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務】
⑤ 調査・統計等への回答等
⑥ 児童生徒の休み時間における対応
⑦ 校内清掃
⑧ 部活動
【教師の業務だが、負担軽減が可能な業務】
⑨ 給食時の対応
⑩ 授業準備
⑪ 学習評価や成績処理
⑫ 学校行事の準備・運営
⑬ 進路指導
⑭ 支援が必要な児童生徒・家庭への対応
第2問
三重県教育ビジョン(令和2年3月三重県・三重県教育委員会)では、基本施策2「個性を生かし他者と協働して未来を創造する力の育成 」の施策の1つとして「キャリア教育の充実 」を掲げ、そのめざす姿を 以下のように 示 しています。
このことを踏まえたうえで、あなたが児童生徒に身につけさせたいと考える「将来の社会的・職業的自立に必要な資質・能力」を具体的に1つ挙げるとともに、その資質・能力を身につけさせるために取り組む学校の教育活動について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。
「めざす姿」
子どもたちが、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら学び、進路を決定する能力や態度、人間関係を築く力等、将来の社会的・職業的自立に必要な資質・能力を身につけています。
第3問
「学校における防災の手引」(令和4年3月三重県教育委員会)には、学校における防災教育のねらいとして、以下の3点が示されています。
以下の3点のうち、あなたが特に 取り組みたい と考えるねらいを1つ挙げ、そのねらいを選んだ理由とねらいを実現するためにあなたが取り組む学校の防災教育について具体的に述べ、250字以内でまとめなさい。
【学校における防災教育のねらい】
ア 自然災害等の現状、原因及び減災等について理解を深め、現在及び将来に直面する災害に対して、的確な思考・判断に基づく適切な意志決定や行動選択ができ るようにする。(知識、思考・判断)
イ 地震、台風の発生等に伴う危険を理解・予測し、自らの安全を確保するための行動ができるようにするとともに、日常的な備えができるようにする。(危険予測、主体的な行動)
ウ 自他の生命を尊重し、安全で安心な社会づくりの重要性を認識して、学校、家庭及び地域社会の安全活動に進んで参加・協力し、貢献できるようにする。(社会貢献、支援者の基盤)※文部科学省「『生きる力』を育む防災教育の展開」(平成25年3月)より
》解答例はこちら。
2022年度(令和3年実施)
第1問
次の表は、内閣府が公表した「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果(概要)」における青少年のインターネットの利用状況のうち、インターネットの1日あたりの平均利用時間及び3時間以上インターネットを利用する割合について示したものです。
表から読み取ることのできる傾向について述べるとともに、その原因及び児童生徒に及ぼす影響について考え、児童生徒のインターネットの利用に関して、あなたが教員として取り組んでいきたい具体的な方策について、300字以内でまとめなさい。

第2問
児童生徒が遅刻や欠席などを繰り返す背景の一つに、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているヤングケアラーの存在が指摘されています。
「ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書」(令和3年3月三菱UFJリサーチ&コンサルティング)によると、要保護児童対策地域協議会へのアンケート結果では、ヤングケアラーと思われる子どもを支援する際の課題として、「家族や周囲の大人に子どもが「ヤングケアラー」である認識がない」ことが、回答の中で最も高い割合を占めています。
児童生徒がヤングケアラーとして年齢や成長に見合わない責任や負担を負うことにより、生活や教育に大きく影響することがないよう、教員として日頃からどのようなことを心がけて上記の課題を克服し、児童生徒への支援を行うことができるか、具体的に述べ 250 字以内でまとめなさい。
第3問
三重県では、令和3年4月1日から「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」が施行されています。この条例の基本理念を踏まえ、あなたが児童生徒から性同一性障害であることを伝えられたとき、どのようなことに留意したうえで児童生徒に支援を行うか、具体的に述べ 250字以内でまとめなさい。

2021年度(令和2年実施)
第1問
令和2年3月に策定された三重県教育ビジョンでは、「読書活動・文化芸術活動の推進」を施策の一つとしていますが、平成 31 年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査の結果では、授業以外に平日平均10分以上読書をする本県の小中学生の割合は、小学生が63.9%、中学生が45.5%となり、全国平均を下回っている状況です。
児童生徒の読書活動を推進するために、あなたが取り組みたい内容を挙げ、その理由と期待できる効果について、250字以内でまとめなさい。
第2問
「外国人児童生徒受入れの手引き改訂版」(2019年3月文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)には、外国人児童生徒等が直面する課題として、以下の5点が挙げられています。
これらの課題のうち、外国人児童生徒等が日本において学校生活を送る上で、あなたが特に重要であると考えるものを1つ取り上げ、その理由と学校において課題解決に向けどのように取り組むかを、250 字以内で述べなさい。
- 学校への適応、居場所の確保
- 「学習するための言語能力」の習得
- 学力の向上
- かけがえのない自分をつくりあげていくこと
- 新たな課題(不就学、母語・母文化の保持、進路の問題
第3問
「教育の情報化に関する手引」(令和元年12月文部科学省)には、遠隔教育の類型として、以下の3つが示されています。
これらの類型から1つ取り上げ、「遠隔授業の類型(イメージ)」を参考にして、その遠隔授業が効果を発揮しやすいと考えられる学習場面や状況と、その理由について具体的に述べなさい。また、その遠隔授業をより効果的に実施するための工夫について、あなたの考えを 300 字以内でまとめなさい。
1.合同授業型
当該教科の免許状を保有する教師それぞれが指導している複数の教室をつないで授業を行う形態。
2.教師支援型
当該教科の免許状を保有する教師が行う授業に対して、専門家等が遠隔の場所から協働して授業を行う形態。
3.教科・科目充実型
高等学校段階において、原則として、当該学校の教師(当該教科の免許状の有無を問わない)の立会いの下、当該教科の免許状を保有する教師が遠隔の場所から授業を行う形態。
》解答例や2020年より前の過去問を「【三重県教員採用】論述の教科書|過去のテーマと模範解答例まとめ」で解説しています。併せて確認してください。

三重県教員採用試験の論述対策|書き方を解説!
論述試験は論文とは違うため、起承転結などを意識して書く必要はありません。
そこで重要なのが解答例を読み込んで型を身につけること。
そのうえで、実際に書いてみて達成具合を確認することが需要です。
なお、解答例を「【三重県教員採用】論述の教科書|過去のテーマと模範解答例まとめ」で解説しています。併せて確認してください。
情報収集が必要
過去問を見てわかったと思いますが、「教育時事や三重県の教育施策」に関する知識が必要です。
書くためには、教育問題に対する知識、三重県の教育方針や施策、自らの教育観といった多くの情報が必要。
ただ自分の考えを書くだけでは評価はもらえないため、事前に情報収集をしておくことが大切。
マイナス評価を受けない書き方
どれだけ上手に文章が書けても、以下に該当する答案はマイナス評価を受けてしまいます。
- 雑、汚い
- 原稿用紙の使い方
- 誤字・脱字
- 横文字だらけ
- 一文が長い
なかでも誤字・脱字や文体(常体・敬体)の混同は大きく減点されてしまいます。
三重県教員採用試験 論述でよくある質問
三重県教員採用試験の論述試験でよくある質問をまとめています。
論述の解答時間は?
論述の試験時間は60分です。
論述を書くときは時間配分を意識してください。
そのため、実際に時間を図りながら練習することが必須です。
論述の文字数は?
文字数は1問250~300字です。
文字数は採点に大きく関わってくるため、しっかり書くようにしましょう。
練習の段階から時間を計り、しっかり文字数を埋められるように準備してください。
論述の配点は?
50点満点です。(1問16~18点)
論述試験では以下の観点に沿って採点されます。
- 専門的知識
- 誤字・脱字
- 教育観・教職観
短い文章で、知識を書くことは難しいです。
日頃から、短文で意見をまとめる練習をしましょう。
三重県教員採用試験 論述対策はいつから始める?
結論をいえば、人によります。
「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
とはいえ、とりあえず書いてみて評価を受けてから判断することをオススメします。
何度も言うように、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあるからです。
解答例をみて、何となく書けそうならば月に1~2枚ぐらい書く、まったくダメなら繰り返し書く。このように判断するといいでしょう。
