本記事では、東京都教員採用試験に関する下記の内容をまとめています。
- 東京都教員採用試験の概要
- 東京都教員採用試験の実施状況
- 東京都教員採用試験の選考スケジュール
- 東京都教員採用試験の内容
試験対策を効率よくできるかどうかは、内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。
東京都教員採用試験について網羅的に理解できますので、ぜひご一読ください。
その他、教員採用試験の内容(全国一覧)は下記記事でまとめています。

東京都教員採用試験の概要
東京都教員採用試験とは、東京都内の公立学校で働く正規教員を決める公務員試験のひとつです。
ここでは、令和6年度(2023年実施)東京都教員採用試験の概要を紹介します。
主な変更点
令和6年度採用(2023年実施)では、以下の変更点や追加があります。
- 大学3年生前倒し選考
-
大学3年次等に、前倒しして一次選考の教職教養と専門教養を受験できるようになりました。3 年次の選考において、一定以上の点数を取った方を「選考通過者」とします。選考通過者は、翌年度論文選考を受験し、その合格者について二次選考を実施します。
- 東京都公立学校正規教員経験者のカムバック採用
-
東京都の中途退職者を対象に一次選考を免除するカムバック採用を新設。
- 併願の拡大
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一般選考申込者で希望する者のうち、各校種・教科から特別支援学校への併願が可能になりました。
- 集団面接の廃止
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二次選考(面接)について、集団面接を廃止し、個人面接のみを実施します。
- 単元指導計画等の廃止
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第二次選考で実施する個人面接時に提出を求めていた単元指導計画等を廃止しました。
- 実技内容の変更
-
音楽 ピアノ初見演奏と声楽初見視唱を廃止し、ピアノ伴奏付き歌唱のみに変更。 美術 色鉛筆による静物画を、鉛筆による素描に変更。 保健体育 6種目を4種目に変更。 英語 聴解、音読とその内容等に関する質疑応答を、英語でのスピーチとディスカッションに変
更。
受験資格
以下の1から3の全てを満たしていることが条件となります。
募集教科と採用人数
令和6年度(2023年実施)に採用を予定している校種・教科と人数は以下のとおりです。
小学校 | 全科、英語 | 1,440 |
---|---|---|
中学校 | 技術 | 30 |
中高共通 | 国語 社会(地理歴史、公民) 数学 理科(物理、化学、生物) 英語 音楽 美術 | 1,020 |
小中共通 | 理科 音楽 美術 | 150 |
小中高共通 | 家庭、保健体育 | 250 |
高等学校 | 情報 商業 工業(機械系、電気系、化学系、建築系、工芸系) 農業(園芸系、食品系、畜産系、造園系) | 50 |
特別支援 | 小学部 中学部(技術) 中高部(国語、社会、数学、理科、英語、保健体育) 小中高部(音楽、美術、家庭) 理療 自立活動 | 360 |
養護教諭 | – | 90 |

昨年に比べると、全体で610人増える見込みです。
・令和6年度:3,480人
・令和5年度:2,870人
求める教師像
東京都が求める教師像は以下のとおりです。
- ①教育に対する熱意と使命感を持つ教師
-
■子供に対する深い愛情
■教育者としての責任感と誇り
■高い倫理観と多様性に配慮した人権意識 - 豊かな人間性と思いやりのある教師
-
■温かい心、柔軟な発想思想、創造性
■幅広いコミュニケーション能力 - 子供のよさや可能性を引き出し伸ばすことができる教師
-
■常に学び続ける意欲
■一人一人のよさや可能性を見抜く力
■教科等に関する高い指導力 - 組織人として積極的に協働し互いに高め合う教師
-
■経営参画への意欲、協働性
■高い志とチャレンジ精神
■自他の安全を守る危機管理力



「このような人物が欲しい!」という教育委員会からのメッセージです。今までの経験や体験からアピールできるような内容を準備しましょう。
東京都教員採用試験のスケジュール
募集要項の発表から最終合格までのスケジュールは以下のとおりです。
参考)令和5年3月24日
参考)令和5年3月31日〜5月9日
参考)令和5年7月9日
参考)令和5年8月7日
参考)令和5年8月18日〜26日
参考)令和5年9月29日
詳細な日程やオススメの併願先などを以下の記事で解説しています。


東京都教員採用試験の実施状況
ここでは、過去5年間の実施状況をまとめています。
採用年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
令和5年度 | 7,911 | 3,841 | 2.1 |
令和4年度 | 8,607 | 2,650 | 3.2 |
令和3年度 | 9,265 | 3,402 | 2.7 |
令和2年度 | 10,378 | 3,418 | 3.0 |
平成31年度 | 11,365 | 3,917 | 2.9 |



2022年に実施された令和5年度採用の倍率は過去最低でした…。
なお、校種・教科ごとの詳細は以下の記事でまとめています。
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東京都教員採用試験の内容
東京都教員採用試験の内容は以下のとおりです。
教職教養
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 25問(必答) ※一部の問題(2問だけ)を除き、全校種・教科が同じ問題に解答 |
出題形式 | 択一式(マークシート) |
配点 | 100点満点(1問4点) |
教職教養とは、教師として働く上で必要となる、学習指導要領や法令などの教師力を測る筆記試験のことです。
制限時間60分で、25問に解答します。
出題形式は、5つの選択肢から正しい(誤りの)肢を選ぶ「五肢択一式」。
一般教養科目(人文・社会・自然科学)からの出題がなく、教職科目のみといった特徴があります。
出題科目は以下のとおり。
- 教育原理
- 教育法規
- 教育心理
- 教育史
その他、*教育時事や東京都の教育施策・制度に関する知識に関する問題もあります。



*教育時事とは、学校教育の変化や教育関連のニュースのことです!
そのため、文部科学省や教育委員会のホームページを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。
教職教養は範囲がとても広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのか、出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。
なお、出題傾向や勉強方法は以下の記事で詳しくまとめています。


専門教養
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式(マークシート方式) |
配点 | 100点満点 |
専門教養とは、志望する校種・教科の専門知識や学習指導要領の理解度を測る択一式の筆記試験です。指導教科の専門性を問われるので問題レベルが高く、多くの勉強時間が必要という特徴があります。



だいたい、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割以上を占めています。
まずは志望する校種・教科の過去問を解いてみて、現在の実力を確認してみてください。そうしないと、何から対策すればいいか判断できません。
現在の得点から以下のように勉強プランを考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門教科を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
勉強方法は以下の記事で解説しているので、参考にしてください。


小論文
試験時間 | 70分 |
---|---|
文字数 | 910字~1050字 |
問題数 | 1題 (小学校以外は2題から1題を選んで解答します) |
評価基準 | ・課題把握力 ・教師としての実践的指導力 ・論理的表現力 ・文章構成力 ・国語力 |
配点 | 100点満点 |
小論文とは、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に測ることを目的としています。
勉強すればした分だけ成果が見える筆記試験とは違い、解答は添削者の力量次第で変わってくるため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。
小論文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。
毎年、小論文で評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。
なお、過去のテーマや対策方法は以下の記事でまとめています。
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個人面接
試験時間 | 25分~30分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
面接カード (面接票) | あり ※一次試験の通知に同封 |
評価基準 | ・教師への理解 ・教科等の指導力 ・対応力 ・将来性 ・心身の健康と人間的な魅力 |
個人面接とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが東京都の教師として相応しいかどうかを評価・判断する人物試験のことです。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
また、集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
面接を苦手とする人は多いです。しかし、合格するには避けては通れません。
面接練習をすることで、
- 自分の長所や短所
- なぜ教員になりたいのか
- 教員になって何がしたいのか
といった部分を改めて確認できます。自分と向き合う良い機会なので、時間をかけてじっくり取り組んでいきましょう。
なお、過去の質問や対策方法は以下の記事で詳しく解説しています。
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実技試験
実技試験とは、教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。
対象校種・教科と内容は以下のとおり。


何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。



このように試験では、学力と人間力を総合的に評価されるので、バランスよく対策することが大事です。
東京都教員採用試験でよくある質問FAQ
最後に、東京都教員採用試験でよくある質問に回答します。
- 過去問について
- 合格ラインについて
過去問について
東京都教員採用試験の問題及び正答・配点等は、『東京都庁第一本庁舎3階の都民情報ルーム』で閲覧及びコピーできます。
問題と解答のみで解説はありませんが、出題レベルや形式把握には十分活用できるでしょう。なお、解説が欲しいなら、協同出版の書籍「東京都の教員採用試験「過去問」シリーズ」がオススメです。


また、以下の記事でも問題と解答をまとめているので確認してみてください。


合格ラインについて
東京都教員採用試験の合格ラインは公表されていませんが、過去の受験者データから教職6割、専門7割〜8割がひとつの目安になります。
もちろん、校種や教科によって差はありますし、競争試験なので変動する点は注意が必要です。
なお、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。


東京都教員採用試験の対策を始めよう
教員採用試験に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。出題傾向を把握して、効率よく勉強を始めましょう。
本サイトでは、東京都教員採用試験に関する有益情報を多く発信しています。ぜひ、参考にして合格に少しでも近づいてください。
今回は以上です。
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