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東京都教員採用試験の面接対策に取り組むにあたり、「何から始めたら良いのかわからない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
面接対策の基本は「予想される質問を知り、ベストな回答を準備する」ことです。そこで本記事では、東京都教員採用試験の面接試験で、過去に聞かれた質問内容を紹介します。
面接試験の傾向や面接票、対策方法についても解説しているので、早いうちに自己分析や志望動機の整理を行い、面接試験を攻略できるように準備を始めましょう。
【過去問】東京都教員採用試験の個人面接で質問されること
受験者が面接試験で最も気になるのは「面接で何を質問されるのか」ではないでしょうか。
東京都では、面接票に基づく質問にくわえて、単元指導計画(学習指導案)や場面指導についても問われています。
あらかじめ質問内容がわかっていれば、事前に備えることができます。一方で、何を聞かれるのかが不明瞭では、準備のしようがありませんからね。
ここでは、実際に東京都教員採用試験を受験してきた方々(様々な校種・教科)から集めた質問内容を抜粋してまとめています。自分なりの回答を練って対策をはじめましょう!

その辺に落ちているような出典元が不明なものではなく、僕自身のツイッターやサイトで募集し提供してもらったリアルな情報を集約しています!
面接票に基づく質問
- 教師を志望した理由は何ですか。
- 集団討論の出来はどうでしたか。
- 教師はいつから目指していますか。
- 得意分野は何ですか。
- 指導できる部活はありますか。
- 経験したことがない部活動の担当をお願いされたらどうしますか。
- 今までの経験で一番成果を上げた話をしてください。
- 東京都が求める教員像を知っていますか。
- コロナのなかどうやって生活していましたか。
- 子どもたちにどうやって成功体験を積ませていきますか。
- 東京都と他府県で違う点は何がありますか。
- 保護者対応で不安なことはありますか。
- 保護者との信頼関係をつくるうえで大切にしたいことは何ですか。
- モンスターペアレントといわれる保護者がいた場合,どのように対応しますか。
単元指導計画(学習指導案)に関する質問
- ICTを活用した授業は想定していますか。
- 学力が低い子供にはどう接しますか。
- この単元指導計画で何を学ばせたいですか。
- この単元でICTを活用するならどこですか。
- この単元で注意する部分はどこですか。
- この単元の次は何をやりますか。
- 今後の授業計画を簡単にいってください。
- 授業が終わったあとに気を付けることはありますか。
- 単元指導計画を作るうえで、この単元にした理由と教材名は何ですか。
- 担当教科の目標に即して、選んだ単元を説明してください
場面指導に関する質問
- あなたが担当している部活動がうるさいと地域住民からクレームがあったらどう対応しますか。
- あなたの隣のクラスがとても汚れています。どう対応しますか。
- ある生徒から相談を受けました。その子の手首にはリストカットの後があります。どう対応しますか。
- いじめの加害生徒へどのように対応しますか。
- いじめの加害生徒への保護者へどのように対応しますか。その際、配慮することは何ですか。
- 遠足のグループ決めで、友達と同じグループになれなかったから行きたくないと言っている子供にどう対応しますか。
- クラスで盗難があったらどう対応しますか。
- クラスの子が虐待されているたらどう対応しますか。
- クラスの様子が分からないという親にどう対応しますか。
- グループワークで積極的になれない子へどのように支援しますか。
なお、ここには掲載できなかった個人面接の質問は東京都教員採用試験の面接対策!過去の質問と模範回答でも公開しています。たくさん練習したい方は、ぜひ参考にしてください。
東京都教員採用試験 個人面接の傾向
試験時間 | 25分~30分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
面接カード (面接票) | あり ※一次試験の通知に同封 |
評価基準 | ・教師への理解 ・教科等の指導力 ・対応力 ・将来性 ・心身の健康と人間的な魅力 |
面接試験とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが教員に相応しいかどうかを評価・判断する試験のことです。
個人面接では1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
グループ面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中しやすく、自分をアピールしやすいという利点があります。
個人面接の流れ
控室に集合し、順番に面接室前で待機します。
呼ばれたら入室。
主に面接票に記載した内容についての質疑応答
事前に作成・提出した「単元指導計画(学習指導案)」についての質疑応答
実際の学校現場や教育上問題になっている事例に対する質疑応答
終了後、荷物を持って退室(終了)
形式はコンピテンシー評価型
東京都では、かなり前から「コンピテンシー評価型面接」を実施しています。知識として知っている方も多いと思いますが、この面接形式は、結果や成果にとどまらず、その達成までのプロセスに着目し、受験者の行動特性を評価することを目的としています。
たとえば「アルバイトは家庭教師をしていた」という回答に対して、以下のような追質問がされることがあります。
- なぜ家庭教師をしようと思ったのですか?
- どんな子どもたちを教えていたのですか?
- 苦労(工夫)した点はありましたか?
このように、これまでの経験や体験について掘り下げる面接形式であるため、しっかりと準備しておく必要があるのです。これが理解できているかできていないかだけで合格率が全然違ってくるので、きちんと対策しましょう。
東京都教員採用試験 個人面接の資料「面接票」
面接票とは、面接で使用される資料のことです(面接カードともいう)。氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなどを記入して提出します。
面接票の役割は、採用者が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための資料なので、わかりやすくアピールできる内容を作成しなくてはいけません。
面接票の提出日
全て記入した後で、面接票(写真を貼ったもの)の両面コピー(面接票の表裏を1枚の紙にコピーしたもの)を2部とり、面接票の原本とコピー(2部)の計3部を面接試験日当日に、必ず持参してください。
出典:面接票記入上の注意(東京都)
このように面接票の提出は、面接試験当日です(持参)。



ちなみに面接票は一次試験の合格通知に同封されているので、誤って捨てないようにしてくださいね。
面接票の内容
- 校種・教科・受験番号
- 氏名・生年月日
- 学歴
- 取得免許状の種類
- 特技・資格
- 学校教育で生かせる得意領域や分野
- 部活動の成績
- 職歴
- 賞・罰
- 教育実習・そこで学んだこと
- 東京都の教員を志望する理由
- 今までの体験や成功を教育としてどう活かすか。
例年、面接票の内容は変わらないので、下記サンプルデータを使って合格発表が出るまでに完成させておき、本物の面接票がきたら転記するように準備しておきましょう。
面接票の書き方
面接票を作成するときのポイントを紹介します。
- 自己分析
- 結論から書く
- 添削を受ける
①自己分析
まずは、自分自身はどんな人間なのか、なぜ東京都の教員を志望するのか、といった自己分析をしましょう。面接では、自己PRと志望動機を中心に問われるため、自己分析がきちんとできていないと面接官を納得させられないからです。
一番時間のかかる作業なので、早めに準備することが大事です。
②結論から書く
文章を書くときは、結論(自分が最も伝えたいこと)から書きしょう。なぜなら、 読み手(面接官)が圧倒的にわかりやすくなるからです。
面接官は短い時間で要点を理解して聞きたいことを精査するので、何が書いてあるのか(言いたいのか)分からないと質問できません。
『何も聞かれない⇒アピールできない⇒評価は上がらない(不合格)』という結果になってしまうため注意が必要です。
③添削を受ける
書けた面接票は、必ず第三者に見てもらいましょう。なぜなら、誤字脱字や文章の意味がわかるかどうかなど、客観的な判断をしてもらえるからです。
面接票に答えはありませんが、だれが見てもわかる内容に仕上げることは可能なはず。面接に入る前の重要資料であることを念頭に置いて、じっくり内容を考えていきましょう。
なお、自己分析(自己PRや志望動機)の方法や詳しい面接票の書き方を教員採用試験の面接カードはどう書く?自己PRと志望動機の作り方を解説でまとめています。
東京都教員採用試験 個人面接の対策手順
個人面接試験の対策を始めるときの手順を解説します。
- 求める教師像を理解する
- 自己分析を進める
- 模擬面接で実践練習
求める教師像を把握する
東京都教育委員会が、どんな人物を求めているのか知っていますか?
面接は採用者側(東京都)が求める教師像と、あなたの人物像がどれだけマッチしているかを確認するために行われています。ここにズレが生じると不合格が確定してしまうので、必ず求める教師像をきちんと把握してから対策してください。
東京都が求める教師像は以下のとおりです。
- 教育に対する熱意と使命感をもつ教師
- 豊かな人間性と思いやりのある教師
- 子供の良さや可能性を引き出し伸ばすことができる教師
- 組織人としての責任感、協調性を有し、互いに高め合う教師



「このような人物が欲しい!」という教育委員会からのメッセージです。今までの経験や体験からアピールできるような内容を準備しましょう。
自己分析をする
続いて、自分自身をきちんと理解(自己分析)しましょう。自己分析ができていないと、面接官を納得させられる話をできないからです。
多くの方は自分という人間について深く理解し、売り込む経験をしたことなんてないですよね。なので、自己分析をきちんと行って話す内容を考えておかなければ、面接では絶対に上手くアピールすることはできないのです。
過去の質問内容などを使いながら、面接で話す内容(自己PRや志望動機)を作るところから始めていきましょう。
模擬面接で実践練習
最後は、模擬面接を受けて実践力を鍛えましょう。
- 本番特有の緊張感
- 回答に困る深掘りポイント
- 客観的な評価
このように1人で面接練習をしていては気が付かない部分がたくさん発見できるからです。練習相手は友達や家族でもいいですが、できるだけ経験者(予備校やその道のプロ)にもみてもらってください。
なお、教員採用試験の面接対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
東京都教員採用試験の面接で受かる人の特徴は?
結論からいうと、面接で受かる人は以下の特徴を持った人です。
- 印象がいい(笑顔、元気、熱い)
- 将来性や伸びしろがある
- 教員としての適性が感じられる
面接において、「自慢できるエピソードがないとダメだ」とか「全国大会で優勝した実績が必要だ」というような内容に拘わりがちですが、話の内容よりも印象(雰囲気)が重要なんですよね。
もし面接官として、受験者が素晴らしいことを言っているのに、目線を合わせずボソボソ話したり、覚えた回答を棒読みしたりしていたらどう感じますか?そのような受験者を採用したいと思います?
僕なら、その受験者が筆記試験で満点を取っていたとしても、留学経験や難関資格をたくさん持っていたとしても、そんな人を採用したいとは思いません。それよりも、一生懸命に取り組みながらも明るく大きな声で自分の言葉で話している人を採用したいと思います。
なので、面接で受かりたいのであれば、話す内容だけに時間をかけるのではなく、どのように振る舞い、話し方をすることで受け入れられるかにも時間を費やすことが必要です。
当然、これらの要素を1人で判断することはできません。必ず第三者に協力してもらい、面接で受かるためのポイントを学ぶよう努めましょう。
なお、面接でのNGポイントなどを教員採用試験の面接で落ちる人・受かる人の特徴は?合格・不合格サインを徹底解説で解説しています。あわせて確認してみてください。
まとめ|東京都教員採用試験の面接で落ちないために必要なこと
今回は、東京都教員採用試験の面接試験における過去の質問内容や傾向を解説しました。
面接試験は筆記試験と違い、どのような対策をすれば良いのかが分かりにくく、努力がそのまま結果に繋がらない不透明な試験です。そのために対策を後回しにしてしまい、不合格になる人が後を絶ちません。
不合格にならないためには、面接で必要とされる「自己分析」をしっかりと行い、過去問を繰り返し練習することで自分オリジナルの回答を作り上げることが重要です。
そして、第三者にきちんと伝わるかどうか、話し方や表情、態度などを確認しながら練習を続けることで、面接対策は考えているよりも簡単に行えます。
面接試験は筆記試験よりもやることが多く、時間もかかるため、できるだけ早めに対策を開始することが重要です。
まずは過去問を使いながら、自分なりの回答を考えてみましょう。
詳しくは、こちらの『東京都教員採用試験の面接対策!過去の質問と模範解答』でまとめています。
今回は以上です。