- 教職教養はどんな問題なの…。
- 教職教養はいつから勉強すべき…。
- 教職教養の勉強法が知りたい…。
教員採用試験を攻略するには教職教養の対策が重要です。
筆記試験だけでなく、小論文や面接でも知識が必要になってくるんですよね。
とはいえ、教職教養の勉強といっても、具体的に何をすればいいのか、そもそもどんな科目があるのかわからない初心者は多いと思います。
そこでこの記事では、これから勉強を始める初心者向けに基本的な教職教養の知識から具体的な勉強法まで紹介します。
記事を足がかりに教職教養の勉強をはじめていきましょう!
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教員採用試験の教職教養とは?一般教養との違い
教員採用試験の筆記試験は大きく分けると「教養試験」と「専門試験」の2つがあります。
そのうち、教養試験は「教職教養」と「一般教養」で構成。

教職教養とは、学習指導要領や生徒指導といった「教員として知っておくべき知識」のことで、教養試験の1分野です。
一般教養は、高校までに習った教科に関する知識から出題があります。一般教養も勉強法は下記記事で解説しています。
>>教員採用試験の一般教養は難しい?勉強法やレベルを解説!【ない自治体も】
教職教養は問題数が多い
教職教養は、教養試験の中でも問題数が多いです。
自治体にもよりますが、4科目で50%〜80%を占めています。

一般教養科目の問題数は全体の30%〜50%なのに科目数は10以上ですからね…。
東京都や岐阜県など、教職教養からの出題が100%という自治体もあるくらいです。
教職教養は配点が高い
教職教養は配点が高いことも特徴の一つです。
例えば、愛知県教員採用試験では100点満点のうち約60点が教職教養。

4科目で60点ですから単純に考えれば1科目15点の価値があることに。一方、一般教養は10科目40点なので1科目4点の価値しかありませんね…。
なので、教職教養でできるだけ点数を稼ぐことが重要です。
教員採用試験 教職教養の科目
教職教養は以下の4科目で構成されています。
- 教育原理
- 教育法規
- 教育心理
- 教育史
教育原理
学習指導要領や生徒指導など、教育の中心となる知識で構成される科目です。
教職教養の中では問題数が多く、面接や論文などでも知識が問われる特徴があります。
最近は教育時事(文部科学省や中央教育審議会の資料など)の出題も増えているので、普段から教育関連のニュースは確認しておきましょう。
教育法規
教育基本法や学校教育法などの法律や規則で構成される科目です。
- いじめが起きたときはどう対処するのか
- 教職員の身分はどう保証されているのか
- 個人情報はどう管理すべきなのか
すべて法律として制定されています。
法律は少し難しいイメージがあるかもですが、覚える単語は決まっているので勉強はしやすいです。
教育心理
子どもの心身の発達過程や学習方法(記憶)などで構成される科目です。
教育心理は、出題されない自治体もあります。出ても数問なので、教職教養の中で優先順位は低いです。
しかし、面接や論文でも心理学の知識がないと評価されない場合もありるので対策は必要な科目。
教育史
その名のとおり、教育の歴史からも出題されます。
教育の移り変わりだけでなく、研究や人物に関する出題もありますよ。
出題は日本教育史と西洋教育史からある場合が多いです。
基本的に暗記科目なので短期集中で覚えることが大切です。
教員採用試験の教職教養はいつから勉強する?
教職教養は、早い段階から勉強しましょう。
教養試験は試験科目が多いため「配点が高い科目・単元を中心に勉強する」ことが重要だからです。
教職教養は問題数が多い(配点が高い)傾向にあるので、できるだけ点数を取らないと総合点を上げることができません。
きちんと教職教養で高得点をとれれば、合格ライン5割〜6割に届きやすいので一般教養の負担を減らすことにもなりますよ。
学習スケジュールについては以下の記事で解説しています。
>>教員採用試験の勉強はいつから?合格に必要な勉強時間とスケジュールを解説
教員採用試験 教職教養の勉強法を科目別に解説!
ここまで解説したように教職教養はどの自治体でも必須であり、問題数が多いことからも重要度が高いです。
教職教養が苦手であればあるほど合格から遠のいているといってもいいでしょう。
そして教職教養は、すごく時間がかかる教育原理、努力が素直に点数となる教育法規、短期完成が可能な教育心理や教育史といった科目ごとの特性があります。
これを理解していない受験者が無駄な時間配分、無駄な勉強をして落ちてしまうのは本当に勿体無いことです。
そんな失敗をしないように科目ごとの勉強法を紹介していきます。
教育原理の勉強法
教育原理は量が多く、用語も難しい受験者泣かせの科目です。
実際に苦手な人や捨てている人は多いと思います。
とはいえ、どの自治体でも出題数は多い傾向にあるため、教育原理で点数が取れないと合格は厳しい。
苦手でも何とか安定して7割は取れるようにしておくことが重要です。
教育原理は国語や英語のように単品科目ではなく、複数の科目が関連して構成されています。
そのためタテやヨコの繋がりがわかっていた方が圧倒的に頭に入りやすいです。
そこで、まずは「オープンセサミ」を通読して、教職の流れをつかむことをオススメします!
ここは時間がなければ飛ばしてもOK。
「教職らくらくマスター(実務教育出版)」を使って知識をインプットしましょう。
全部を読む必要はなく、基本的には赤文字(キーワード)を中心に覚えます。
「教職教養らくらくマスター」を繰り返し勉強したら、姉妹本である「教職教養の過去問224(実務教育出版)」を使って実際の出題傾向に慣れましょう!
教育原理は一般的な項目ばかり出題されるので、参考書・問題集に載っている知識だけを淡々と覚えていきましょう。
具体的な科目の特徴や勉強方法を下記記事で解説しています。
最近は教育時事の出題がよくありますが、正直、傾向が読めないので深入りのしすぎに注意。

予備校や教育セミナーなどの情報誌を買い、そこの知識だけ抑えておけばOKです。正答率も低いので必要以上に恐れる必要はありません。
教育法規の勉強法
教育法規は一見難しそうに思えますが、出題範囲も教育原理に比べれば狭いです。
頻出条文やパターン問題が多い科目なので、対策をきっちりやって得点源にできると強い。

合格者が得意にして、不合格者が苦手な科目代表です!
教員採用試験の教育法規とは?頻出条文と効率的な勉強法を解説 で頻出の条文を把握。
正直、ここに書いてある条文を覚えるだけで勉強の7割は終了です。
「教職らくらくマスター(実務教育出版)」を使って知識をインプットしましょう。
全部を読む必要はなく、基本的には赤文字(キーワード)を中心に覚えます。
「教職教養らくらくマスター」を繰り返し勉強したら、姉妹本である「教職教養の過去問224(実務教育出版)」を使って実際の出題傾向に慣れましょう!
STEP1で覚えるべき条文以外はこの問題集で覚えましょう。それ以外は手を出す必要はとくになし。
「教職教養30日完成」は主力科目の対策としては底が浅いのでオススメしません。
また、オープンセサミは量が多く文章が長々書かれているのでいきなり使うと挫折します。あと覚えにくいです。
具体的な科目の特徴や勉強方法を下記記事で解説しています。
>>教員採用試験の教育法規とは?頻出条文と効率的な勉強法を解説
教育心理の勉強法
基本的に、参考書は不要です。
なぜなら、「人物+キーワード」「法則+キーワード」が分かれば正答できるから。
参考書は1つの事柄を無駄に詳しく載せていますが、そんなに出ません。
勉強ができない人は、ずっと文を読んで覚えています。これは効率が悪いので、辞めたほうがいいです。
「教職らくらくマスター(実務教育出版)」を使って知識をインプットしましょう。
全部を読む必要はなく、基本的には赤文字(キーワード)を中心に覚えます。
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繰り返しになりますが、教育心理は「人物+キーワード」「法則+キーワード」が分かれば正答できます。
なので、1人の人物や法則を深堀する必要はありません。
心理学の論文を書くわけではないからです。
具体的な科目の特徴や勉強方法を下記記事で解説しています。
>>教員採用試験の教育心理とは?勉強法やオススメの覚え方を解説

最近は総合問題が出やすいので、問題数が少ないなら捨てる選択肢もあり!
教育史の勉強法
教育史は、教育心理と同じ手法が通用し、しかも教育心理より覚えることが少ないです。
意外と捨て科目にされがちですが、実は楽勝科目なので得点源にできるといいでしょう。
出題の多くは「人物名」と「著書・名言」の組合せを確認させる問題なので主要人物を中心に覚えることが重要。
「教職らくらくマスター(実務教育出版)」を使って知識をインプットしましょう。
全部を読む必要はなく、基本的には赤文字(キーワード)を中心に覚えます。
「教職教養らくらくマスター」を繰り返し勉強したら、姉妹本である「教職教養の過去問224(実務教育出版)」を使って実際の出題傾向に慣れましょう!
1週間もあれば概略がつかめ、1カ月で全問正解も可能。
具体的な科目の特徴や勉強方法を下記記事で解説しています。
間違っても「辞書型の参考書」は使わないようにしよう。
- 深入りしない
- 参考書よりも問題集をメインに勉強
- 参考書は流れを掴むためや辞書代わりに持っておく。
- とりあえずで勉強する。
- 全科目・範囲を均等に勉強する。
- 教育原理・法規を捨てる。
- 参考書をベタ読みで勉強する
教員採用試験で教職教養のみの自治体は?
自治体によっては、教養試験のうち教職教養のみ出題される自治体があります。
現在(2021年)、教職教養のみの自治体は次の12自治体です。
- 岩手県
- 福島県
- 茨城県
- 東京都
- 岐阜県
- 奈良県
- 岡山県
- 岡山市
- 広島県・広島市
- 熊本県
- 熊本市
- 宮崎県
上記のほか、一般教養の出題はあるけど、内容が「時事のみ」「国語だけ」「特殊な試験」といった対策をあまりしなくても解くことができる自治体も探せばあります。
教員採用試験の教職教養でおすすめの参考書
教職教養を攻略するには参考書や問題集の選び方が重要です。
書店に行けば使えるものから、効率の悪いテキストまで多く売られていますからね・・・。
下記記事でおすすめの参考書や問題集を紹介しているので参考にしてください。
>>【2023年版】教員採用試験でオススメの参考書・問題集は?選び方のコツ
教員採用試験の教職教養まとめ
本記事は教員採用試験の教職教養について勉強方法を紹介していました。
内容のおさらいです。
- 教職教養は4科目で構成。
・教育原理
・教育法規
・教育心理
・教育史 - 教職教養の特徴
・問題数が多い
・配点が高い - 教職教養の勉強はいつから?
・早い段階から勉強する - 教職教養の勉強法
・「オープンセサミ」で概要を把握する
・「教職教養らくらくマスター」でインプット
・「教職教養の過去問224」でアウトプット
教職教養は筆記試験でも重要ですが、小論文や面接でも知識が必要になることがあります。
教員の基礎となる部分なので、意識して勉強してきましょう!