- 小論文の傾向
- 小論文の過去問テーマ
- 小論文対策のコツ
結論からいうと、愛知県教員採用試験の小論文は重要です。
令和5年度から採点が一次試験になり、筆記試験で点が取れているのに、小論文の評価が悪くて不合格になっている人が続出しているんですよね。
そこで本記事では、小論文の傾向や過去の出題テーマ5年分を紹介します。対策のポイントも解説しているので、参考にしてください。
愛知県教員採用試験 小論文の傾向
愛知県教員採用試験の小論文は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験(教職教養や専門教科)では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。
小論文試験の概要は、以下のとおりです。
実施 | 一次試験 |
---|---|
試験時間 | 60分 |
文字数 | 900字程度 |
評価基準 | ・教育に対する見識をもち、現実に対する認識は適切であるか。 ・教育に対する意欲は十分であるか。 ・教師として現実に立脚した展望をもっているか。 ・出題の意図を的確にとらえ、論旨が一貫しているか。 ・文章表記は適切であるか。 |
配点 | A~Eの5段階 |

続いて、実際に出題されたテーマを紹介します。
愛知県教員採用試験 小論文の過去問テーマ
ここでは、愛知県教員採用試験の小論文課題(過去問)をまとめています。
令和5年度(2022年実施)
問題 次の文章を読んで、 この筆者の考えをあなたはどうとらえるか。 また、 それを踏まえて、あなたはどのような教員を目指したいと考えるか。 900字以内で述べよ。
答えは確かに〈ある〉。それが初等中等教育における「問題」の大前提である。そして先生はその答えを知っている。その正しい答えに、どうしたら自分たちも到達できるだろうか。先生が知っているはずの答えと自分のものが一致すれば正解で、違っていればバツ。それが入学試験も含めて、高校までの試験の問題であった。
考えてみると、これは怖いことではないか。なぜなら、小学校から高校まで、誰もが一貫して、問題には必ず答えがあるということを前提とし、正解は必ず一つであると思い込んできたのだから。教師の側も、答えが二つも三つもある問題は避けてきただろうし、答えのない問題は出しようがなかった。
どこかに正解があって、その正解は自分が知らないだけであって、誰かが(たぶん誰か偉い人が)知っていると、頭から思い込んでいること、その呪縛のまま、大学においても同じスタンスで教育を受け、そして社会に出ていく。そんな社会人ばかりが増えていくと考えることは怖しいことではないか。
(永田和宏著『知の体力』より)
令和4年度(2021年実施)
問題 次の図表は、外国籍の児童生徒数についての全国調査からの抜粋である。この図表からあなたは何を読み取るか。また、それを踏まえて、あなたは教員としてどのような教育を心がけたいか。900字以内で述べよ。


令和3年度(2020年実施)
新型コロナウイルスの影響で中止
令和2年度(2019年実施)
問題 次の図表は、児童生徒の問題行動等についての全国の状況調査からの抜粋である。この図表からあなたは何を読み取るか。また、それを踏まえて、あなたは教員としてどのような教育を心がけたいか。900字以内で述べよ。


平成31年度(2018年実施)
次の文章は、2015年ラグビー日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズが、筆者に日本の未来について語った一部である。これを読んで、あなたはこの考えをどうとらえるか。また、それを踏まえて、あなたはどのような教員になりたいと考えるか。900字以内で述べよ。
日本が創造力の歩みを止めてしまった背景には経済的な基盤が安定し、「ミスをしない」ことが支配的になってしまったことが根底にあるという。
(生島淳著『コーチングとは「信じること」』より)
「社会に『ノーミス志向』が強ければ、クリエイティブに考えたり、決断していく方向に選手を仕向けることはできません。私は、選手たちに決断して欲しい。ただ、日本の社会では選手が決断したあとで『それは間違っていた』と否定することが多い。コーチにとって大切なのは、『選手はなぜそういう決断をしたのか』を考えることです。(後略)
このように「文章の読み取り」と「資料の読み取り」が交互に出題されています。
なお、平成31年度より前の過去問や模範解答例を【2023年度版】模範解答付!ゼロから始める愛知県教員採用試験の小論文対策でまとめているので、ぜひ活用してください。
愛知県教員採用試験 小論文対策のコツ
ここでは、愛知県教員採用試験の小論文対策を始めるときのコツを紹介します。
今の実力を確認する
自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答になっていなかったりすることはよくあります。
なので、とりあえず予備校の模試などを受けてみて、今の論文力を把握してから、対策する時期の判断をしてみましょう。
そこできちんと書けているようであれば、月に1枚~2枚の論文を書くだけでも対策になります。逆にまったく書けないなら基礎からやる必要がありますよね。
本番3ヵ月前には対策を始める
小論文対策はやることが多いです。
- 課題把握力(読解力)
- 文章構成力
- 表現力
- 語彙力
- 教職関連の知識
これらの力は短期間で身につくものではありません。語彙力や教職の知識くらいなら1ヶ月でも何とかなりますが、他の力を短期間で身につけるのは厳しいです。
こういった順番で勉強することになるので、やはり最低でも3ヶ月は必要だと思って学習スケジュールを組んでみてください。
詳しい対策方法は【模範解答例あり】教員採用試験の小論文とは?書けない理由や対策方法でも解説しています。
客観的な評価をもらう
正解不正解がわからないまま小論文対策を続けても成績は伸びないので、書いた答案は必ず添削してもらいましょう。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。論文を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。
効率よく小論文対策をするなら「添削でフィードバックをもらう」ことが大事です。



予備校を使うのもありだし、大学生なら教職課や教職センター、講師なら校長先生を頼ってみてください。
周りに頼れる人がない方は【教員採用試験の小論文】オススメの添削方法は?添削が必要な理由も解説でオススメの添削サービスを紹介しています。ぜひ、参考にしてください。
愛知県教員採用試験 小論文で落ちないように準備しよう
今回は、愛知県教員採用試験の小論文について、過去の出題テーマをまとめていました。
過去問を眺めるだけでは、小論文を攻略することはできません。過去問を使って答案を作成し、添削を受けることで徐々に上達します。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いです。論文を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことなので気をつけてください。
小論文が原因で不合格にならにように、早めに準備を始めていきましょう。
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