本記事は、愛知県教員採用試験の小論文を徹底解説!
記事の前半で「文字数や評価基準などの試験概要」を説明し、記事の後半で「過去の出題テーマや模範解答例」を紹介しています。
愛知県教員採用試験の小論文対策に必要不可欠な情報が盛りだくさんなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【愛知県教員採用試験】小論文の概要
小論文は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験(教職教養や専門教科)では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。
小論文は一次試験に実施&評価
2021年度から愛知県教員採用試験の小論文は一次試験で行われています。
同じ日に行われる、教職・一般教養と専門教科の点数+小論文の評価で合否を決定。
小論文テーマは文章題と図(表)題
次の出題テーマ一覧を見ると、文章もしくは図(表)から主題を読み取って、執筆する傾向があります。
採用年度 | テーマ |
---|---|
2024年度 | 次の表は、インターネットの利用状況についての全国調査(注)からの抜粋である。 |
2023年度 | 次の文章を読んで、 この筆者の考えをあなたはどうとらえるか。 |
2022年度 | 次の図表は、外国籍の児童生徒数についての全国調査からの抜粋である。 |
2021年度 | 新型コロナウイルスの影響で中止 |
2020年度 | 次の図表は,児童生徒の問題行動等についての全国の状況調査からの抜粋である。 |
2019年度 | 次の文章は,2015年ラグビー日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズが,筆者に日本の未来について語った一部である。 |
2018年度 | 次の図表は,日本を含めた7か国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査結果からの抜粋である。 |
したがって、前年度のテーマが文章題なら図表題が、図表題なら文章題が出ると簡単に予測できます。
恐らく令和7年度は「文章題」!つまり図題のテーマで勉強しても…。
小論文の試験時間は60分
小論文の試験時間は60分ほど。
制限時間内で文章を適切に構成し、要点を明確に伝えることが重要です。また、普段から時間配分を意識して書く練習をしてください。
小論文の文字数は800字程度を目安にする
小論文の最大字数は900字です。
文字数の目安は9割程度なので、800字以上書けるといいでしょう。模範解答例でも800字を超えています。
文字数は誰が見ても一発でわかる評価基準なので、極端に文字数が少ないと減点もしくは採点不可の判定を受けることになりかねません。
知識や語彙が乏しいと多くの文字を書くのは難しいので、普段から語彙力も増やしてください。
小論文の評価基準は5段階
愛知県教員採用試験の小論文は、次の観点に沿ってA〜Eの5段階で評価されます。
次に示す観点に基づき、5段階で評価する。
2024年度愛知県教員採用試験実施要項(P.26 第8選考の方法等)より
- 教育に対する見識をもち、現実に対する認識は適切であるか。
- 教育に対する意欲は十分であるか。
- 教師として現実に立脚した展望をもっているか。
- 出題の意図を的確にとらえ、論旨が一貫しているか。
- 文章表記は適切であるか。
なお、E評価は一発アウトです。
D評価も校種・教科によっては足切りになりかねないので、後回しにせず早めに対策しましょう。
評価が悪くなる理由は、テーマの把握ができていなかったり、文字数が5割以下だったりすることが挙げられます。
【愛知県教員採用試験】小論文のテーマと模範解答例
愛知県教員採用試験の小論文について、出題テーマと模範解答例をまとめています。
2024年度(令和5年実施)
問題 次の表は、インターネットの利用状況についての全国調査(注)からの抜粋である。この表からあなたは何を読み取るか。また、それを踏まえて、あなたは教員としてどのような教育を心がけたいか。900字以内で述べよ。
青少年のインターネットの利用時間(平日1日あたり)
(注)下記7機器によるインターネット利用状況についての調査
スマートフォン、契約していないスマートフォン、携帯電話、自宅用のパソコンやタブレット等、学校から配布された・指定されたパソコンやタブレット等、ゲーム機、テレビ
出典:「令和3年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」調査結果 内閣府(令和4年3月)
調査期間:令和3年11月3日~12月14日
調査対象:満10歳から満17歳の青少年5,000人(回収数3,395人)
模範解答例を見る(タップして表示)
2023年度(令和4年実施)
問題 次の文章を読んで、 この筆者の考えをあなたはどうとらえるか。 また、 それを踏まえて、あなたはどのような教員を目指したいと考えるか。 900字以内で述べよ。
答えは確かに〈ある〉。それが初等中等教育における「問題」の大前提である。そして先生はその答えを知っている。その正しい答えに、どうしたら自分たちも到達できるだろうか。先生が知っているはずの答えと自分のものが一致すれば正解で、違っていればバツ。それが入学試験も含めて、高校までの試験の問題であった。
考えてみると、これは怖いことではないか。なぜなら、小学校から高校まで、誰もが一貫して、問題には必ず答えがあるということを前提とし、正解は必ず一つであると思い込んできたのだから。教師の側も、答えが二つも三つもある問題は避けてきただろうし、答えのない問題は出しようがなかった。
どこかに正解があって、その正解は自分が知らないだけであって、誰かが(たぶん誰か偉い人が)知っていると、頭から思い込んでいること、その呪縛のまま、大学においても同じスタンスで教育を受け、そして社会に出ていく。そんな社会人ばかりが増えていくと考えることは怖しいことではないか。
(永田和宏著『知の体力』より)
模範解答例を見る(タップして表示)
2022年度(令和3年実施)
問題 次の図表は、外国籍の児童生徒数についての全国調査からの抜粋である。この図表からあなたは何を読み取るか。また、それを踏まえて、あなたは教員としてどのような教育を心がけたいか。900字以内で述べよ。
模範解答例を見る(タップして表示)
2021年より前のテーマ&模範解答例について、詳しくは次の記事で解説しています。
【愛知県教員採用試験】小論文対策は独学だと難しいのか
今回は、愛知県教員採用試験の小論文について概要や出題テーマ&模範解答をまとめていました。
これから小論文対策を始めるうえで、「独学でも小論文対策はできるんだろうか?」と疑問に思っているかもしれません。
結論、「小論文対策は独学だと難しい」というのが僕の意見です。
なぜなら、何が良くて悪いのか判断できないから。
たとえば、評価基準である「教育に対する見識をもち、現実に対する認識は適切であるか。」は、どのように解釈して書けばいいでしょうか?
あなたが思っている見識や認識は、客観的に見ればズレているかもしれません。
そのズレに気づくのは、独学では難しいのではないでしょうか。
作文なら主観的に書けば点数はもらえますが、小論文は客観的な内容でないと評価されません。小論文を書いたつもりなのに、作文だと言われたことがある人は要注意です。
このあたりは、次の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。