■ 大阪市教員採用試験の人物試験(面接)の内容や傾向が知りたい!
■ 大阪市教員採用試験の面接個票って何?どうやって書くの?
■ 大阪市教員採用試験の面接で聞かれた質問は?
今回は、大阪市教員採用試験の人物試験(面接試験)に関する情報を発信していきます。
- 大阪市教員採用試験 人物試験(面接)の特徴
- 大阪市教員採用試験 面接個票の重要性と書き方
- 大阪市教員採用試験 人物試験(面接)の過去問
- 大阪市教員採用試験 個人面接の傾向と対策
- 大阪市教員採用試験 場面指導の傾向と対策
教員採用試験は、教員になる(就職する)試験なので、民間企業の就職活動と同じく人物試験(面接試験)が実施されます。
本記事では、大阪市教員採用試験の人物試験の傾向から対策に必要な内容まで解説。実際に聞かれた過去の質問やテーマも紹介します。
「大阪市教員採用試験の面接ってどのような感じなの?」「面接試験が不安」という方は、ぜひ参考にしてください。
【前提知識】大阪市教員採用試験の面接概要
面接試験(人物試験)は筆記試験では判断することのできない、受験者の『積極性、社会性、信頼感、態度、コミュニケーション能力』など、教員として求められる人物面での適性と能力を把握するために行われています。

筆記試験だけではあなたに教員としての適性・資質があるかどうかを判断できないので、面接で人物面のチェックをするわけです!
まずは試験傾向を確認しましょう。
大阪市が求める教員像
大阪市では、子どもが安心して成長できる安全な社会(学校園・家庭・地域)の実現や、心豊かに力強く生き抜き未来を切り拓くための学力・体力の向上、ICTを活用した教育の推進に貢献できる次のような教員を求めています。
①【情熱】教職に対する情熱、愛情、使命感を持ち、困難にも立ち向かえる人
②【教師としての基礎力】広く豊かな教養を基盤とした、専門性と指導力を備えた人
③【人間味】子どもに対する教育的愛情と、カウンセリングマインドを備えた人
出典元:大阪市教育委員会



「このような人物が欲しい!」という大阪市からのメッセージです。今までの経験や体験からアピールできるような内容を準備しましょう。
人物試験の内容は「個人面接」「場面指導」
大阪市教員採用試験の人物試験は「個人面接」「場面指導」が実施されます。
個人面接
受験者1人と面接官2〜3人による形式。提出する面接個票に沿って自己PRや志望動機などに関する質問がなされます。
場面指導
場面指導とは、実際の教育現場で想定される様々なテーマが提示され、それに対する指導を展開する試験形式のことです。
面接試験(二次試験)の合格率
年度 | 合格率 | 受験者 | 合格者 |
---|---|---|---|
2020 | 53.5% | 1,448 | 774 |
2021 | 63.0% | 1,399 | 881 |
2022 | 61.3% | 1,068 | 655 |
二次試験の合格率はけっこう高いですが、10人受けたら4人は落ちるので油断してはいけません。
なお、校種・教科ごとの合格率は、以下の記事で詳しくまとめています。
以上が、大阪市教員採用試験の面接傾向です。
大阪市教員採用試験 面接個票とは
面接個票とは、面接で使用される資料のことです。氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなどを記入して提出します。
面接個票の役割は、採用者が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための資料なので、わかりやすくアピールできる内容を作成しなくてはいけません。
面接個票の提出はいつか
面接個票の提出は面接試験日に提出(持参)します。
面接個票は出願時に作成されるマイページにアップロードされるので、忘れずにダウンロードしましょう。



時間がないからといって適当に書いて提出すると面接で不利になるため早い段階から準備しましょう。
面接個票の内容
- 受験番号|校種|教科|選考区分
- 氏名|生年月日|年齢|住所
- 部活動・クラブ活動歴|ボランティア活動歴
- 指導できる部・クラブ
- 志望理由及び自己PR
- 卒業論文または修士論文のテーマ
- 学歴・職歴
例年、面接個票の内容は変わらないので、合格発表が出るまでに完成させておき、本物の面接個票がきたら転記するように準備しておきましょう。
面接個票の書き方
面接個票を作成するときのポイントを紹介します。
- 自己分析
- 結論から書く
- 添削を受ける
①自己分析
まずは、自分自身はどんな人間なのか、なぜ大阪市の教員を志望するのか、といった自己分析をしましょう。
面接では、自己PRと志望動機を中心に問われるため、自己分析がきちんとできていないと面接官を納得させられないからです。
一番時間のかかる作業なので、早めに準備することが大事です。
②結論から書く
文章を書くときは、結論(自分が最も伝えたいこと)から書きしょう。
なぜなら、 読み手(面接官)が圧倒的にわかりやすくなるからです。
面接官は短い時間で要点を理解して聞きたいことを精査するので、何が書いてあるのか(言いたいのか)分からないと質問できません。
『何も聞かれない⇒アピールできない⇒評価は上がらない(不合格)』という結果になってしまうため注意が必要です。
③添削を受ける
書けた面接個票は、必ず第三者に見てもらいましょう。
なぜなら、誤字脱字や文章の意味がわかるかどうかなど、客観的な判断をしてもらえるからです。
面接個票に答えはありませんが、だれが見てもわかる内容に仕上げることは可能なはず。
面接に入る前の重要資料であることを念頭に置いて、じっくり内容を考えていきましょう。
なお、自己分析(自己PRや志望動機の作り方)やより詳しい面接個票の書き方を以下の記事で解説しています。
以上が、面接個票の内容と書き方です。
大阪市教員採用試験 個人面接の傾向
個人面接では1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
間違いのない回答を目指すことも重要ですが、あまりマニュアルに頼るのではなく、それ以上に自分らしさや大阪市への熱意をアピールできるように準備していきましょう。
個人面接は1人2回
大阪市教員採用試験の個人面接は一次試験と二次試験にそれぞれ実施されます。
一次面接(1回目)では、社会人としての常識や教員としての資質・表現力・社会性を見極め、二次面接(2回目)では教職員・公務員としての適性や責任感等が備わっているか確かめています。
個人面接の試験時間
一次面接は10分、二次面接は15分で行われます。



けっこう早く終わったんだけど・・・。これって不合格フラグなんかな?
面接時間がたとえ短かった場合でも、不合格だと決めつける必要はありません。
短すぎるから不合格とは限らず、採用側の事情で短い時間しかとれないときや、すでに結果が見えているときは、短い時間でも合格の場合があります。
限られた時間であってもしっかりと自己アピールができていれば、採用されることも十分考えられるので安心して臨みましょう。



逆に長くて落ちることもあるからね・・・。面接時間はあまり気にしなくてOK!
個人面接の評価基準
項目 | 着眼点 |
---|---|
資質 | ・教員としての適性があるか。 ・子どもへの教育的愛情があるか。 ・教育への情熱があるか。 ・明確な志望動機があるか。 ・困難に立ち向かう姿勢、粘り強さがあるか。 ・状況に応じた的確な判断力があるか。 |
表現力 | ・話の説得力があるか。 ・物事を的確に表現できているか。 ・論理的思考ができているか。 ・教員としての基礎的知識、専門性があるか。 ・柔軟な発想ができているか。 |
社会性 | ・協調性があるか。 ・社交性があるか。 ・明るさ、素直さがあるか。 |
その他 | ・場に適した服装、身だしなみや立ち振る舞いができているか。 ・適切な言葉づかいができているか。 ・教員としての職務の遂行が可能か |
個人面接では、それぞれの観点に沿ってA~Eの5段階で評価します。
配点は一次面接450点、二次面接420〜450点。



なお、D評価以下がつくと筆記試験の点数が良くても不合格になるので注意しよう!
個人面接の質問(過去問)
受験者が面接試験で最も気になるのは「面接で何を質問されるのか」ではないでしょうか。
何を聞かれるのかがあらかじめわかっていれば、事前に備えることができます。一方で、何を聞かれるのかが不明瞭では、準備のしようがありませんからね。
大阪市では、面接個票に基づく質問にくわえて、二次試験では場面指導についても問われています。
ここでは、過去の面接試験で具体的に聞かれた質問をまとめています。自分なりの回答を練って対策をはじめましょう!
- あなたの強みは何ですか。
- 教員を志望する理由は何ですか。
- 教師として必要とされる資質は何ですか。理由も言ってください。
- 教師に活かせる経験はあるか。
- 教員をするうえで不安に思っていることはありますか。
- 教員を目指したきっかけは何ですか。
- 教師が不祥事を起こすと大騒ぎになりますが、なぜだと思いますか。
- 教育実習はどうでしたか。
- 教員になるうえでどんな思いがありますか。
- 教員になるうえで身に付けたい能力はありますか。
- 教育関連で気になるニュースはありますか。
- 大阪市の良いところはどこですか。
- 大阪市を志望した理由は何ですか。
- どのような学級づくりをしたいですか。
- 10年後のキャリアプランを教えてください。
この他にも、過去に聞かれた質問や回答例などを以下の記事で集約しています。
以上が個人面接の傾向です。
なお、面接対策のやり方(対策方法)などは以下の記事で解説しています。
大阪市教員採用試験 場面指導の傾向
二次試験の個人面接では、場面指導も実施されます。
場面指導は、実際の教育現場で起こりうる場面に対して、受験者がどのように対応するか(できるか)を判断する試験です。
模擬授業とは違い、教科指導ではなく、生徒指導や保護者対応がテーマになります。
場面指導のテーマは試験内で発表
大阪市教員採用試験の場面指導テーマは、個人面接の中で発表されます。
面接試験の最中に発表されるので、事前告知される自治体に比べれば難度は高いです。
場面指導の時間
場面指導の時間は5分間(個人面接の冒頭で実施)。
課題が発表されたら30秒で構想、4分30秒で実演という流れ。
場面指導の課題テーマ
- 「運動会の選手決めで,息子がやりたくない種目に出ることになった。それが嫌だったみたいで,泣いている。どうにかして欲しい」との電話がありました。どう対応しますか。
- あなたは、クラスの担任です。授業を抜け出して保健室にいる生徒がいます。どう対応しますか。
- あなたは、部活動の顧問です。「来週の試合で、子どもがレギュラーになれなかった。もう部活を辞めたいと言っている」と父親から電話がありました。どう対応しますか。
- あなたはクラスの担任です。保護者から「6年生にランドセルを引っ張られるなどして、いじめを受けているようだ。学校に行きたくないと泣いている」と電話がありました。どう対応しますか。
- あなたは進学を控えた生徒がいるクラスの担任です。保護者から「この成績で志望校に合格できるか」と相談を受けました。どう対応します。
- あなたは特別支援学級の担任です。昼休みにAくん(男)がBちゃん(女)の顔に傷をつけてしまいました。どう対応しますか。
- あなたが担任をするクラスで、Aくん(男)から「Bちゃん(女)が臭いから席を変えてほしい」と相談されました。どう対応しますか。Bちゃんは家庭環境が複雑でネグレクト状態である。
以上が個人面接の中で実施される場面指導の傾向です。
大阪市教員採用試験 面接で落ちない人になろう!
面接は筆記試験に比べて不透明な部分が多く、努力が直結しない試験です。そのため、対策方法がわからずに後回しにしてしまい、結果として不合格になる人が後を絶ちません。
まずは、面接の軸となる「自己分析(自己PR・志望動機)」をきちんと行いましょう。そのうえで過去質問をもとに自分オリジナルの回答を練っていく。
そして第三者にきちんと伝わるかどうか、話し方はおかしくないか、表情や態度は大丈夫かなどを確認しながら練習していけば、面接試験は考えているより簡単に行えますよ。
面接対策は筆記試験よりもやることが多く、かなり時間が必要です。できるだけ早めに手をつけて攻略していきましょう!
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

