
教職・一般教養の科目が多すぎて何からどう手をつければいいのかわからない…。出題傾向を教えてください!
勉強を始めたものの、「結局、何から始めればいいの?」と行き詰っている受験者は多いです。
ネットや予備校で情報をリサーチすれば、「教職教養が重要」とか「過去問分析が大事」みたいなことはわかります。
しかし「教職教養のどこを勉強すればいいのか」までわからないと効率よく勉強できないんですよね…。
そこで今回は、徳島県教員採用試験の教職・一般教養について「どの科目・分野に力をいれて、どこは捨てていいのか」を具体的に説明していきます。
本記事を読めば過去問分析に時間をかけなくても出題傾向をつかむことができます。ぜひ参考にしてください。


【徳島県教員採用試験】教職・一般教養の概要
教職・一般教養とは、教師として知っておくべき知識を問う「教職教養科目」と今までの学力を問う「一般教養科目」で構成される筆記試験です。
特別選考を除くすべての受験者を対象に一次試験で実施されます。
試験時間 | 60分 |
問題数 | 40問 |
試験科目 | 【教職教養】 教育原理 教育法規 教育心理 教育史 【一般教養】 人文科学(国語、英語、音楽、美術、保体) 社会科学(世界史、日本史、地理、政治、経済) 自然科学(数学、物理、化学、生物、地学) ※その他、教育施策や一般常識・時事に関する出題あり |
出題形式 | 五肢択一式(マークシート) |
出題タイプ | 一般教養比重型 |
配点 | 120点(1問3点×40問) |
どの科目も中学~大学できちんと勉強してきた人からすれば、そんなに難しくありません。それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目が多すぎるからです。
あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないようにしてください。



続いて、「何から勉強すればいいのだろう…?」と悩む人に向けて、おすすめの手順を解説します。
【徳島県教員採用試験】教職・一般教養は何から?勉強手順4ステップ
「教職・一般教養は何から勉強すべき?」という人向けに、おすすめの手順を紹介します。
①得点源にする科目を決める
徳島県教員採用試験の試験科目は多いですが、科目によって問題数(=配点)は異なります。
少しでも楽に、簡単に点数を取りたいなら問題数が少ない科目よりも多い科目に時間をかけないとダメです。
以下に科目ごとの出題内訳(データ①)をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
【データ①:出題内訳】
※2021~2023年度(令和2~令和4年実施)のデータ
科目 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|
教育原理 | 7 | 4 | 8 |
教育法規 | 3 | 5 | 4 |
教育心理 | 2 | 3 | 2 |
教育史 | 1 | – | – |
国語 | 3 | 3 | 3 |
英語 | 3 | 3 | 3 |
音楽 | 1 | 1 | 1 |
保健体育 | 1 | – | – |
美術 | 1 | 1 | 1 |
世界史 | 1 | – | 1 |
日本史 | – | 2 | 1 |
地理 | 1 | 2 | 1 |
政治 | 1 | 2 | 1 |
経済 | 2 | – | – |
環境 | – | – | 1 |
数学 | 3 | 3 | 3 |
物理 | 1 | 1 | 1 |
化学 | 1 | 1 | 1 |
生物 | 1 | 1 | – |
地学 | 2 | 2 | 1 |
その他 | 5 | 6 | 7 |
出題内訳(データ①) を見てわかるように、優先すべき科目は教育原理、教育法規、数学の3科目です。
「計算を含み、原理を理解するのに時間がかかる、または物理的に量が多いから」というのが主な理由。
これら科目の正答率が高ければ高いほど、その他科目の負担が減るので効率的です。反対に失点するようなことがあれば、その他科目もたくさん勉強しなければいけなくなるため、多くの勉強時間が必要となってしまいます。
すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは教育原理、教育法規、数学の3科目を優先的に勉強してみてください。



国語やその他(一般常識など)も多いけど、覚えることは少ないし、日常生活の内容なので優先してやる必要はないです。
②出題範囲を理解する
全科目を隅々まで勉強するというのは現実的じゃないですし、どの科目も最初から最後まで出ません。
つまり、むやみに手を広げて途中で挫折するよりも、出題頻度の高い部分をしっかり押さえて学習することが重要です。
たとえばオープンセサミ(参考書)によると、教育原理の出題範囲は全13分野あります。しかし、過去の出題範囲を分析すると実際に出ているのは半分ぐらいしかありません(データ②)。
【データ②:教育原理の出題範囲比較】
- 教育の意義と目的
- 教育方法
- 学習指導要領
- 生徒指導
- 道徳教育
- 特別活動
- 人権・同和教育
- 特別支援教育
- 生涯学習
- 社会教育
- 学校の安全と運営
- 教育時事
- その他・総合
※出典:オープンセサミ
教育の意義と目的- 教育方法
- 学習指導要領
- 生徒指導
道徳教育特別活動- 人権・同和教育
- 特別支援教育
生涯学習社会教育- 学校の安全と運営
- 教育時事
その他・総合
※2021~2023年度データ
問われる知識は過去の出題テーマがベースになっています。
出題頻度が高いテーマを把握し、優先的に勉強すると効率よく得点につながりやすいです。逆に、出題頻度が低い、あるいは出ていないテーマは捨てるのもありですね。
このように出題範囲がわかれば「どの分野に力をいれて、どこは捨てていいのか」がハッキリ見えてきます。試験に落ちる人ほど最初から最後まで勉強しがちなので注意しましょう。
なお、以下の記事で過去10年間の出題範囲を公開しています。ぜひ参考にしてください。
③参考書・問題集を準備する
書店には教員採用試験用の 参考書・問題集が数多くあるので、自分に合った使いやすいものを準備してください。
なお、オススメの参考書・問題集はオープンセサミシリーズ(東京アカデミー)が無難です。


- 豊富な情報量
- 大手予備校が監修している安心感
- 幅広い科目に対応
人気ランキングでもトップであり、多くの受験者が利用している点からもオススメ。
しかし、「無駄な部分が多い」、「出題傾向表がついていないので独学に適さない」という欠点が…。しかしそこは僕が作成した出題傾向表を併せて使えばこの欠点を無効化できますよ。
もちろん、オープンセサミの他にも「らくらくマスターシリーズ」や「Twin Books完成シリーズ」など教採用の参考書・問題集はたくさんあるので、自分にあった1冊を選んで勉強してください。
④復習メインで勉強を進める
勉強では、先に進むよりもどれだけ復習するかが重要です。
僕の経験上、どれだけ勉強量を増やしても復習に時間をかけていないと覚えることはできません。僕も勉強時間の7割ぐらいを復習に充てていました。
復習のタイミングは一概ではありませんが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです(データ③)。
【データ③:復習のタイミング】
1日目 | 1〜10ページをやる |
---|---|
2日目 | 1〜10ページを見直して、11〜20ページをやる |
3日目 | 1〜20ページを見直して、21〜30ページをやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。これをしないだけで一気に知識の定着が悪くなります。
最初のうちはけっこうシンドイです。でも、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、復習メインを意識して勉強していきましょう。
以上が、教職・一般教養の具体的な勉強手順4ステップです。



最後に、教職・一般教養の勉強をスタートする時期について解説します。
【徳島県教員採用試験】教職・一般教養はいつから勉強すべきか?
専門科目の勉強が一段落したら始めると良いでしょう。
なぜなら、専門科目の方が教職・一般教養より配点は高いからです。
- 教職・一般教養:120点
- 専門科目:300(200)点
※( )は実技試験のある校種・教科
教職・一般教養は試験科目が非常に広範なので対策に時間はかかります。しかし、どんなに高得点を取っても専門科目で高得点が取れないと総合点を上げることができません。
なので、専門科目にある程度メドが立ったら教職・一般教養の勉強を始めてください。
出題傾向を理解して効率よく勉強しよう
今回は徳島県教員採用試験の教職・一般教養について 「どの科目・分野に力をいれて、どこは捨てていいのか」を解説しました。
僕が徳島県志望者の相談を受けていて思うのは、適当に勉強をしてしまっている人が相当多いということです。
どんな勉強でもそうですが、どれだけ時間をかけて努力したとしても、それが間違った方法であれば意味がありません。
とくに教職・一般教養は未知な部分が多いので、はじめて受験する方であればこそ、正しい勉強方法を知り、効率よく勉強していくことが大切です。
効率よく勉強する手順は次のとおり。
これらを意識して勉強すれば十分に得点を伸ばせますよ。まずは出題範囲の確認、そこから始めていきましょう!