山口県教員採用試験の二次選考で行われる小論文。
「文章を書く試験でしょ?」と何となく内容を想像するけど、イマイチどんな試験なのか把握できていないのではないでしょうか。
そこで本記事では、これから山口県教員採用試験の小論文対策を始める方向けに、傾向や過去の出題テーマを紹介します。評価を上げるコツも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
山口県教員採用試験 小論文の傾向
山口県教員採用試験の小論文は、テーマに沿って自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。筆記試験(教職教養や専門教科)では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。
ここでは、小論文の傾向を3つ解説します。
- 教育に関する内容
- 試験時間と文字数
- 3点以下で足切り
教育に関する内容
山口県教員採用試験の小論文の出題形式は、教育に関して自分の考えや主張を論述する内容です。
急激に変化する時代の中で、学校教育においては全ての子どもたちの可能性を引き出す、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の実現が求められています。あなたは、なぜ、この実現が求められていると考えますか。また、あなたは教員として、その実現に向けて、どのようなことに取り組んでいきますか。具体的に書いてください。
与えられたテーマをしっかりと理解し、自分の意見を論理的かつ具体的に展開することが求められます。文章の構成や表現に工夫を凝らし、誤字や脱字を避けることも重要です。
試験時間と文字数
試験時間 | 50分 |
---|---|
文字数 | 800字 |
制限時間内で文章を適切に構成し、要点を明確に伝えることが重要です。また、普段から時間配分を意識して書く練習をしてください。

僕なら、テーマの把握と見直しに5分ずつ、その他の時間を執筆にあてます!
何文字書く?
結論、9割以上書きましょう。上限が800字なので720字程度です。
文字数は誰が見ても一発でわかる評価基準なので、極端に文字数が少ないと減点もしくは採点不可の判定を受けることになるんですよね。



6割も埋められていないと厳しいですね。
知識や語彙が乏しいと多くの文字を書くのは難しいので、普段から語彙力も増やしておくといいでしょう。
D以下で足切り
山口県教員採用試験の小論文は以下の観点に沿って評価します。
- 教育的愛情
- 教育に対する情熱・意欲
- 教育観
- 人権意識
- 倫理観
- 表現力
- 創造力
- 指導力
- 社会性
- 積極性
- 協調性等
最終的にA~Eの5段階で評価しますが、D評価以下で即不合格です。
評価が悪くなる理由としては、テーマの把握ができていなかったり、文字数が6割以下だったりすることが挙げられます。また、字が汚い(丁寧であればOK)、誤字脱字が多いっていうのもよくないですね。
以上の傾向を理解してから、小論文対策を始めてみましょう。
山口県教員採用試験 小論文のテーマ(過去問)
ここでは、山口県教員採用試験の論文で出題された過去問をまとめています。
令和5年度(2022年実施)
急激に変化する時代の中で、学校教育においては全ての子どもたちの可能性を引き出す、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の実現が求められています。あなたは、なぜ、この実現が求められていると考えますか。また、あなたは教員として、その実現に向けて、どのようなことに取り組んでいきますか。具体的に書いてください。
令和4年度(2021年実施)
山口県では、学校・家庭・地域が連携・協働した教育を推進しています。あなたは、なぜ、現在、このような教育が必要だと考えますか。また、あなたは教員として、家庭・地域と一体となって、どのような教育活動に取り組んでいきますか。子どもたちに育みたい能力や態度等を踏まえて、具体的に書いてください。
令和3年度(2020年実施)
「Society5.0」といわれる超スマート社会の到来、グローバル化の加速など、これからの複雑で予測困難な時代を迎えるにあたって、児童生徒が主体的に自らの未来を切り拓いていくために、どのような力を育成することが求められると、あなたは考えますか。また、あなたは教員として、児童生徒が主体的に自らの未来を切り拓いていくための力を育成するために、どのように取り組んでいきますか。具体的に書いてください。
令和2年度(2019年実施)
児童・生徒の資質・能力の育成に当たって、学校では一人ひとりを大切にする教育が重要とされています。あなたは、なぜ、このような教育が重要だと考えますか。また、あなたは教員として、一人ひとりを大切にする教育をどのように実践していきますか。具体的に書いてください。
平成31年度(2018年実施)
技術革新の進展により、近い将来、多くの職種が人工知能(AI)やロボット等により代替できるようになる可能性が指摘されている一方で、これまでになかった仕事が新たに生まれる時代が到来すると言われています。このような時代に、子どもたちが社会を生き抜くためには、どのような力が求められると、あなたは思いますか。また、あなたは教員として、子どもたちにこれからの社会を生き抜く力を育成するために、どのようなことに取り組んでいきますか。具体的に書いて下さい。
山口県教員採用試験 小論文の対策はいつから始めるべきか
結論をいえば、人によります。「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
まずは今の実力を確認してみる
自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答になっていなかったりすることはよくあります。
なので、とりあえず予備校の模試などを受けてみて、今の論文力を把握してから、対策する時期の判断をしてみましょう。



東京アカデミーや時事通信などが模試を実施していますよ!
そこできちんと書けているようであれば、月に1枚~2枚の論文を書くだけでも対策になります。逆にまったく書けないなら基礎からやる必要がありますよね。
3ヵ月前には始めることを推奨
小論文対策はやることが多いです。
- 課題把握力(読解力)
- 文章構成力
- 表現力
- 語彙力
- 教職関連の知識
これらの力は短期間で身につくものではありません。語彙力や教職の知識くらいなら1ヶ月でも何とかなりますが、他の力を短期間で身につけるのは厳しいです。
書き方の勉強→推敲→フィードバック(添削)→繰り返す(最低2回)
こういった順番で勉強することになるので、やはり最低でも3ヶ月は必要だと思って学習スケジュールを組んでみてください。
小論文には、明確な解答がないため独学では限界があります。そのことを踏まえて勉強してくださいね。なお、小論文の書き方や添削方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。


山口県教員採用試験 小論文で落ちないように準備しよう
今回は、山口県教員採用試験の小論文について、傾向や過去のテーマをまとめていました。
小論文試験では、どんな人が落ちると思いますか?答えは、最初から最後まで1人で対策しようとする人です。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。答案を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。
過去問を眺めるだけでは、小論文を攻略することはできません。過去問を使って答案を作成し、添削を受けることで徐々に上達します。
小論文が原因で不合格にならにように、早めに(遅くても試験の3ヶ月前を推奨)準備を始めていきましょう。
今回は以上です。
その他、山口県教員採用試験の内容や対策はこちらの記事で解説しています。

