「仙台市教員採用試験の対策をはじめよう!」と思うものの、何からはじめていいかわかりませんよね。そもそも、どんな傾向なのかどうかもよくわかっていない…。
教員採用試験は、自治体ごとに試験内容や出題される問題が違います。そのため、内容を知らずに対策することはNGです。そこで本記事では、仙台市教員採用試験の具体的な内容と、試験ごとの傾向から対策方法まで解説します。
今すぐにでも勉強を始めたいと考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

令和5年度、4年度の情報をもとに解説しています。流れは例年おなじなので来年以降に試験を控えている人でも感覚をつかめるはず。なお、試験を受けるときは必ず「仙台市の公式HP」も確認してくださいね。
💡 実践的な対策法・過去の出題傾向を体系的に学べる対策ロードマップも配信しています!
【基礎知識】仙台市教員採用試験とは?概要を解説
仙台市教員採用試験とは、仙台市内の公立学校で働く正規教員の採用候補者を決める選抜試験です。
まずはどんな試験なのか大まかな概要(令和5年度)を紹介します。
受験資格
基本的には「年齢制限」と「教員免許状の取得(見込み)」を満たすことが必要です。
受験資格①:年齢制限
昭和38年4月2日以降に生まれた人
受験資格②:教員免許状の取得(見込み)
校種 | 必要な免許状 |
---|---|
小学校 | 小学校教諭普通免許状(専修・一種・二種のいずれか) |
中学校 | 当該教科の中学校教諭普通免許状(専修・一種・二種のいずれか) |
中学校・ 高等学校 | 当該教科の中学校教諭普通免許状(専修・一種・二種のいずれか)及び 当該教科の高等学校教諭普通免許状(専修・一種のいずれか) ※中学校教諭普通免許状のみでも受験可能です。 ※高等学校教諭普通免許状のみでは受験できません。 |
高等学校 | 当該教科の高等学校教諭普通免許状(専修・一種のいずれか) |
養護教諭 | 養護教諭普通免許状(専修・一種・二種のいずれか) |
栄養教諭 | 栄養教諭普通免許状(専修・一種・二種のいずれか) |
募集教科と採用予定人数
校種 | 教科 | 採用数 | 前年比 |
---|---|---|---|
小学校 | – | 190 | -10 |
中学校 | 社会、理科、技術 | 80 | -70 |
中学校・ 高等学校 | 国語、数学、音楽、美術、保健体育、家庭、英語 | ||
高等学校 | 理科、工業(電子・電子、建築) | 若干 | 同 |
養護教諭 | – | 若干 | 同 |
栄養教諭 | — | 若干 | 同 |
※「中学校・高等学校教諭」は,原則として中学校教諭としての任用となります。ただし,本人の希望や免許状の所有状況を考慮して,高等学校・中等教育学校教諭として任用する場合があります。令和5年度は「国語」「数学」「保健体育」「英語」について高等学校へも任用予定。
合格率
仙台市教員採用試験の全体の合格率は30%前後で推移しています。
令和4年度(2021年実施)の合格率は37.6%で過去最高を記録しました。例年に比べると難度は低かったと思います。
年度 | 合格率 | 受験者 | 合格者 |
---|---|---|---|
平成30年度 | 24.0% | 847 | 203 |
平成31年度 | 29.4% | 1,257 | 369 |
令和2年度 | 22.5% | 1,115 | 251 |
令和3年度 | 30.5% | 1,018 | 310 |
令和4年度 | 37.6% | 974 | 366 |
関連記事:【仙台市教員採用試験の倍率推移(教科別)】重要なのは二次試験?
仙台市教員採用試験の内容は?傾向を紹介
仙台市教員採用試験の内容は、大きく「筆記試験」と「面接試験」に分類できます。
試験は段階式で行われ、まず一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。
関連記事:【令和5(2023年度)】仙台市教員採用試験の日程は?最終合格までの流れを解説
- 教養試験
- 専門教科
- 実技試験(音楽、美術、保体、家庭、英語の志望者のみ)
- 適性検査
- 集団討論
- 個人面接Ⅰ・Ⅱ
教養試験の内容
教養試験は、学習指導要領や教育に関する法律などの教師力を測る「教職教養」と高校までに習った学力を測る「一般教養」で構成される筆記試験です。
要は科目の多い大学入学共通テスト(旧センター試験)のようなもので、その多くが大学の教職課程や高校までに学んだ内容です。一度は勉強したことがある科目ばかりなので馴染みはあると思いますが、科目数は10以上もあるので対策に苦労する受験者が多い。

全校種・教科が同じ問題を解きます!
教養試験の傾向
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 30問 |
出題形式 | 空欄補充、正誤問題 |
解答方式 | 四肢択一式 (マークシート) |
配点 | 100点 |
試験科目・範囲は膨大なので出題数の多い科目や頻出分野を把握し、効率よく勉強することがポイントです。
関連記事:【何から勉強する?】仙台市教員採用試験 教養科目の全出題範囲を公開
教科専門の内容
専門試験は、教員として授業等を行う上で必要な専門的知識を問う筆記試験で、志望する校種・教科に応じて試験問題が異なります。
試験レベルは中学〜高校までに習う部分が中心に出題されますが、大学の専門課程で学習するレベルの問題も出ています。そのため、よく大学入試と比較されるのですが、大学入試と比べると、大学入試は広く深く、専門試験はやや広く浅くなので、大学入試のほうが難しいと感じる受験者は多いです。
専門教科の傾向
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 教科による |
出題形式 | 空欄補充、正誤問題 |
解答方式 | 四肢択一式 (マークシート) |
配点 | 200点 ※実技のある教科は100点 |
実際に自分が教える教科なので、平均点は高くなる傾向にあります。配点も教養試験に比べると高いため早めに準備をはじめることが大切です。
関連記事:教員採用試験の専門教養科目とは?勉強法と重要な理由を解説!
集団討論の内容
集団討論は、複数の受験者がお題に対して意見を述べ、話合いをしていく試験です。
「討論」と聞けば、意見を言い合い自分の主張が正しいことを論理的に説明して議論することを想定するかもしれません。しかし、教員採用試験における討論は議論を交わすよりも、お互い協力して課題を解決するという点を意識しなければいけません。
集団討論の傾向
試験時間 | 40分 (説明1分)→(構想1分)→(討論18分×2回)→(消毒等2分) |
---|---|
人数 | 5人程度 |
出題テーマ | ①学校での指導場面 ②社会一般 |
配点(評価) | A~Eの5段階 |
集団討論は協力して意見をまとめる試験です。協調性やコミュニケーション能力が問われるので、様々な環境(人や場所)で実戦形式を通して上達していきましょう。
参考:(2021年度)仙台市教員採用試験 集団討論のテーマ(PDF)
参考:(2022年度)仙台市教員採用試験 集団討論のテーマ(PDF)
個人面接Ⅰ・Ⅱの内容
個人面接では、 筆記試験では判断できない受験者の人間性や教員への資質・適性、志望意欲などを評価する人物試験です。
面接形態は「個人面接」で、面接官3人に対して受験者が1人で行います。過去の経歴や経験、志望動機から今後の抱負まで幅広い質問に回答しなければいけません
個人面接Ⅰ・Ⅱの傾向
試験時間 | 25分 / 各回 |
---|---|
特徴 | 一人2回の面接を実施 |
内容 | ①志望動機、教職関連等 ②自己PR、仕事意識等 |
面接カード | あり ※二次試験で提出 |
配点(評価) | A~Eの5段階 |
教員採用試験は人物重視です。そのため個人面接の結果は合否に大きく影響します。最近は受験者がどのような目的をもって行動したのか、その特性を探るコンピテンシー評価型面接で行われているので、その特徴を理解して対策しましょう。
関連記事:【質問は何が聞かれる?】仙台市教員採用試験の面接過去問
仙台市教員採用試験の配点は?合格者の決定方法を確認
これから対策を始めるうえで配点や選考方法を知っておくことは重要です。ココを間違えてしまい、見当違いな対策にならないように注意して勉強しましょう。
試験配点
一次 | 教養試験 | 100点 |
---|---|---|
専門教科 | 200点 ※実技のある教科は100点 | |
実技試験 | 100点 | |
二次 | 集団討論 | A~Eの5段階 |
個人面接 | A~Eの5段階 |
一次試験合格者の決定方法(選考基準)
一次試験の合格者は、筆記試験1(教養)、筆記試験2(専門)、実技試験の結果を総合して決定する(公式案内より抜粋)。
しかし、いずれかの試験において著しく低い成績があった場合は不合格となります(=足切り)。

足切りラインの目安は3割以下です。気をつけましょう!
足切りにならないように、傾向を把握してきちんと対策しましょう。
関連記事:【何から勉強する?】仙台市教員採用試験 教養科目の全出題範囲を公開
関連記事:教員採用試験の専門教養科目とは?勉強法と重要な理由を解説!
最終合格者の決定方法(選考基準)
最終合格者は、集団討論及び個人面接の結果をもとに、一次試験の結果、願書・提出書類などを勘案して総合的に決定する(公式案内より抜粋)。
簡単にいえば、一次試験(筆記試験)で高得点を取れても、集団討論や面接で評価が悪いと選考対象になりません!ここかなり重要です。
関連記事:【質問は何が聞かれる?】仙台市教員採用試験の面接過去問
仙台市教員採用試験の試験内容と傾向まとめ
仙台市教員採用試験の内容は幅広いため、「難しそうだな…。」と感じたかもしれませんが、この内容をしっかりと理解して対策していかなければ合格できません。
しっかりと試験の本質を理解して正しい努力をすればある程度の結果は見えてきます。
もちろん、何も傾向を理解せず適当に勉強するだけでは時間のムダになってしまいますが、この記事を見ているような勉強熱心なあなたなら大丈夫です!適当に勉強しているその他大勢の人に負けるわけありません。
勤勉なあなたは結果を出すことができるので安心してノウハウを学んで、まずは対策に時間のかかる筆記試験から勉強をはじめていきましょう。
