本記事では、2025(令和7)年度青森県教員採用試験の内容(科目)を徹底解説します。
教員採用試験の内容(科目)は、自治体によって大きく異なることを知っていますか?
日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく試験対策できるかどうかは、志望先(=青森県)の試験内容をどれだけ理解しているかが重要です。
本記事を読めば、「試験内容はもちろん、傾向や最終合格するにはどう対策すればいいか」まで網羅的に理解できるので、ぜひ参考にしてください。
青森県教員採用試験の内容(科目)は?
青森県教員採用試験の内容(科目)は、一次試験と二次試験に分かれています。
一次試験では一般・教職教養試験と専門教科試験が、二次試験では集団討論と個人面接、実技試験がそれぞれ行われます。
今年度から二次試験の小論文と適性試験が廃止になりました!
一次試験の内容(科目)
一般・教職教養 | 教職員として必要な基礎学力(教職教養と一般教養)に関する筆記試験。(択一式:54問 / 60分) |
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教科専門 | 志望する校種・教科に関する専門知識や学習指導要領の理解度を測る筆記試験。(記述式:90〜110分) |
二次試験の内容(科目)
集団討論 | 資質・能力・適性等に関する資料を得るため、与えられたテーマについて、個人の意見発表と討論を行います。 |
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個人面接 | 教育現場での対応力や人柄、コミュニケーション能力などに関する面接試験。過去の経験や指導教科について質問されます。(20分) |
実技試験 | 音楽や美術、体育など特定の教科の指導能力を見るための人物試験。 |
青森県教員採用試験の一般・教職教養
一般・教職教養は、教職員として必要な基礎学力や一般教養力を測る筆記試験です。
校種・教科に関わらず、すべての受験者が同じ問題を解きます。
一般・教職教養の傾向
試験時間 | 60分 |
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問題数 | 54問(大問12題) |
出題形式 | 穴埋め問題、正誤問題 |
解答方法 | 択一式(マークシート) |
配点 | 100点満点 |
問題数54問に対して、試験時間は60分しかありません。1問に1分以上かけていると時間に間に合わないので、各問題にかける時間をしっかりと配分することが重要です。
一般・教職教養の出題科目(範囲)
出題科目(範囲)は、教育に関する基礎的な知識を問う「教職教養科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養科目」から出題されます。
採用年度 | 2022 | 2023 | 2024 |
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教育原理 | 18 | 18 | 20 |
教育法規 | 6 | 6 | 5 |
教育心理 | 3 | 4 | 3 |
教育史 | 3 | 2 | 2 |
国語 | 8 | 8 | 8 |
英語 | 4 | 4 | 4 |
世界史 | – | 1 | 1 |
日本史 | 1 | – | – |
地理 | 1 | 1 | 1 |
政治 | – | 1 | 1 |
経済 | 2 | 1 | 1 |
数学 | 4 | 4 | 4 |
物理 | 1 | 1 | 1 |
化学 | 1 | 1 | 1 |
生物 | 1 | 1 | 1 |
地学 | 1 | 1 | 1 |
- 各数字は科目ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
一般・教職教養の対策方法
どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向(範囲)を理解し、効率よく勉強することが重要です。
たとえば、上記の科目別出題数一覧を見ると、教育原理は20問出ていますが、教育史は2問しか出ていません(2024年度の場合)。
どちらの科目に時間を使うかは明白ですよね。まずは、出題数の多い科目(教育原理)から着手することが重要です。
また、どの科目も全範囲から出ません。たとえば、教育心理の出題内容を分析すると、5年連続で「学習の理論」から出題があります。
- 各数字は分野ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
その一方で、「教育心理学の歴史」や「教育評価」はまったく出ていませんよね。全範囲を勉強して中途半端になるよりも、まずは出題頻度が高い(よく出る)範囲に重点を置きインプットしていってください。
科目・範囲が膨大だからこそ、どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向を理解し、効率よく勉強しましょう。
青森県教員採用試験の専門教科
専門教科は、志望する校種・教科に関する専門的知識を測る筆記試験です。
専門教科の傾向
試験時間 | 小学校:110分 その他:90分 |
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問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 記述式 |
配点 | 小学校:250点 その他:100点 |
問題レベルは、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割以上を占めています。
専門教科の出題科目(範囲)
専門教科の出題科目(範囲)は教科・科目によって異なります。
たとえば、小学校なら国語、算数、社会、理科、外国語、音楽、図工、体育、家庭などが出題されます。社会科なら日本史、世界史、地理、政治、経済、倫理が出題範囲という具合です。
また、教科・科目に関する知識以外にも、学習指導要領や指導方法・指導案に関する問題が出題されることもあります。
専門教科の対策方法
専門教科は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいので、自分の学力に合った方法での対策が必須です。
たとえば、英語教員を目指す人の中には英検1級レベルの人から3級すら危うい人までおり、同じテキストで勉強しても意味がありません。
まずは過去問を自力で解き、現在の実力に合わせて、次のような勉強計画を考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門教科を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
青森県教員採用試験の集団討論
集団討論は、複数の受験者が一つのグループとなりテーマに沿って話し合う人物試験です。
受験者同士で話し合わせることで受験者の能力や性格を多角的に分析することができます。また、個人面接とは違い相対評価になってしまう点にも注意が必要です。
集団討論の傾向
試験時間 | 20分 |
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受験人数 | 5人程度 |
面接官 | 3人 |
配点 | 120点(2025年度から150点になります) |
評価基準 | ・話し方、聞き方 ・発言内容 ・態度、印象 ・教員としての適性 |
集団討論の流れ
最初に試験で話し合うテーマが発表されます。
控室でテーマについて、自分の考えを3分間でまとめます。時間になったら、試験室へ移動。
面接官から受験者の確認や試験に関する説明があります。
最初に提示されたテーマに沿って、20分間の話し合いをします。
集団面接の評価基準
話し方・ 聞き方 | 適切な言葉遣いや態度で臨み、誠意をもって話したり聞いたりしているか。また、討論に積極的に参加しようとしているか。 |
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発言内容 | テーマを正しく理解し、自分の考え方を持っているか。また、目的意識や問題意識を持ち、建設的な内容であるか。 |
態度・印象 | 礼儀正しく、服装や態度など他に対して好ましい印象を与えているか。また、落ち着きがあり、周囲との協調性が感じられるか。 |
協調性 | 周囲との協調性が感じられ、チームで力を発揮できる人物か。 |
教員としての適性 | 教育者としての使命感、子どもに対する教育的愛情、豊かな人間性を有しているか。また、教員としての可能性や将来性が感じられるか。 |
これらの観点をもとに150点満点で評価します。
集団討論のテーマ(過去問)
小学校 | 子どもたちが安全に関する情報を正しく判断し、生涯を通じて安全な生活を送ることが できるよう、「安全教育(学校安全)」について、どのように取り組むか、話し合ってください。 |
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中学校 | 子どもたちが我が国や諸外国の文化と伝統について関心と理解を深め、国際社会に貢献できるよう、「異なった文化や習慣をもつ人々との交流の推進」について、どのように取り組むか、話し合ってください。 |
高校 | 学校生活上の諸問題を自ら積極的に見いだし、自主的に解決できるようにするためには、一人一人の生徒に自己存在感を持たせたり自己決定の場を与えたりするなど、生徒指導の機能を最大限に生かした学年・学級・ホームルーム経営が必要です。このことについて、どのように取り組むか、話し合ってください。 |
特別支援 | 交流及び共同学習においては、障害のある子どもと障害のない子どもの相互理解の促進 が大切です。このことについて、交流及び共同学習の実施に当たり、どのように取り組むと効果的か、話し合ってください。 |
養護教諭 | 児童生徒の適切な保健管理のためには日常的に健康観察を行うことが重要です。養護教論として、児童生徒の健康観察にどのように取り組み、また、どのように活用するのか話し合ってください。 |
栄養教諭 | 毎日朝食をとることは、基本的な生活習慣を身に付ける上で重要な要素の一つです。「朝食」をテーマに、栄養教諭としてどのように取り組むか、話し合ってください。 |
その他のテーマはこちら(PDF)
集団討論の対策方法
集団討論では、説得力のある発言を心がけることが大切です。
具体的には、自分の意見を言うときは、「こう思う」というだけでなく、「こういう理由だから、こう思う」と自分の経験や事例を交えて話す練習をしてください。
根拠のない発言を繰り返しても、討論になりませんし、適当なことを言っていると評価を下げかねません。
また、他の人が何を言っているか聞くのも重要。前の人が言ったことをきちんと受け止めながら、自分の意見を話せるように準備しましょう。
青森県教員採用試験の個人面接
個人面接は、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などを評価・判断する人物試験です。
個人面接の傾向
試験時間 | 20分 |
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面接官 | 3人 |
配点 | 120点(2025年度は150点に増えます) |
面接カード | あり(出願時にエントリーシートを提出) |
集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
個人面接の流れ
面接室へ入室し、椅子の横で停止する。
最初に自己紹介をしてから着席。
- 面接調書
- 一般質問
- 教科に関する質問など
これらの質問に対して回答する。試験時間は20分程度。
個人面接の評価基準
教員としての使命感や教員になろうとする意欲があるか。 |
組織の一員として自覚を持ち、協力して職務を遂行しようとする協調性があるか。 |
児童生徒に対する教育的愛情があるか |
思考力や表現力、論述力が感じられるか。 |
本県の教員として望ましい資質・能力について、総合的な適性があるか。 |
これらの観点をもとに面接官それぞれが評価し、150点満点で評定をつけます。
2024年度までは120点でしたが、2025年度から150点になり重要度が増しています!
面接カード(調書)
面接カード(調書)は、面接試験で使用される資料です。氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなど、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための役割があります。
この面接カード(調書)は一次試験日に提出します(2025年度の場合)。
教員を志望する動機 |
青森県を志望する理由 |
部活動・サークル活動・ボランティア活動 |
特技資格 |
サンプル)調書の内容
実際の試験では、提出する面接カード(調書)に基づいて過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負など幅広く聞かれているので、わかりやすくアピールできる内容を考えておきましょう。
個人面接の質問内容(過去問)
実際に青森県教員採用試験を受験してきた方々から集めた質問内容を抜粋してまとめています。
- 教師になりたいと思ったのはいつからですか。
- 教師を志望する理由は何ですか。
- なぜ青森県の教師になりたいのですか。
- 子供のどんなところが好きですか。
- あなたのどこが教師に向いていると思いますか。
- これまでの人生で一番うれしたったことは何ですか。
→その経験を教師としてどう活かせますか。 - ストレスはどんなときに感じますか。
→ストレスはどうやって発散しますか。 - 教師の不祥事をどう思いますか。
- どのような子どもを育てたいですか。
- どんな学級を作りたいですか。
- 褒めると叱るの違いは何ですか。
- 授業中に集中できない子供にはどう対応しますか。
- 保護者対応で配慮すべきことは何ですか。
- 保護者から子どもがいじめられていると電話があったらどう対応しますか。
- 不登校の予防策はありますか。
- 併願状況を教えてください。 など。
その辺に落ちているような出典元が不明なものではなく、僕自身のツイッターやサイトで募集し提供してもらったリアルな情報を集約しています!
「なぜ青森県の教職員になりたいのか」を深く突っ込まれるのも特徴。この質問に論理的に回答し、「青森県の教員にどうしてもなりたい!」という熱意をアピールすることがカギとなります。
また、面接官は現役の学校教職員や青森県教育委員会職員です。青森県の学校教育に精通している熟練者でもあるので、教員の職務内容だけでなく、青森県の教育施策や取り組みについてもHPをチェックし、アピールできるように準備しましょう。
その他、過去の質問内容や回答例はこちらで集約しています。
個人面接の対策方法
なぜなら、近年の面接試験では、一つの回答に対し、より掘り下げて受験者の行動特性を把握する「コンピテンシー評価型」で行われるからです。
たとえば、「どんな学級づくりをしたいですか」という質問に「笑顔があふれる学級」と回答しただけでは、まだあなたに教育的愛情やコミュニケーション能力があるかは判断できません。
そこで、「なぜ、笑顔があふれる学級にしたいのですか」とか「笑顔が苦手な子どもがいたらどうしますか」など、より理解を深めるために掘り下げた質問をして、正確に評価を行えるような情報を聞き出し、評価するのです。
しっかり自己分析ができていないと、深掘り質問に対応できません。過去に聞かれた質問に根拠を踏まえて回答できるよう、早め早めに準備を始めましょう。
自己分析し、回答例を作成したら模擬面接を繰り返し行いましょう。
- 本番特有の緊張感
- 回答に困る深掘りポイント
- 客観的な評価
1人で面接練習をしていては気が付かない部分がたくさん発見できるからです。
このような観点は一人では判断(評価)できないですよね。なので、最低でも3回は客観的な評価をもらえるような環境で練習してください。
練習相手は友達や家族でもいいですが、できるだけ経験者(予備校やその道のプロ)にみてもらうといいでしょう。
青森県教員採用試験の実技試験
実技試験は、専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。
専門知識の有無だけでなく、児童生徒に知識を伝えるための教育的なアプローチや方法論も重要視されます。
実技試験の傾向
- 小学校
- 音楽科
- 美術科
- 保健体育科
- 家庭科
- 英語科
これらの科目で行われます。
実技試験のテーマ
種目:音楽(50点満点)
小学校学習指導要領で示されている第5学年及び第6学年の歌唱共通教材8曲の中から1曲を選択し、電子ピアノ(キーボードタイプ)で主旋律に平易な伴奏をつけて、歌いながら演奏(前奏も行う)。
課題曲【こいのぼり、子もり歌、スキーの歌、冬げしき、越天楽今様、おぼろ月夜、ふるさと、われは海の子】
- 旋律に適した伴奏で正確に表現されているか。
- 伴奏と歌が一体となり、美しい音楽が表現されているか。
種目:体育(50点満点)
- 機械運動(マット運動)
- 陸上運動(投の運動)
- マット運動の基本的な回転技や倒立技を安定して行うことができるか。
- オーバーハンドで力強くボールを投げることができるか。
- 2025(令和7)年度の内容と評価の観点
実技試験の対策方法
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
青森県教員採用試験の内容(科目)まとめ
今回は、青森県教員採用試験の内容(科目)を徹底解説しました。
再度、試験内容の確認です。
一次試験 | 一般・教職教養 | 教職員として必要な基礎学力(教職教養と一般教養)に関する筆記試験。(択一式:54問 / 60分) |
---|---|---|
教科専門 | 志望する校種・教科に関する専門知識や学習指導要領の理解度を測る筆記試験。(記述式:90〜110分) | |
二次試験 | 集団討論 | 資質・能力・適性等に関する資料を得るため、与えられたテーマについて、個人の意見発表と討論を行います。 |
個人面接 | 教育現場での対応力や人柄、コミュニケーション能力などに関する面接試験。過去の経験や指導教科について質問されます。(20分) | |
実技試験 | 音楽や美術、体育など特定の教科の指導能力を見るための人物試験。 |
これらの試験を通じて、青森県の教員として求められる資質や能力が総合的に評価されます。
試験内容は幅広いです。やれることからコツコツ始めていきましょう。本記事で解説したポイントを意識しながら、効率よく対策できると良いですね。
以上、青森県教員採用試験の内容についてでした。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!