- 和歌山県教員採用試験の内容
- 和歌山県教員採用試験の傾向
今回は、和歌山県教員採用試験の試験内容(一次、二次試験)を解説します。
効率よく対策できるかどうかは、試験内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。
本記事では試験内容だけでなく、それぞれの傾向についても解説しているので参考にしてください。
教員採用試験の内容は自治体によって違うので、きちんと把握してから対策を始めましょう!
和歌山県教員採用試験の内容と傾向
和歌山県教員採用試験は、二段階選抜方式で行われます。
まず、一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定。
具体的な試験内容(科目)は、以下のとおりです。
一次試験 | 総合教養(教職・一般教養) |
---|---|
校種・教科専門 | |
適性検査 | |
二次試験 | 小論文 |
個人面接 | |
集団面接 | |
実技試験 |
それぞれ内容と傾向を解説します。
総合教養の傾向
試験時間 | 教職教養:40分 一般教養:40分 |
---|---|
問題数 | 教職教養:15問 一般教養:30問 |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 各100点満点 |
総合教養試験とは、教員として必要な基礎能力や一般教養が、どれくらい備わっているかを測る筆記試験のことです。
令和6年度からは教職教養と一般教養が統合され、総合教養として実施。
制限時間60分で、〇問に解答します。
出題形式は「択一式(マークシート)」。
主な出題科目は以下のとおり。
教職教養 | 教育原理、教育法規、教育心理、教育史 | |
---|---|---|
一般教養 | 人文科学 | 国語、英語 |
社会科学 | 日本史、地理、政治経済 | |
自然科学 | 数学、物理、化学、生物、地学、情報 | |
その他 | 一般常識、教育施策 |
このように、中学校から高校までに学んだことのある内容ばかりですが、6年間で習った範囲を短期間で勉強し直さないといけないので簡単ではありません。
出題範囲も広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのか、出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。
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校種・教科専門の傾向
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 小学校は択一式、それ以外は記述式 |
配点 | 100点満点 |
校種・教科専門とは、志望する校種・教科の専門知識や学習指導要領の理解度を測る択一式の筆記試験です。指導教科の専門性を問われるので問題レベルが高く、多くの勉強時間が必要という特徴があります。

だいたい、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割以上を占めています。
さらに、教科専門を得意とする受験者は多く存在し、一次合格者は専門の点数が高い順に決まります。
一次試験の合格者は、総合教養の選考基準に達した人を対象に、校種・教科専門の成績上位者から順位をつけて選考します。
和歌山県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項より
そのため、ライバルたちと差をつけるためには、手厚く勉強を進める必要があるのです。
小論文の傾向
試験時間 | 60分 |
---|---|
文字数 | 800字 |
問題数 | 1題 |
配点 | 5段階評価 |
小論文とは、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に測ることを目的としています。
勉強すればした分だけ成果が見える筆記試験とは違い、解答は添削者の力量次第で変わってくるため、なんとも厄介な試験といえるでしょう。
小論文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。
毎年、小論文で評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。


実技試験の内容と傾向
実技試験とは、教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。
対象校種・教科と内容は以下のとおり。
中高音楽 | ・アルトリコーダー演奏 ・ピアノ弾き歌い(夏の思い出) ・指揮ありで歌唱(当日指定) |
---|---|
中高美術 | ボタニカルアートを描く |
中高保体 | ・水泳(平泳ぎとクロール、背泳ぎ、バタフライから1つ選択) ・器械運動(倒立前転→側方倒立回転→前転→伸身ジャンプ1/2ターン→伸膝後転→開脚後転)+前方倒立回転飛び、前方倒立回転から1つ選択) ・ダンス ・武道(柔道または剣道) |
高校工業 | 電圧降下法、グラフ作成 |
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
集団面接の内容と傾向
試験時間 | 20分 |
---|---|
グルーブ (人数) | 6人程度 |
面接官 | 2人 |
配点 | 10段階評価 |
集団面接は、複数の受験者が一つのグループとなり、同時に面接を受ける形式です。 自己PRや志望動機などに関する質問について順番に回答します。
最初に1人30秒間で自己PRを述べた後、面接がスタート。
面接官は、同時に複数の受験者をみることができるため、受験者同士を比較して相対的な評価をすることができます。その反面、1人の受験者に集中できないため、個人面接のように深く掘り下げた質問はありません。
過去問
- 最初に自己PRを30秒でしてください。
- 教員に求められる資質は何だと思いますか。
- 学校の役割は何だと思いますか。
- いじめが起きる原因は何だと思いますか。
- いじめ防止策として何が考えられますか。
- 家庭学習の大切さを子供にどう伝えますか。
- どんな教師になりたいですか。
- 保護者対応で不安なことはありますか。
- キャリア教育についてどう考えますか。
- 長所と短所を端的に言ってください。



答える順番は挙手制が多いそうです!
個人面接の内容と傾向
試験時間 | 20分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
配点 | 10段階評価 |
個人面接とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが和歌山県の教師として相応しいかどうかを評価・判断する人物試験のことです。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。また、集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
面接を苦手とする人は多いです。しかし、合格するには避けては通れません。
面接練習をすることで、
- 自分の長所や短所
- なぜ教員になりたいのか
- 教員になって何がしたいのか
といった部分を改めて確認できます。自分と向き合う良い機会なので、時間をかけてじっくり取り組んでいきましょう。


和歌山県教員採用試験 対策のコツとポイント
これから和歌山県教員採用試験の対策を始めるうえで、大切なポイントやコツを3つ紹介します。
- 過去問は最初に使う
- モチベーション維持できる環境を作る
- スキマ時間を活かす
過去問は最初に使う
「過去問は腕試しに使う」、そう思っていませんか?確かにそういう目的もありますが、過去問をどれだけ解いても意味がないんですよね。
正直、志望先の過去問を何周繰り返したところで意味はありません。なぜなら、過去問は勉強するものではなく、出題傾向を理解するためのツールだからです。



過去問はあくまで「過去」問であって、同じ問題は出ません(類似問題はでることもあるけど・・・。)
過去問は何度も繰り返すのではなく、出題傾向を理解し、その出題範囲を参考書や問題集で覚えていくのが勉強です。
過去問に限らず、目的を決めてテキストを使うのはとても大事なポイントです。何となく使って時間や労力を消費しないようにしてください。
モチベーションを維持する
対策はやることが多いので…まぁ、シンドイです。モチベーションを長期間保ちながら筆記対策も面接対策もする必要があるため、相当な覚悟が求められます。
実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。
想像してみてください、周囲が遊んでいる中で自分だけ勉強漬けの毎日、飲み会やイベントの誘いをシャットアウトしながら勉強に集中して高いパフォーマンスを維持しなければならないのです。
試験に合格するためには、同じ目標を持った仲間を作ることが大切です。共通の目標を持つ仲間と一緒に勉強したり、励まし合ったりすることで、モチベーションが高まり、成績も向上することが期待できます。
また、仲間と情報を共有することも重要です。受験に必要な情報や知識を共有し合うことで、受験の準備がより効率的に進められます。さらに、受験に不安や悩みがあれば、仲間と共有して相談することで、心の負担を軽減することができます。



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スキマ時間を活かす
通学・通勤しながら対策することになるので、スキマ時間をどれだけ生み出せるかが重要です。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できるはず。
たとえば1回15分のスキマ時間でも、1年で5,475分(約100時間)も捻出できます。これを1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返せば、1年で305時間も勉強できることになりますよね。
最終合格までに必要な勉強時間は600~700時間なので、スキマ時間だけでも半分程度の勉強ができてしまうのです。
和歌山県教員採用試験に落ちてしまった場合の対処法
和歌山県教員採用試験の難易度はそこまで高くないですが、まだまだ落ちる人の方が多いです。



令和5年度は1,297人が受けて951人が落ちていますからね…。
もし、合格できなかったら…どうすればいいのでしょうか。
ここでは、4つのケースを紹介します。
- 講師(常勤・非常勤)として働く
- 浪人する
- 私立教員(民間)を目指す
- 追加日程を受験する
講師(常勤・非常勤)として働く
- 常勤講師(臨時的任用教員)
- 非常勤講師(時間講師)
講師として教育現場で働きながら、次年度の採用試験を目指しましょう。ただし、勤務体系はきちんと吟味することが大事です。
常勤講師は、正規教員とほぼ同じ待遇です。なので、経験を多く積むことができます。しかし、勉強時間の確保が難しいので、要領が悪いと思ったように対策できません。
非常勤講師は、自分の受け持つ授業だけを担当します。なので、専門性を磨くことはできますが、生徒指導や学級経営などの経験は積みにくいです。しかし、自由な時間が多くなるので、手厚く教採対策に取り組めます。



勉強が苦手なら時間が使える非常勤講師、面接が苦手なら経験が積める常勤講師って感じで考えるのもありですね。
なお、現職教員の空き状況によって、常勤か非常勤か決まるので希望する形態で働けるかはわかりません。
浪人する
講師をすれば教職経験は積めますが、勉強時間の確保が難しくなります。教職経験を積めば、面接や模擬授業で少しは役に立ちますが、筆記試験で落ちてしまっては意味がないですからね。
もちろん、教職経験を積みながら目指す方も、受かる方もいるので無理ではないですが、効率よく物事を進められない人は注意が必要です。



勉強に集中し、合格してから講師をするという手段もありますよ。
なお、働きながら対策するなら、独学よりも予備校などを活用して効率重視で取り組むことが重要。
私立教員を目指す
基本的には民間企業と同じように学校独自で求人を出しているので、気になる学校の選考を受けましょう。
採用形態は専任(正規)教諭の他、常勤・非常勤があります。試験内容は学校にもよりますが、筆記試験(専門科目がメイン)の他に面接や模擬授業などです。
公立学校と違い、私立学校はその学校の教育理念や方針があるのできちんと押さえておく必要があります。
関連記事:私学教員適性検査概要
追加日程を受験する
教員採用試験は6月から8月にかけて行われますが、自治体によっては10月(秋)から追加選考を実施する場合があります。



香川県や北海道などが秋採用をやっていますね!
また、思ったように選考が進まず採用予定人数を集めきれなかった自治体が追加募集をすることも増えてきています。こういった選考を上手に使うことで正規教員への道を進める可能性を増やせます。
和歌山県教員採用試験の内容と傾向まとめ
今回は、和歌山県教員採用試験の試験内容と合格に向けた対策方法を徹底解説しました。
和歌山県教員採用試験の難易度は、そこまで高くありません。しかし、筆記試験で点を取れば合格できるのではなく、面接試験などによる人間性が最重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあります。
採用試験に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。出題傾向を把握して、効率よく勉強を始めましょう。
本サイトでは、和歌山県教員採用試験に関する有益情報を多く発信しています。ぜひ、参考にして合格に少しでも近づいてください。
今回は以上です。