- 栃木県教員採用試験の内容
- 栃木県教員採用試験の傾向
今回は、栃木県教員採用試験の試験内容(一次、二次試験)を解説します。
効率よく対策できるかどうかは、試験内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。
本記事では試験内容だけでなく、それぞれの傾向についても解説しているので参考にしてください。
教員採用試験の内容は自治体によって違うので、きちんと把握してから対策を始めましょう!

栃木県教員採用試験の内容
栃木県教員採用試験は、二段階選抜方式で行われます。
まず。一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定。
具体的な試験内容(科目)は、以下のとおりです。
一次試験の内容
- 一般教養(教職科目を含む)
- 専門科目
- 実技試験(一部教科)
一次試験は筆記試験がメインになっています。
「教員採用試験=人物重視」という傾向にありますが、対策の大半を勉強に充てなければなりません。試験科目を的確に捉え、出題傾向をつかんで対策しましょう。
二次試験の内容
- 作文試験
- 集団討論
- 個人面接
- 実技試験(一部教科)
二次試験は人物試験がメインです。教採=面接重視なので、面接試験でどれだけ点数を稼ぐかが最終合否に大きく関わってきます。
努力に比例して成果が見える一次試験とは違い、面接試験は質の高い練習が必要です。適当にダラダラ練習しても効果は薄いので気をつけましょう。
栃木県教員採用試験の傾向
ここでは、栃木県教員採用試験の傾向を試験ごとにまとめています。
それぞれ順番に解説するので、参考にしてください。
一般教養(教職科目含む)
試験時間 | 50分 |
---|---|
問題数 | 50問(必答) |
出題形式 | 択一式(マークシート方式) |
配点 | 100点満点 |
学習指導要領や教育に関する法律などの教師力を測る「教職科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養科目」で構成される筆記試験です。
全校種・教科が同じ問題を解きます。
要は科目の多い大学入学共通テスト(旧センター試験)のようなもので、その多くが大学の教職課程や高校までに学んだ内容です。
配点は1問あたり2点で採点され、100点満点です。
試験科目(出題範囲)
教職教養 | 教育原理、教育法規、教育心理、教育史 | |
---|---|---|
一般教養 | 人文科学 | 国語、英語 |
社会科学 | 世界史、日本史、地理、政治、経済 | |
自然科学 | 数学、物理、化学、生物、地学 |
このように、中学校から高校までに学んだことのある内容ばかりですが、6年間で習った範囲を短期間で勉強し直さないといけないので簡単ではありません。
また、教育時事(学校教育の変化や教育関連のニュースのこと)に関する問題もあります。そのため、文部科学省のホームページを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。
出題範囲は広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのか、出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。
なお、出題傾向や勉強方法は以下の記事でまとめています。参考にしてください。

専門科目
試験時間 | 80分 *実技のある教科は50分 |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 記述式 |
配点 | 100点満点 |
専門科目とは、志望する校種・科目の専門知識や学習指導要領の理解度を測る筆記試験のことです。指導教科の専門性を問われるので問題レベルが高く、多くの勉強時間が必要という特徴があります。

だいたい、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割以上を占めています。
まずは志望する校種・教科の過去問を解いてみて、現在の実力を確認してみてください。そうしないと、何から対策すればいいか判断できません。
現在の得点から以下のように勉強プランを考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門教科を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
作文試験
試験時間 | 50分 |
---|---|
文字数 | 600字~1000字 |
問題数 | 1題 |
出題形式 | 教育課題等に関する内容 |
配点 | 3段階評価 |
作文(小論文)とは、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験のことです。筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に評価します。
試験時間は全校種共通で50分、文字数は最低600字、上限1000字です。
作文テーマは教育課題に関する内容になっています。
作文は筆記試験と違い解答がないので対策しにくいです。
自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあるんですよね。
毎年、作文で評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。
作文試験の過去問や対策方法は以下の記事を参考にしてください。


集団討論
試験時間 | 40~50分 |
---|---|
受験人数 | 10人 |
面接官 | 4人 |
集団討論は、複数の受験者が一つのグループとなり、テーマに沿って話し合う人物試験です。1グループの人数は10人で、全体を通して40分~50分で行われます。
集団討論では、テーマに沿って受験者同士で話し合わせることで受験者の能力や性格を多角的に分析することができます。また、個人面接とは違い相対評価になってしまう点にも注意が必要です。
集団討論の流れ
グループで話し合うテーマが発表されます。
3分間で自分の考えをまとめます。
司会進行役、発表者、記録係などの役割分担を決める。
20~30分間で討論を行います。
最初に決めた発表者がグループの意見を5分以内で発表して終了です。
集団討論のテーマ
- 消極的で友達の少ないAさんがいます。学校では文化祭の準備で盛り上がっており、Aさんもとてもがんばって準備をしていました。しかし,使ってはいけない物を勝手に使い準備を進めていたことが発覚しました。あなたは使用理由を聞き,その理由が納得できるものだったら使用を認めますか,それとも認めませんか。立場を明らかにして話し合いなさい。
- 宿題を増やしてほしいという保護者と塾やスポーツクラブが忙しいので,減らしてほしいという保護者がいます。立場を明らかにして話し合いなさい。
- 下着の色や髪型などについて過度な校則が問題視されています。あなたは校則についてどう考えますか。また、過度な校則を解消するために教師としてどのように対応していくか、話し合いなさい。
集団討論では、自分の意見を言うことが大事ですが、他の受験者のことも考えて行うことが求められます。アピールしたいからといって、長々と話さないようにしましょう。
また、自分の発言だけに全集中するのではなく、他の受験者の意見を聞くことや自分の意見が他の受験者にどのように受け止められたのかなど、周りの状況にも注視することが大切です。
個人面接
試験時間 | 25分 |
---|---|
面接官 | 4人 |
形式 | 個人面接 |
配点 | A~Eの5段階評価 |
個人面接とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが栃木県の教師として相応しいかどうかを評価・判断する人物試験のことです。
試験時間は25分程度で、自己PRや志望動機などを問われます。
こんな質問が聞かれているよ!
- 会場までどうやって来ましたか。
- どんな教師になりたいですか。
- 自分に足りないスキルは何だと思いますか。
- 併願状況を教えてください。
- 希望する勤務地はありますか。
- 志望理由を教えてください。
- 私立と公立の違いは何ですか。また、公立を志望する理由は何ですか。
- 世間一般の教員に対するイメージはどうですか。
- 教員はブラックと言われますが、大丈夫ですか。
- 魅力的な授業とはどんな内容だと思いますか。
- なぜ教師になろうと思ったのですか。
- 特別支援学校での勤務は可能ですか。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
また、集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
面接を苦手とする人は多いです。しかし、合格するには避けては通れません。
面接練習をすることで、
- 自分の長所や短所
- なぜ教員になりたいのか
- 教員になって何がしたいのか
といった部分を改めて確認できます。自分と向き合う良い機会なので、時間をかけてじっくり取り組んでいきましょう。
面接の傾向や対策はこちらで解説しています。


栃木県教員採用試験 対策のコツとポイント
これから栃木県教員採用試験の対策を始めるうえで、大切なポイントやコツを3つ紹介します。
- 過去問は最初に使う
- モチベーション維持できる環境を作る
- スキマ時間を活かす
過去問は最初に使う
「過去問は腕試しに使う」、そう思っていませんか?確かにそういう目的もありますが、過去問をどれだけ解いても意味がないんですよね。
正直、志望先の過去問を何周繰り返したところで意味はありません。なぜなら、過去問は勉強するものではなく、出題傾向を理解するためのツールだからです。



過去問はあくまで「過去」問であって、同じ問題は出ません(類似問題はでることもあるけど・・・。)
過去問は何度も繰り返すのではなく、出題傾向を理解し、その出題範囲を参考書や問題集で覚えていくのが勉強です。
過去問に限らず、目的を決めてテキストを使うのはとても大事なポイントです。何となく使って時間や労力を消費しないようにしてください。
モチベーションを維持する
対策はやることが多いので…まぁ、シンドイです。モチベーションを長期間保ちながら筆記対策も面接対策もする必要があるため、相当な覚悟が求められます。
実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。
想像してみてください、周囲が遊んでいる中で自分だけ勉強漬けの毎日、飲み会やイベントの誘いをシャットアウトしながら勉強に集中して高いパフォーマンスを維持しなければならないのです。
試験に合格するためには、同じ目標を持った仲間を作ることが大切です。共通の目標を持つ仲間と一緒に勉強したり、励まし合ったりすることで、モチベーションが高まり、成績も向上することが期待できます。
また、仲間と情報を共有することも重要です。受験に必要な情報や知識を共有し合うことで、受験の準備がより効率的に進められます。さらに、受験に不安や悩みがあれば、仲間と共有して相談することで、心の負担を軽減することができます。



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スキマ時間を活かす
通学・通勤しながら対策することになるので、スキマ時間をどれだけ生み出せるかが重要です。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できるはず。
たとえば1回15分のスキマ時間でも、1年で5,475分(約100時間)も捻出できます。これを1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返せば、1年で305時間も勉強できることになりますよね。
最終合格までに必要な勉強時間は600~700時間なので、スキマ時間だけでも半分程度の勉強ができてしまうのです。



スマホを封印したら…かなりのスキマ時間を捻出できそうですね!
栃木県教員採用試験の内容と傾向まとめ
今回は、栃木県教員採用試験の内容と傾向、合格に向けた対策方法を徹底解説しました。
栃木県教員採用試験の難易度は、そこまで高くありません。しかし、筆記試験で点を取れば合格できるのではなく、面接試験などによる人間性が最重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあります。
栃木県の教採に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。試験内容と傾向を再確認して、効率よく勉強を始めましょう。
栃木県教員採用試験の内容一覧
本サイトでは、栃木県教員採用試験に関する有益情報を多く発信しています。ぜひ、参考にして合格に少しでも近づいてください。
今回は以上です。