本記事は、埼玉県教員採用試験を受験する方向けの記事です。
- 集団討論はどんなテーマがでるの?
- 集団討論はどんな試験・流れなの?
- 集団討論どうやって対策すればいいの?
このような悩みを解決します!
埼玉県教員採用試験の二次選考において実施される「集団討論」。
集団討論を経験したことのある人は少ないため、どんな試験なの…と、悩んでいる人は多いです。
そこで本記事では、埼玉県教員採用試験の集団討論における傾向を紹介します。過去の出題テーマや対策方法なども解説しているので参考にしてください。
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埼玉県教員採用試験の集団討論とは?
集団討論とは、一つのテーマや問題について、複数の人が参加して議論をする人物試験です。
集団討論では、複数の人が自分の意見を述べたり、他の人の意見を受け止めたりすることで、議論が進んでいきます。また、議題を絞り込んだり、意見を整理したりする必要があったりとやることが多い試験なんですよね。
集団討論の傾向
試験時間 | 40分 |
---|---|
受験人数 | 8人 |
面接官 | 3人 |
配点 | 90点 ※高校・特別支援学校は80点 |
集団討論の流れ
試験日に話し合うテーマが発表されます。
3分間、テーマについて考える時間が与えられます。
テーマに沿ってグループで話し合います。
試験時間は30~35分間。
※終了10分前になると意見をまとめるように指示が入ります。
集団討論の評価基準
項目 | 着眼点 |
---|---|
積極性 | ○自分の意見を進んで述べているか。 ○討論に意欲的に参加しているか。 |
コミュニケーション 能力 | ○討論の進展に沿って、発言しているか。 ○他の人の意見を尊重しながら発言しているか。 |
貢献度 | ○方向性を示すなどして討論を活性化させたか。 ○テーマについて建設的な発言をしたか。 |
表現力 | ○発言が簡潔明瞭で、声量や速さが適当か。 ○相手が理解できるように工夫して発言しているか。 |
誠実さ | ○言葉遣いが適切であるか。 ○礼儀正しく、落ち着きがあるか。 |
これらの観点に沿って評価され、最終的に90点満点(高校・特支は80点)で採点となります。
埼玉県教員採用試験 集団討論のテーマ|過去問
ここでは、埼玉県教員採用試験の集団討論で出されたテーマを公開しています。集団討論のテーマは、校種によって異なるので、志望するテーマを確認してください。
- 令和5年度(2022年実施)
- 令和4年度(2021年実施)
- 令和3年度(2020年実施)
- 令和2年度(2019年実施9
- 平成31年度(2018年実施)
令和5年度(2022年実施)
- あなたたちは、同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を学校の研究課題としています。これを具現化するために、どのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。
- あなたたちは、同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校では、自分の感情や思いをうまく表現することができない児童が多く、コミュニケーション能力の育成が課題となっています。学校全体で児童のコミュニケーション能力を育成する上で、どのような教育実践を行いますか。グループとしての意見をまとめなさい。
- あなたたちは、同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校では、県内外で発生する教職員事故を受けて、若手教職員が主体となり、不祥事防止研修会を行うことになりました。不祥事防止を実効性のあるものとするために、どのような研修を行いますか。グループとしての意見をまとめなさい。
令和4年度(2021年実施)
- あなたたちは,同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校では,子どもたちへ,より効果的に「生きる力」を育むため,社会奉仕体験活動や自然体験活動など,体験活動の充実を図ることになりました。具体的にどのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。
- あなたたちは,同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校では,地域全体で子どもの学びや育ちを支えるため,保護者,地域の住民との連携を一層図っていくことになりました。具体的にどのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。
- あなたたちは,同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校では,近年,日本各地において,大規模な自然災害に見舞われる地域が増えていることを踏まえ,防災教育に力を入れることになりました。具体的にどのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。
令和3年度(2020年実施)
- あなたたちは,同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校には,基本的生活習慣が欠けた子供たちが多く,しつけの役割についても学校が担っている状況があります。そのため,子供たちの学びを深められないことが課題となっています。この課題を克服するために,どのような取組を進めていきますか。グループとしての意見をまとめなさい。
- あなたたちは,同じ学校に勤める教員です。今年度,新たに1泊2日の宿泊学習を実施することになりました。あなたたちの勤める学校の子供たちには,主体性や社会性,規範意識が欠けていることが課題であると多くの教員が感じています。この子供たちの実態を踏まえ,どのような計画を立てますか。グループとしての意見をまとめなさい。
- あなたたちは,同じ学校に勤める教員です。学校生活を充実させていくためには,教員と子供たちとの信頼関係だけでなく,教員同士,子供同士の信頼関係を築いていくことが大切です。このような相互の信頼関係を築いていくために,どのような取組を進めていきますか。グループとしての意見をまとめなさい。
令和2年度(2019年実施)
- あなたの勤める学校の地域は,人口の減少が続いています。かつては賑わいを見せていた駅前通りも,今は多くの店舗が閉店となり,閑散としたものになってしまいました。そこで,駅前通りを活性化し,地域の皆で楽しむことができるイベントが企画されています。地域と協働し,このイベントを盛り上げるために,学校としてどのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。
- あなたの勤める学校の地域は,人口が多く,幅広い年代が暮らしています。学校区には,3つの公園がありますが,子どもたちも含め,地域の方々にあまり利用されていません。自治体では,地域住民の交流を深める場として,公園の整備を進めたいと考えています。そこで,自治体からあなたの学校に,公園整備の工夫について意見を求められました。学校として,どのような提案が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。
- あなたの勤める学校には,近年,様々な国籍の子どもが在籍するようになってきました。そこで,外国籍の子どもたちに日本の文化や魅力を伝え,外国籍の子どもたちから自国の文化や魅力を伝える取組をしたいと考えています。学校生活全体の中で,具体的にどのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。
平成31年度(2018年実施)
- これからの時代の教員に求められる力として,「資質能力を生涯にわたって高めていくことのできる力」が挙げられます。はじめにこのことについて,それぞれの考えを30秒以内で述べなさい。その上で,「資質能力を生涯にわたって高めていくことのできる力」を身に付けるために,教員一人一人が取り組むべき事柄をグループで話し合い,方向性を出しなさい。
- これからの時代の教員に求められる力として,「組織的・協働的に諸課題の解決に取り組む力」が挙げられます。はじめにこのことについて,それぞれの考えを30秒以内で述べなさい。その上で,「組織的・協働的に諸課題の解決に取り組む力」を身に付けるために,教員一人一人が取り組むべき事柄をグループで話し合い,方向性を出しなさい。
- これからの時代の教員に求められる力として,「アクティブラーニングなどの新たな課題に対応できる力」が挙げられます。はじめにこのことについて,それぞれの考えを30秒以内で述べなさい。その上で,「アクティブラーニングなどの新たな課題に対応できる力」を身に付けるために,教員一人一人が取り組むべき事柄をグループで話し合い,方向性を出しなさい。
埼玉県教員採用試験 集団討論の対策方法
集団討論の対策は次の手順で進めてください。
- 指導力・知識を鍛える
- 友人同士で意見交換を行う
- 実践形式で練習する
指導力・知識を鍛える
「生徒指導や教育論」がテーマになりやすいです。そのため、教職の知識や自分なりの教育観を考えおくことが重要。
どれだけコミュニケーション能力が高くても、話すネタや教育感が定まっていないと話し合いになりません。
普段から教育時事などの知識をインプットできるようにしておきましょう。その際、埼玉県の方向性や文科省の資料などにも目を通しておくといいでしょう。
友人同士で意見交換を行う
日頃から友人同士で教育問題などについて意見交換を行いましょう。
討論では他者とのコミュニケーションが何よりも大切なので、意見を聞くこと、まとめることも重要な要素になるからです。
このときは自分の意見に説得力を持たせるため「こういうことだから、こう思う」と、根拠を盛り込んで論理的に話すことがポイント。
実践形式で練習する
必ず1回、できれば2回は実戦形式の練習を受けましょう。
どんなに知識を持っていても、それをきちんと伝えることができるとは限らないからです。また、緊張感のある場で実力が発揮できるかを確かめる意味もあります。
大学などでも対策してくれると思いますが試験は年齢や身分が不特定の人と一緒になるため、予備校などを使うと効果的です。
埼玉県教員採用試験 集団討論で評価を上げる5つのポイント
集団討論の評価を上げるには、次の5つが大事です。
- 傾聴力
- マウントはとらない
- 印象が重要
- 気配り
- 修正能力
傾聴力
人の話を真剣に聞くことは大切です。
- 生徒
- 児童
- 保護者
- 教員同士
多くの人と話すうえで端的にわかりやすく伝えることが大切で、その根幹となるのが傾聴力だからです。
自分の意見を伝えるためにも、まずは聞くことに徹する力を鍛えましょう。
マウントはとらない
自分の意見と違う発言をされても否定してはいけません。なぜなら、相手を思いやれる純粋な心をもった人物が評価されるからです。
たとえば、生徒が考えたことを先生に否定されたらどう思いますか?深い傷を負い考えることを放棄するかもしれません。
そんな先生に今後、指導を受けたいと思うでしょうか?
子どもたちは日々、いろんなことを考え、先生に話をしてきます。どんな話にも耳を傾け、肯定してあげられる先生が必要だと思いませんか?
自分と違う意見を言っている人がいれば、まずは認めてあげることが大切です。
印象第1主義
集団討論は、印象がとても重要。なぜなら雰囲気作りができる人は印象が良い人だからです。
たとえば、挨拶が盛んな職場と挨拶がまったくない職場の雰囲気はどちらがいいと思いますか?
当然、挨拶が盛んな職場ですよね。
最近の教育現場は協調性がある人物を欲しています。印象を良くして討論の雰囲気を盛り上げていくことができれば協調性があると思われ評価もあがります。
気配り上手
自分ばかり発言しても評価はあがりません。なぜなら集団討論は個人の能力よりも集団の中で、どれだけ働くことができているかを評価する試験だからです。
たとえば、クラスのなかで活発に発言する生徒と会話に入ってこられない生徒がいたらどうしますか?
会話に参加できない生徒をどうやったら会話に参加させられるかを考えますよね。
発言をあまりしていない受験者を気遣うことができればリーダー性や視野の広さをアピールすることができます。
話を路線に戻す
時間を気にしながら話し合いをしましょう。なぜなら集団討論は時間制限があり、時間内に意見をまとめる必要があるからです。
話に脱線はつきものでして、ついつい結論とは違う方向に話がそれてしまうものです。それた路線を修正せずに話を続ければ時間内に意見をまとめることができませんよね。
仮にまとめられたとしても中身のない意見が出来上がることになります。
期限内に与えられたミッションをこなすことは大切なことなので時間を気にして討論をするようにしましょう。
埼玉県教員採用試験 集団討論で落ちないように対策を始めよう!
今回は、埼玉県教員採用試験の集団討論で出題されたテーマや傾向を解説しました。
集団討論では、自分の意見を述べることが求められますが、そのためには様々なスキルが必要です。
集団討論で落ちる人は、次のような点が原因となることがあります。
- 話したいことが明確でない
- 話す前に準備ができていない
- 自分の意見を正確に伝えることができない
- 他の人の意見を受け止めることができない
- 議論が偏っていると感じるが、整理できない
自分の意見を伝えることはもちろん、他の人の意見を受け止めることができるようにする必要があります。そのためには、繰り返し練習(慣れること)が必要です。
本記事でまとめている過去問を使って練習していきましょう。
今回は以上です。
その他、埼玉県教員採用試験の内容や対策はこちらの記事で解説しています。
