- 大分県教員採用試験が難しい3つの理由
- 令和6年度大分県教員採用試験の概要
- 大分県教員採用試験の実施状況
- 大分県教員採用試験に合格するための対策方法
近年では「大分県教員採用試験は簡単になった」と耳にすることが増えてきました。
たしかに、以前よりも大分県教員採用試験の難易度が下がっていることは事実です。一方で、何年、何十年も落ち続けている人がいるのも事実です。
はたして、大分県教員採用試験は難しいのか?簡単なのか? どちらでしょうか。
結論からいうと、大分県教員採用試験の難易度はそんなに高くありません。しかし、合格することは想像以上に難しいです。
そこで本記事では、大分県教員採用試験が難しい理由や対策方法について徹底解説します。試験概要や実施状況もまとめているので、合格に向けた準備を始めましょう!
大分県教員採用試験が難しい3つの理由
大分県教員採用試験に合格することは想像以上に難しい(大変)です。その理由は次の3つ。
- 競争試験だから
- 試験内容(科目)が多いから
- 人物面が最重視されるから
競争試験だから
大分県教員採用試験は、一定数の採用枠に対して、成績上位者から順に合格が決まる競争試験です。受験者全員が合格できるわけではなく、ライバルたちとの競争によって合否が決まります。
なので、どれだけ努力して高得点を取っても、周りがあなた以上に点数を取っていれば合格できないのです。
また、資格試験(英検や漢検など)であれば合格ラインはある程度決まっていますが、合格ラインは、採用人数や受験者数によって変動します。
そのため、どの程度の点数を目指せばよいかが判断しにくく、勉強の方向性を見失いやすいという問題もあるのです。

その他、面接や模擬授業を点数化するのも難しく、「何割で合格!」とは断言することが難しんですよね。
試験内容(科目)が多いから
大分県教員採用試験の科目(内容)は、筆記試験の他にも面接や模擬授業など幅広いです。
中でも、筆記試験の教職・一般教養は、15以上の科目から出題があり、何とも厄介な試験の一つです。
実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、やることが多いので途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。
筆記試験だけでも膨大な量があるのに、面接や模擬授業の対策も必要でして…。まぁ、マジでシンドイですね。
人物面が最重視されるから
筆記試験でどれだけ点数を取っても、人物試験で評価されないことには合格できないのです。
受験対策となれば、筆記試験(教職・一般教養や専門教科)の勉強ばかりしがちですが、そこに全力を出しても合格できません。実際に筆記試験で9割を超えていても、面接の出来が悪くダメだったりした人を何人も見てきました。
そのため、高得点を目指して勉強するよりも、筆記試験は6~7割を安定して取れるように勉強し、早めに人物対策を始めることが最終合格の秘訣と言えるでしょう。
このように、大分県教員採用試験に合格することは思っている以上に難しいです。
令和6年度(2023年実施)大分県教員採用試験の概要
大分県教員採用試験は、大分県内の公立学校で働く正規教員を決める公務員試験のひとつです。まずは、どんな試験なのか令和6年度採用(2023年実施)の概要を紹介します。
主な変更点
- 三次試験の廃止
-
三次試験で行っていた面接Ⅱ及びプレゼンテーションを二次試験で実施し、三次試験を廃止します。
- 模擬授業(場面指導)テーマの事前提示
-
試験日当日から事前(7月上旬)に提示する
- 試験会場の増設
-
一次試験を大阪会場でも実施する
受験資格(年齢制限)
以下の4つを満たしていることが条件となります。
受験資格の中でも、年齢制限は自治体によって異なります。詳しくは【都道府県一覧】教員採用試験の年齢制限は何歳まで?【40代でもOK】を参考にしてください。
募集教科と採用人数
令和6年度(2023年実施)に採用を予定している校種・教科と人数は以下のとおりです。
小学校 | 160 | |
---|---|---|
小中連携 | 算数数学 | 2 |
理科 | 2 | |
音楽 | 2 | |
保健体育 | 2 | |
英語 | 2 | |
中学校 | 国語 | 16 |
社会 | 17 | |
数学 | 18 | |
理科 | 15 | |
音楽 | 4 | |
美術 | 3 | |
保健体育 | 13 | |
技術 | 4 | |
家庭 | 3 | |
英語 | 17 | |
高等学校 | 国語 | 4 |
世界史 | 1 | |
日本史 | 1 | |
地理 | 2 | |
公民 | 1 | |
数学 | 7 | |
物理 | 1 | |
化学 | 3 | |
生物 | 1 | |
保健体育 | 2 | |
音楽 | 1 | |
美術 | 1 | |
書道 | 1 | |
英語 | 4 | |
家庭 | 1 | |
農業(園芸) | 3 | |
農業(畜産) | 1 | |
工業(機械) | 3 | |
工業(電気) | 3 | |
工業(土木) | 1 | |
工業(建築) | 1 | |
工業(化学) | 2 | |
水産(機関) | 1 | |
水産(航海) | 1 | |
商業 | 2 | |
情報 | 1 | |
福祉 | 1 | |
特別支援 | 小学部 | 13 |
中学部 | 18 | |
高等部 | 13 | |
養護教諭 | 13 | |
栄養教諭 | 1 |



昨年に比べると84人減る見込みです。
・令和6年度:389人
・令和5年度:473人
試験日程
一次試験日 | 令和5年7月9日(日) |
---|---|
二次試験日 | 令和5年8月5日(土)~12日(土) |
詳しい流れや併願などは、【令和6年度】大分県教員採用試験の日程とオススメの併願先でまとめています。
試験内容
大分県教員採用試験は、筆記の他に、模擬授業や面接など幅広い試験が課せられています。
一次試験 | 一般・教職教養 |
---|---|
専門教科 | |
二次試験 | 個人面接 |
模擬授業(場面指導) | |
実技試験(※) |
(※)対象は小学校、教科(音楽、保体、英語、美術、書道、技術、家庭)、養護教諭
総合的に評価されるので、バランスよく対策することが重要です。
大分県教員採用試験 実施状況(受験者数、合格者数、倍率)
ここでは、大分県教員採用試験の実施状況(倍率)を紹介します。
令和5年度(2022年実施)
2022年に実施された令和5年度採用試験の倍率は、全校種・教科を合わせて3.3倍でした。
校種 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
小学校 | 198 | 159 | 1.2 |
小中共通 | 19 | 8 | 2.4 |
中学校 | 337 | 125 | 2.7 |
高等学校 | 377 | 45 | 8.4 |
特別支援 | 80 | 48 | 1.7 |
養護教諭 | 91 | 17 | 5.4 |
栄養教諭 | 31 | 5 | 6.2 |
合計 | 1,133 | 407 | 2.8 |
この結果は【うかりやすい自治体は?】教員採用試験の倍率ランキング!低い(高い)県まとめによると、66自治体のうち25番目の低さとなっています。
過去の推移
これまでの実施状況(受験者数、合格者数、倍率の推移)は以下のとおり。
採用年度 (実施年) | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
平成31年度 (2018年) | 1,404 | 379 | 3.7 |
令和2年度 (2019年) | 1,531 | 429 | 3.6 |
令和3年度 (2020年) | 1,413 | 458 | 3.1 |
令和4年度 (2021年) | 1,257 | 421 | 3.0 |
令和5年度 (2022年) | 1,133 | 407 | 2.8 |
なお、教科別の実施状況は大分県教員採用試験の倍率は低い?教科別の推移【過去〜最新結果】で詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてください。
大分県教員採用試験 合格までの勉強手順
つづいて、大分県教員採用試験に合格するまでの対策手順を紹介します。
- 教科専門
- 教職・一般教養
- 模試
- 自己分析
- 面接対策
教科専門
まずは、教科専門の勉強から始めましょう。なぜなら、配点が高く、問題レベルが高いため、多くの勉強時間が必要だからです。
配点は教養試験:教科専門=50点:100点となっています。
また、指導教科の専門性を問われるので、問題レベルがやや高いです。だいたい、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割以上を占めています。
専門教科を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
詳しい勉強方法などを【できないと落ちる】教員採用試験の専門教養が重要な理由と勉強法を解説でまとめています。参考にしてください。
教職・一般教養
筆記試験の中でも、教職・一般教養は特に厄介な試験の一つです。なぜなら、10科目以上から出題があるので、戦略的に勉強しないと試験までに終わらないから。
問題レベルは、中学校から高校までに学んだことのある内容ばかりですが、6年間で習った範囲を短期間で勉強し直さないといけないので簡単ではありません。
あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないように、出題傾向をきちんと理解して対策することが大事です。
詳しい出題傾向や勉強方法を【問題例あり】教員採用試験の教職・一般教養とは?内容やレベルを徹底解説で紹介しています。参考にしてください。
模試
ある程度、勉強が進んだら模擬試験を受けましょう。
- 初見問題への対応
- 時間配分の確認
- 弱点の把握
模試を受けることで、これらのメリットがあるからです。
「東京アカデミー」や「時事通信社」など、いくつかの種類があります。詳しくは【比較】教員採用試験のオススメ模試は?日程や金額、受けるべき理由も解説でまとめています。
自己分析
あなたがこれまでに経験してきた入学試験(高校・大学入試)や資格試験では、単純な学力だけが問われ、知識を詰め込んでいれば合格が狙えました。
しかし、大分県教員採用試験に最終合格するには個人面接で好成績をとらなければ、筆記試験が満点でも不合格となるのです。
面接では、自分自身の強みや魅力を的確にアピールできるように自己分析に多くの時間を使い、自分自身を客観的に見つめ直すことが大切です。自己分析が不十分だと、深掘りした質問に返答できないので、時間をかけて行いましょう。
詳しくは教員採用試験の面接カードはどう書く?自己PRと志望動機の作り方を解説を参考にしてください。
面接対策
早めに面接練習をしましょう。
なぜなら、思っていることを声に出して伝えることは難しいからです。せっかく自己分析に時間をかけて自己PRや志望動機を考えても、それが面接官に伝わらないと意味がありません。
また、話す内容が良くても、表情や話し方、態度などが悪ければ評価を上げることはできません。そういった部分は1人では判断できないので、必ず第三者に見てもらいながら練習してください。
詳しくは【過去問あり】教員採用試験の面接対策はいつから?頻出質問や内容を解説でまとめています。
大分県教員採用試験 対策のコツとポイント
これから大分県教員採用試験の対策を始めるうえで大切なポイントやコツを2つ紹介します。
- モチベーション維持できる環境を作る
- スキマ時間を活かす
モチベーションを維持する
対策はやることが多いので…まぁ、シンドイです。モチベーションを長期間保ちながら筆記対策も面接対策もする必要があるため、相当な覚悟が求められます。
実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。
想像してみてください、周囲が遊んでいる中で自分だけ勉強漬けの毎日、飲み会やイベントの誘いをシャットアウトしながら勉強に集中して高いパフォーマンスを維持しなければならないのです。
試験に合格するためには、同じ目標を持った仲間を作ることが大切です。共通の目標を持つ仲間と一緒に勉強したり、励まし合ったりすることで、モチベーションが高まり、成績も向上することが期待できます。
また、仲間と情報を共有することも重要です。受験に必要な情報や知識を共有し合うことで、受験の準備がより効率的に進められます。さらに、受験に不安や悩みがあれば、仲間と共有して相談することで、心の負担を軽減することができます。
スキマ時間を活かす
通学・通勤しながら対策することになるので、スキマ時間をどれだけ生み出せるかが重要です。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できるはず。
たとえば1回15分のスキマ時間でも、1年で5,475分(約100時間)も捻出できます。これを1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返せば、1年で305時間も勉強できることになりますよね。
最終合格までに必要な勉強時間は600~700時間なので、スキマ時間だけでも半分程度の勉強ができてしまうのです。
大分県教員採用試験に落ちてしまった場合の対処法
大分県教員採用試験の倍率は低下気味ですが、まだまだ落ちる人の方が多いです。もし、合格できなかったら…どうすればいいのでしょうか。
ここでは、3つのケースを紹介します。
臨時講師として働く
- 常勤講師(臨時的任用教員)
- 非常勤講師(時間講師)
講師として教育現場で働きながら、次年度の採用試験を目指しましょう。なお、現職教員の空き状況によって、常勤か非常勤か決まるので希望する形態で働けるかはわかりません。
私立教員を目指す
基本的には民間企業と同じように学校独自で求人を出しているので、気になる学校の選考を受けましょう。
採用形態は専任(正規)教諭の他、常勤・非常勤があります。試験内容は学校にもよりますが、筆記試験(専門科目がメイン)の他に面接や模擬授業などです。
公立学校と違い、私立学校はその学校の教育理念や方針があるのできちんと押さえておく必要があります。
関連記事:私学教員適性検査概要
浪人する
講師をすれば教職経験は積めますが、勉強時間の確保が難しくなります。
教職経験を積めば、面接や模擬授業で少しは役に立ちますが、筆記試験で落ちてしまっては意味がないですからね。
もちろん、教職経験を積みながら目指す方も、受かる方もいるので無理ではないですが、効率よく物事を進められない人は注意が必要です。
勉強に集中し、合格してから講師をするという手段もありますよ。
大分県教員採用試験でよくある質問FAQ
最後に、大分県教員採用試験でよくある質問に回答します。
過去問はどこで入手できますか?
過去の教員採用選考試験問題および正答例等は、『大分県情報センター(大分県庁舎本館1階)』で閲覧・コピーできます。また、協同出版の「大分県の教職・一般教養過去問 」もオススメです。
勉強はいつから始めればいいですか?
試験内容は幅広いので、早ければ早いほど良いでしょう。目安として1年前くらいから始めている人が多いです。
こちらの2023年教員採用試験の勉強はいつから?オススメの勉強法を徹底解説も参考にしてみてください。
合格ラインはどれくらいですか?
大分県教員採用試験の合格ラインは、過去の受験者データから6割〜7割がひとつの目安になります。
もちろん、校種や教科によって差はありますし、競争試験なので変動する点は注意が必要です。
詳しくは教員採用試験の合格ラインは何割?合格最低点と基準点を超えるポイントでも解説しています。
大分県教員採用試験の概要と対策まとめ
今回は、大分県教員採用試験の概要と合格するために必要なポイントを解説しました。再度、合格するまでの勉強手順を振り返りましょう。
- 教科専門から勉強を始める
- 教職・一般教養は戦略的に行う
- 模試を受けて状況把握
- 自己分析を始める
- 早めに面接練習をする
採用試験に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。出題傾向を把握して、効率よく勉強を始めましょう。
今回は以上です。