本記事では、京都府教員採用試験に関する下記の内容をまとめています。
- 令和6年度京都府教員採用試験の概要
- 京都府教員採用試験の実施状況
- 京都府教員採用試験の内容・傾向
試験対策を効率よくできるかどうかは、内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。
京都府教員採用試験について網羅的に理解できますので、ぜひご一読ください。
その他、教員採用試験の内容は下記記事でまとめています。

京都府教員採用試験の概要
京都府教員採用試験とは、京都府内の公立学校で働く正規教員を決める公務員試験のひとつです。
ここでは、令和6年度(2023年実施)京都府教員採用試験の概要を紹介します。
主な変更点
令和6年度採用(2023年実施)では、以下の変更点や追加があります。
- 大学推薦特別選考、 京都府 「教師力養成講座」 修了者に係る大学推薦特別選考は、教職教養試験に加え、 専門試験も免除します。
- 京都府内講師等特例の試験免除を拡大します。(条件により教職教養試験に加え専門試験を免除)
- 京都府内公立学校(京都市立学校を除く)の元正規教員の一部試験免除を新設しました。
- 高校情報、農業、 工業の専門性がある方を対象に、セカンドキャリア特別選考を実施します。(教員免許状を有しない方も対象です。)
- 「幼稚園免許+特別支援学校免許」で特別支援学校が受験可能となりました。
- 教職教養試験を第1次試験で実施します。
求める教師像
京都府が求める教師像は以下のとおりです。
気づく力 | 児童生徒一人一人を深く理解し、寄り添った指導ができるよう、小さな変化にも気づくことができる力 |
伸ばす力 | 豊かな人間性と高い専門性に基づく優れた指導力を有し、児童生徒一人一人が豊かな未来を切り拓いていけるよう、それぞれの個性や能力を最大限に伸ばすことができる力 |
挑戦する力 | 探究心や自立的に学ぶ姿勢を持ち、時代の変化や自らのキャリアステージに応じて求められる資質能力を高めながら、諸課題の解決に向け、挑戦することができる力 |
つながる力 | 他の教職員、保護者や地域社会、多様な専門性を持つ人材と効果的に連携・分担しながら、組織的・協働的に諸課題を解決するため、チームの一員としてつながることができる力 |
展望する力 | 次代を担う人材に必要な学びを提供できるよう、広い視野で時代や社会、環境の変化を的確につかみ取り、未来を展望することができる力 |

「このような人物が欲しい!」という教育委員会からのメッセージです。今までの経験や体験からアピールできるような内容を準備しましょう。
受験資格(年齢制限)
以下の1から3の全てを満たしていることが条件となります。
募集教科と採用人数
令和6年度(2023年実施)に採用を予定している校種・教科と人数は以下のとおりです。
校種 | 教科(科目) | R6 | R5 |
---|---|---|---|
小学校 | 140 | 120 | |
中学校 | 国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術、家庭、英語 | 70 | 80 |
高校 | 国語、地歴公民、数学、理科、保健体育、美術、英語、家庭、情報、農業、工業、商業 | 105 | 110 |
特別支援 | 50 | 50 | |
養護教諭 | 5 | 10 | |
栄養教諭 | 若干 | 若干 |



昨年度と同じ採用数を予定しています。
・令和6年度:370人
・令和5年度:370人
選考スケジュール
令和6年度(2023年実施)募集要項の発表から最終合格までのスケジュールは以下のとおりです。
4月下旬に募集要項の発表。
4月下旬から出願(申込受付)がスタート。
*令和5年4月20日~5月22日
6月中旬に受験票が発行される。
6月下旬に一次試験を実施。
*令和5年6月24日(土)
8月上旬に一次試験の合格発表。
*令和5年8月1日(火)
一次試験の合格者を対象として、8月中旬に二次試験を実施。
*令和5年8月15日(火)~26日(土)
9月中旬に最終合格者の発表。
*令和5年9月19日(火)
詳細な日程や併願などの情報はこちらの記事でまとめています。


京都府教員採用試験の実施状況
ここでは、過去5年間の実施状況をまとめています。
採用年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
令和5年度 | 1,678 | 453 | 3.7 |
令和4年度 | 1,824 | 451 | 4.0 |
令和3年度 | 1,881 | 450 | 4.2 |
令和2年度 | 1,901 | 442 | 4.3 |
平成31年度 | 2,091 | 389 | 5.4 |
なお、校種・教科ごとの詳細は以下の記事でまとめています。


京都府教員採用試験の内容と傾向
ここでは、京都府教員採用試験の傾向を試験ごとにまとめています。
一次試験
- 教職教養
- 専門教科
- 小論文
- 個人面接 / 集団面接
二次試験
- 個人面接
- 実践力テスト(模擬授業)
- 実技試験
それぞれ順番に傾向を解説しているので参考にしてください。
教職教養の傾向
試験時間 | 40分 |
---|---|
問題数 | 20問 |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 100点満点 |
教職教養試験とは、教員として必要な基礎能力が、どれくらい備わっているかを測る筆記試験のことです。
制限時間40分で、20問に解答します。
出題形式は、4つ選択肢から正しい語句や組み合わせを選ぶ「択一式」です。
主な出題科目
- 教育原理
- 教育法規
- 教育心理
- 教育史
- 教育施策
その他、教育時事(学校教育の変化や教育関連のニュース)や京都府の教育施策に関する出題もあります。
そのため、文部科学省や教育委員会のホームページを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。
出題範囲は広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのかなど出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。
詳しい出題傾向や勉強方法はこちらの記事で解説しています。


専門教科の傾向
試験時間 | 70分(90分) |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 記述式 |
配点 | 100点満点 |
専門教科とは、志望する校種・教科の専門知識や学習指導要領の理解度を測る記述式の筆記試験です。指導教科の専門性を問われるので問題レベルが高く、多くの勉強時間が必要という特徴があります。



だいたい、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割以上を占めています。
まずは志望する校種・教科の過去問を解いてみて、現在の実力を確認してみてください。そうしないと、何から対策すればいいか判断できません。
現在の得点から以下のように勉強プランを考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門教科を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
小論文の内容
試験時間 | 40分 |
---|---|
文字数 | 600字 |
問題数 | 1題 |
配点 | 3段階評価 |
小論文は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に評価します。
試験時間は40分、文字数は600字です。
出題例(テーマ)
京都府教育委員会では、「教育環境日本一プロジェクト」の共通アプローチとして、ICTの積極的な活用を示しています。教育現場においてICTの積極的な活用が求められている理由について、昨今の子どもを取り巻く環境や課題を踏まえ、あなたの考えを述べなさい。また、あなたはICT活用の利点を生かしてどのような教育活動に取り組んでいきたいと考えますか、その効果とともに具体的な活用事例をあげながら述べなさい。
(令和5年度)
小論文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。
毎年、小論文で評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。
過去の出題テーマや対策方法はこちらの記事でまとめています。


集団面接の内容
対象校種 | 中学校、高校、養護教諭、栄養教諭 |
---|---|
試験時間 | 20分 |
人数 | 2〜3人 |
集団面接は、複数の受験者が一つのグループとなり、同時に面接を受ける形式です。
提出する志願書に沿って自己PRや志望動機などに関する質問がなされます。
集団面接の質問例
- 会場までどうやって来ましたか。
- 面接が始まるまで何を考えていましたか。
- 筆記試験の勉強はどのくらいしましたか。
- 簡単に自己紹介をしてください。
- どんな性格ですか。
- 趣味は何ですか。
- 学生時代に一番打ち込んだことは何ですか。
- 学校生活で学んだことは何ですか。
- 部活動やアルバイトは何をしていましたか。
- 部活動やアルバイトで苦労しことは何ですか。
- 指導できる部活動は何がありますか。
- 友人関係で気をつけていることはありますか。
- 友達と意見の相違があるときはどうしますか。
- あなたが教員に向いていると思うところはどこですか。
- 教職の魅力は何ですか。
- 今の子どもたちに一番身に付けさせたい力とその方法は何ですか。
- キャリア教育について知っていることを教えてください。
- 京都府の教育施策について関心のあることは何ですか。
- 教員の体罰についてどう思いますか。
- 教職員の働き方改革についてどう思いますか。
面接官は、同時に複数の受験者をみることができるため、受験者同士を比較して相対的な評価をすることができます。
その反面、1人の受験者に集中できないため、個人面接のように深く掘り下げた質問はありません。
自分の意見を言うだけでなく,他の受験者の意見を聞くことや,自分の意見が他の受験者にどのように受け止められたのかなど,周りの状況にも目を配ることも必要です。
個人面接(一次)の傾向
対象校種 | 小学校、特別支援学校 |
---|---|
試験時間 | 15分 |
面接官 | 2人 |
個人面接では1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
グループ面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中しやすく、自分をアピールしやすいという利点があります。
マニュアルに頼るのではなく、自分の考えを自分の言葉にして話せるように準備しましょう。


実践力テスト(模擬授業)の傾向
試験時間 | 12分 |
---|---|
受験者数 | 3〜5人 |
面接官 | 3人 |
配点 | 100点満点 |
評価基準 | ・指導方法・技術 ・分析力・客観性 ・豊かな人間性 ・専門性 |
模擬授業とは、与えられたテーマをもとにして、実際の授業風景を披露する試験のことです。
志望教科の専門性や指導力だけでなく、どのように(な)授業をしているのか、児童生徒の興味・関心を惹きだす内容か、などを総合的に評価されます。
実践力テストの流れ
一次試験の合格発表と同時期にテーマが5つ発表されます。各自で教材や題材を設定し、その導入部分の指導メモを作成し当日持参。
持参した指導メモを参考にして、1人12分の模擬授業を行います。
全員の模擬授業が終わると、一人2分で模擬授業のねらいや留意点、改善点などを発表する。
試験はグループ(3~5人)で行われ、他の受験者が模擬授業を行っているときは児童生徒役として参加します。



模擬授業をしていないときの姿勢や態度も評価されていると思ったほうがいいです!
塾や予備校のようなやや強引な展開で授業を進める人もいますが、学校での授業では、子供とのやり取り・掛け合いが非常に重要。発問や質問を重ねて、クラス全体で授業を「つくっていく」ことを意識して準備しましょう。
個人面接(二次)の傾向
試験時間 | 20分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
配点 | 150点満点 |
評価基準 | ・豊かな人間性 ・使命感・責任感 ・教員としての素養 ・専門性 |
個人面接とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが京都府の教師として相応しいかどうかを評価・判断する人物試験のことです。
過去の質問例
- 始めに自己アピールをしてください。
- あなたのアピールポイントを一言で言ってください。
- 今までの人生で、最も力をいれたことは何ですか。
- 教員を目指す理由を教えてください。
- 教員に求められる資質能力は何ですか。
- 京都府の教員を志望する理由は何ですか。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
面接を苦手とする人は多いです。しかし、合格するには避けては通れません。
面接練習をすることで、
- 自分の長所や短所
- なぜ教員になりたいのか
- 教員になって何がしたいのか
といった部分を改めて確認できます。自分と向き合う良い機会なので、時間をかけてじっくり取り組んでいきましょう。
過去の質問例や対策方法はこちらの記事で詳しく解説しています。


実技試験の傾向
実技試験とは、教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。
対象校種・教科と内容は以下のとおり。
中学校


高等学校


養護教諭
養護教諭の職務に関する実技
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
京都府教員採用試験でよくある質問FAQ
最後に、京都府教員採用試験でよくある質問に回答します。
- 過去問について
- 合格ラインについて
過去問について
京都府教員採用試験の問題及び正答・配点等は、『 京都府府政情報センター』で閲覧及びコピーできます。
問題と解答のみで解説はありませんが、出題レベルや形式把握には十分活用できるでしょう。なお、解説が欲しいなら、協同出版の書籍「京都府の教員採用試験「過去問」シリーズ」がオススメです。


合格ラインについて
京都府教員採用試験の合格ラインは公表されていませんが、過去の受験者データから教職5割、専門7割〜8割がひとつの目安になります。
もちろん、校種や教科によって差はありますし、競争試験なので変動する点は注意が必要です。
なお、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。


京都府教員採用試験の対策を始めよう
京都府教員採用試験に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。出題傾向を把握して、効率よく勉強を始めましょう。
本サイトでは、京都府教員採用試験に関する有益情報を多く発信しています。ぜひ、参考にして合格に少しでも近づいてください。
今回は以上です。
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