- 高知県教員採用試験の内容
- 高知県教員採用試験の傾向
今回は、高知県教員採用試験の試験内容(一次、二次試験)を解説します。
効率よく対策できるかどうかは、試験内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。
本記事では試験内容だけでなく、それぞれの傾向についても解説しているので参考にしてください。
教員採用試験の内容は自治体によって違うので、きちんと把握してから対策を始めましょう!
高知県教員採用試験の内容と傾向
高知県教員採用試験は、二段階選抜方式で行われます。
まず。一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定。
具体的な試験内容(科目)は、以下のとおりです。
一次試験 | 教職・一般教養 |
---|---|
専門教養 | |
適性検査 | |
二次試験 | 実技検査 |
面接検査 |
それぞれ内容と傾向を解説します。
教職・一般教養の傾向
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 40問 |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 150点満点 |
教職・一般教養試験とは、教員として必要な基礎能力や教養が、どれくらい備わっているかを測る筆記試験のことです。
制限時間60分で、40問に解答します。
出題形式は、4つ~6つの選択肢から正しい語句や組み合わせを選ぶ「択一式」です。
主な出題科目は以下のとおり。
科目 | 主な内容 | |
---|---|---|
教職教養 | 教育原理 | 学習指導要領や教育時事など、教育の基礎知識、 |
教育法規 | 教育基本法や学校教育法など、教育関連の法令知識。 | |
教育心理 | 学習に関する心理過程や成長発達、教育評価などの知識。 | |
教育史 | 西洋と日本の教育に関する歴史や制度 | |
一般教養 | 一般常識・社会時事 | |
ローカル | ・高知県教育大網 ・高知県教育振興基本計画 など |
教職・一般教養は範囲がとても広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのか、出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。
また、教育時事(学校教育の変化や教育関連のニュースのこと)や高知県の教育施策や制度に関する知識を問う問題もあります。そのため、文部科学省や教育委員会のホームページを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。

専門教養の傾向
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 300点満点 |
専門教科とは、志望する校種・教科の専門知識や学習指導要領の理解度を測る択一式の筆記試験です。指導教科の専門性を問われるので問題レベルが高く、多くの勉強時間が必要という特徴があります。

だいたい、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割以上を占めています。
まずは志望する校種・教科の過去問を解いてみて、現在の実力を確認してみてください。そうしないと、何から対策すればいいか判断できません。
現在の得点から以下のように勉強プランを考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門教科を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
適性検査の傾向
クレペリン検査が行われます。
特別な対策は必要ありませんが、一番最初に実施されます。



8時50分からスタートなので、頭を勉強モードに切り替えられるように早起きしましょう。
個人面接の傾向
試験時間 | 25分 |
---|---|
面接官 | 4人 |
配点 | 300点満点 |
評価基準 | ・基本的資質 ・積極性 ・社会性 ・表現力 ・堅実性 ・協調性 |
個人面接とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが高知県の教師として相応しいかどうかを評価・判断する人物試験のことです。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
また、集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
面接は練習量に比例して徐々に上達するので、苦手意識が少しでもある人は早めに準備してください。


模擬授業・口頭試問の傾向
試験時間 | 15分 |
---|---|
面接官 | 4人 |
配点 | 150点満点 |
評価基準 | ・指導方法・技術 ・分析力・客観性 ・豊かな人間性 ・専門性 |
模擬授業とは、与えられたテーマをもとにして、実際の授業風景を披露する試験のことです。
志望教科の専門性や指導力だけでなく、どのように(な)授業をしているのか、児童生徒の興味・関心を惹きだす内容か、などを総合的に評価されます。
試験日当日にテーマが発表されます。
制限時間30分で構想。
10分間の模擬授業を実施
全員の模擬授業が終わると、5分程度の口頭試問(質問)に回答します。
終了すると、そのまま個人面接。
塾や予備校のようなやや強引な展開で授業を進める人もいますが、学校での授業では、子供とのやり取り・掛け合いが非常に重要。発問や質問を重ねて、クラス全体で授業を「つくっていく」ことを意識して準備しましょう。


実技審査の傾向
実技試験とは、教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。
対象校種・教科と内容は以下のとおり。
理科 | ・電圧計を用いた実験、電流計 ・顕微鏡又はルーペを用いた観察 |
---|---|
音楽 | ・弾き歌い:赤とんぼ ・箏による演奏:六段の調 ・専攻等の演奏 |
美術 | 着彩写生 |
保健体育 | バトミントン、バスケットボール マット運動、剣道 |
技術 | ・材料と加工の技術 ・エネルギー変換の技術 |
家庭 | 被服・食物 |
英語 | テーマにそってグループディスカッション |
書道 | 漢字・仮名・漢字仮名交じりの書 |
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
高知県教員採用試験 対策のコツとポイント
これから高知県教員採用試験の対策を始めるうえで、大切なポイントやコツを3つ紹介します。
- 過去問は最初に使う
- モチベーション維持できる環境を作る
- スキマ時間を活かす
過去問は最初に使う
「過去問は腕試しに使う」、そう思っていませんか?確かにそういう目的もありますが、過去問をどれだけ解いても意味がないんですよね。
正直、志望先の過去問を何周繰り返したところで意味はありません。なぜなら、過去問は勉強するものではなく、出題傾向を理解するためのツールだからです。



過去問はあくまで「過去」問であって、同じ問題は出ません(類似問題はでることもあるけど・・・。)
過去問は何度も繰り返すのではなく、出題傾向を理解し、その出題範囲を参考書や問題集で覚えていくのが勉強です。
過去問に限らず、目的を決めてテキストを使うのはとても大事なポイントです。何となく使って時間や労力を消費しないようにしてください。
教員採用試験の過去問を入手する方法をこちらの記事でまとめています。
モチベーションを維持する
対策はやることが多いので…まぁ、シンドイです。モチベーションを長期間保ちながら筆記対策も面接対策もする必要があるため、相当な覚悟が求められます。
実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。
想像してみてください、周囲が遊んでいる中で自分だけ勉強漬けの毎日、飲み会やイベントの誘いをシャットアウトしながら勉強に集中して高いパフォーマンスを維持しなければならないのです。
試験に合格するためには、同じ目標を持った仲間を作ることが大切です。共通の目標を持つ仲間と一緒に勉強したり、励まし合ったりすることで、モチベーションが高まり、成績も向上することが期待できます。
また、仲間と情報を共有することも重要です。受験に必要な情報や知識を共有し合うことで、受験の準備がより効率的に進められます。さらに、受験に不安や悩みがあれば、仲間と共有して相談することで、心の負担を軽減することができます。



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スキマ時間を活かす
通学・通勤しながら対策することになるので、スキマ時間をどれだけ生み出せるかが重要です。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できるはず。
たとえば1回15分のスキマ時間でも、1年で5,475分(約100時間)も捻出できます。これを1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返せば、1年で305時間も勉強できることになりますよね。
最終合格までに必要な勉強時間は600~700時間なので、スキマ時間だけでも半分程度の勉強ができてしまうのです。
高知県教員採用試験に落ちてしまった場合の対処法
高知県教員採用試験の難易度はそこまで高くないですが、まだまだ落ちる人の方が多いです。



令和5年度は2,131人が受けて1.849人が落ちていますからね…。
もし、合格できなかったら…どうすればいいのでしょうか。
ここでは、4つのケースを紹介します。
- 講師(常勤・非常勤)として働く
- 浪人する
- 私立教員(民間)を目指す
- 追加日程を受験する
講師(常勤・非常勤)として働く
- 常勤講師(臨時的任用教員)
- 非常勤講師(時間講師)
講師として教育現場で働きながら、次年度の採用試験を目指しましょう。ただし、勤務体系はきちんと吟味することが大事です。
常勤講師は、正規教員とほぼ同じ待遇です。なので、経験を多く積むことができます。しかし、勉強時間の確保が難しいので、要領が悪いと思ったように対策できません。
非常勤講師は、自分の受け持つ授業だけを担当します。なので、専門性を磨くことはできますが、生徒指導や学級経営などの経験は積みにくいです。しかし、自由な時間が多くなるので、手厚く教採対策に取り組めます。



勉強が苦手なら時間が使える非常勤講師、面接が苦手なら経験が積める常勤講師って感じで考えるのもありですね。
なお、現職教員の空き状況によって、常勤か非常勤か決まるので希望する形態で働けるかはわかりません。
浪人する
講師をすれば教職経験は積めますが、勉強時間の確保が難しくなります。教職経験を積めば、面接や模擬授業で少しは役に立ちますが、筆記試験で落ちてしまっては意味がないですからね。
もちろん、教職経験を積みながら目指す方も、受かる方もいるので無理ではないですが、効率よく物事を進められない人は注意が必要です。



勉強に集中し、合格してから講師をするという手段もありますよ。
なお、働きながら対策するなら、独学よりも予備校などを活用して効率重視で取り組むことが重要。
私立教員を目指す
基本的には民間企業と同じように学校独自で求人を出しているので、気になる学校の選考を受けましょう。
採用形態は専任(正規)教諭の他、常勤・非常勤があります。試験内容は学校にもよりますが、筆記試験(専門科目がメイン)の他に面接や模擬授業などです。
公立学校と違い、私立学校はその学校の教育理念や方針があるのできちんと押さえておく必要があります。
関連記事:私学教員適性検査概要
追加日程を受験する
教員採用試験は6月から8月にかけて行われますが、自治体によっては10月(秋)から追加選考を実施する場合があります。



香川県や北海道などが秋採用をやっていますね!
また、思ったように選考が進まず採用予定人数を集めきれなかった自治体が追加募集をすることも増えてきています。こういった選考を上手に使うことで正規教員への道を進める可能性を増やせます。
高知県教員採用試験の内容と傾向まとめ
今回は、高知県教員採用試験の試験内容と合格に向けた対策方法を徹底解説しました。
高知県教員採用試験の難易度は、そこまで高くありません。しかし、筆記試験で点を取れば合格できるのではなく、面接試験などによる人間性が最重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあります。
採用試験に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。出題傾向を把握して、効率よく勉強を始めましょう。
本サイトでは、高知県教員採用試験に関する有益情報を多く発信しています。ぜひ、参考にして合格に少しでも近づいてください。
今回は以上です。