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神奈川県教員採用試験の面接対策に取り組むにあたり、「何から始めたら良いのかわからない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
面接対策の基本は「予想される質問を知り、ベストな回答を準備する」ことです。そこで本記事では、神奈川県教員採用試験の面接試験で、過去に聞かれた質問内容を紹介します。
面接試験の傾向や面接カード、対策方法についても解説しているので、早いうちに自己分析や志望動機の整理を行い、面接試験を攻略できるように準備を始めましょう。
神奈川県教員採用試験 個人面接と模擬授業の過去問
受験者が面接試験で最も気になるのは「面接で何を質問されるのか」ではないでしょうか。
神奈川県では、面接カードに基づく質問にくわえて、模擬授業についても問われています。
あらかじめ質問内容がわかっていれば、事前に備えることができます。一方で、何を聞かれるのかが不明瞭では、準備のしようがありませんからね。
ここでは、実際に神奈川県教員採用試験を受験してきた方々(様々な校種・教科)から集めた質問内容を抜粋してまとめています。自分なりの回答を練って対策をはじめましょう!

その辺に落ちているような出典元が不明なものではなく、僕自身のツイッターやサイトで募集し提供してもらったリアルな情報を集約しています!
個人面接の質問内容
- あなたが思う「教育の原点」とは何ですか。
- 自己アピールに記載されている力をどのように学校現場に活かしていますか。
- あなたが教員に向いているところはどこですか。
- あなたの来年の目標は何ですか。
- あなたが教師として大切にしたいことは何ですか。
- あなたが神奈川県の教師になったらどのようなメリットがありますか。1分間で言ってください。
- 神奈川県を志望する理由は何ですか。
- 教員の魅力は何ですか。
- アクティブ・ラーニングをする上での課題はありますか。
- あなたの授業で「深い学び」は実現できていますか。
- インクルーシブ教育とはどのようなものですか。
- 体罰がなくならない理由は何だと思いますか。
ここには掲載できなかった個人面接の質問は神奈川県教員採用試験の面接対策!過去の質問一覧と模範解答でも公開しています。たくさん練習したい方は、ぜひ参考にしてください。
模擬授業のテーマ
〇 受験する校種等・教科(科目)等の授業を行ってください。
〇 授業は教室で行います。机やいすの移動、着替えなどはできません。また、会場の電源は使用できません。なお、危険物(火気、劇薬等)の持込は禁止します。
〇 テーマに沿った1単位時間の授業計画を立て、指導案(注意参照)を作成し、導入から展開にかけての最初の10分間(準備、片付けを含む)を模擬授業として行います。
〇 ペアワーク等、児童・生徒役が対面したり、近づいたりする授業はできません。また、配布物等を児童・生徒役に渡すことはできません。
(注意) 指導案作成等の詳細は、第1次試験合格者に郵送でお知らせしますが、A4サイズの紙片面1枚にまとめてください。受験区分が英語の方は、表面に英語の指導案、裏面に日本語の指導案を作成し、1枚にまとめてください。
出典:神奈川県教育委員会
令和5年度(2022年実施)
小学校 | 確かな学力の向上をめざし、児童の「主体的・対話的で深い学び」が実現するよう工夫された授業 |
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中学校 | 確かな学力の向上をめざし、生徒の「主体的・対話的で深い学び」が実現するよう工夫された授業 |
高等学校 | 資質・能力を身に付けるためのねらいを明確にした「主体的・対話的で深い学び」が実現するよう工夫された授業 |
特別支援学校 | 児童・生徒のキャリア発達を促すための、各教科等の特質および児童・生徒の発達の段階等に応じた「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業 |
養護教諭 | 児童・生徒の現状と課題を養護教諭の視点でとらえ、豊かな人間性や健康・体力を育む授業 |
令和4年度(2021年実施)
小学校 | 確かな学力を育成するために、児童が主体的に課題解決を図るよう工夫された授業 |
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中学校 | 確かな学力を育成するために、生徒が主体的に課題解決を図るよう工夫された授業 |
高等学校 | 教科における学習と社会とのつながりを踏まえた、単元計画(題材計画)に基づき、学習の見通しを立てたり、学習したことを振り返ったりする活動を取り入れた授業 |
特別支援 学校 | 発達の段階等に応じて、児童・生徒が基礎的・基本的な知識及び技能を習得し、他の学習や生活の場面で活用できるようにするための「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業 |
養護教諭 | 児童・生徒の現状と課題を養護教諭の視点でとらえ、自分や他者の「いのち」を大切にする豊かな心や健やかな体を育む授業 |
令和3年度(2020年実施)
実施なし
神奈川県教員採用試験 面接試験の傾向
面接試験とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが教員に相応しいかどうかを評価・判断する試験のことです。
個人面接の傾向
試験時間 | 20分 |
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面接官 | 3人 |
配点 | 200点満点 |
評価基準 | ・姿勢 態度 ・判断力 表現力 ・堅実性 信頼感 ・協調性 社会性 ・専門性 多様性 ・適応性 使命感 |
個人面接では1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
グループ面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中しやすく、自分をアピールしやすいという利点があります。
形式はコンピテンシー評価型
志願書に書いてあること以外からも当然質問がくるため、面接練習は必要です。
神奈川県では、かなり前から「コンピテンシー評価型面接」を実施しています。知識として知っている方も多いと思いますが、この面接形式は、結果や成果にとどまらず、その達成までのプロセスに着目し、受験者の行動特性を評価することを目的としています。
たとえば「アルバイトは家庭教師をしていた」という回答に対して、以下のような追質問がされることがあります。
- なぜ家庭教師をしようと思ったのですか?
- どんな子どもたちを教えていたのですか?
- 苦労(工夫)した点はありましたか?
このように、これまでの経験や体験について掘り下げる面接形式であるため、しっかりと準備しておく必要があるのです。これが理解できているかできていないかだけで合格率が全然違ってくるので、きちんと対策しましょう。
模擬授業の傾向
試験時間 | 10分 |
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面接官 | 3人 |
配点 | 60点満点 |
評価基準 | ・指導力 表現力 ・姿勢 態度 |
模擬授業とは、与えられたテーマをもとにして、実際の授業風景を披露する試験のことです。
志望教科の専門性や指導力だけでなく、どのように(な)授業をしているのか、児童生徒の興味・関心を惹きだす内容か、などを総合的に評価されます。
受験者参加型の形式
模擬授業の形式は「受験者参加型(受験者が生徒役として参加)」です。実際に児童・生徒役がいるので、質問を投げかけ返答を求めることができます。
内容は「授業・学習指導」
模擬授業の内容(テーマ)は「授業・学習指導」に関するものです。
テーマに沿った1単位時間の授業計画を立て、指導案(A4サイズの紙片面1枚)を作成し、導入から展開にかけての最初の10分間(準備、片付けを含む)を模擬授業として行います。
神奈川県教員採用試験 面接試験の資料「面接カードと自己アピール書」
面接カードと自己アピール書とは、面接で使用される資料のことです。氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなどを記入して提出します。
この面接カードと自己アピール書の役割は、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための資料なので、わかりやすくアピールできる内容を作成しなくてはいけません。
面接カードと自己アピール書の提出日
「自己アピール書」は、第2次試験(面接試験等)の当日に3部(コピー可)提出してください。その際、「面接カード」、「自己アピール書」を1枚ずつ順に重ね、左上をホチキスでとめておいてください。
出典:神奈川県教育委員会
このように面接カードと自己アピール書は二次試験の当日に提出します。原本のみではなく、コピーも必要なので忘れないように注意しましょう。



ちなみに面接カードと自己アピール書は一次試験の合格通知に同封されています。失敗してもいいように必ずコピーをとりましょう!
面接カードと自己アピール書の内容
- 氏名、住所、学歴、職歴
- 選考の分野
- 免許状以外の得意科目
- 指導できるクラブ名
- 特技
- 趣味・娯楽・スポーツ等
- 部・クラブ、ボランティア歴(名称と時期)
- 教育実習の経験
- 長所、短所(具体的に)60字程度
- 神奈川県を志望した理由 150字程度
例年、面接カードの内容は変わらないので、合格発表が出るまでに完成させておき、本物の面接カードが公表されたら転記するように準備しておきましょう。
面接カードと自己アピール書の書き方
面接カードと自己アピール書を作成するときのポイントを紹介します。
- 自己分析
- 結論から書く
- 添削を受ける
①自己分析
まずは、自分自身はどんな人間なのか、なぜ神奈川県の教員を志望するのか、といった自己分析をしましょう。面接では、自己PRと志望動機を中心に問われるため、自己分析がきちんとできていないと面接官を納得させられないからです。
一番時間のかかる作業なので、早めに準備することが大事です。
②結論から書く
文章を書くときは、結論(自分が最も伝えたいこと)から書きしょう。なぜなら、 読み手(面接官)が圧倒的にわかりやすくなるからです。
面接官は短い時間で要点を理解して聞きたいことを精査するので、何が書いてあるのか(言いたいのか)分からないと質問できません。
『何も聞かれない⇒アピールできない⇒評価は上がらない(不合格)』という結果になってしまうため注意が必要です。
③添削を受ける
書けた面接カードは、必ず第三者に見てもらいましょう。なぜなら、誤字脱字や文章の意味がわかるかどうかなど、客観的な判断をしてもらえるからです。
面接カードに答えはありませんが、だれが見てもわかる内容に仕上げることは可能なはず。面接に入る前の重要資料であることを念頭に置いて、じっくり内容を考えていきましょう。
なお、自己分析(自己PRや志望動機)の方法や詳しい書き方を教員採用試験の面接カードはどう書く?自己PRと志望動機の作り方を解説でまとめています。
神奈川県教員採用試験 面接試験の評価基準
ここでは、神奈川県教員採用試験の面接試験(個人面接と模擬授業)で何が評価されるのか、項目や着眼点を紹介します。
個人面接の評価基準
姿勢・態度 | ・社会人としてのマナーを身につけているか ・落ちついているか ・まじめに対応しているか ・礼儀正しいか ・明朗快活か |
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判断力・表現力 | ・質問を正しく理解しているか ・考えていることを十分に述べているか ・話はわかりやすいか ・音声は明瞭か ・用語は適切か |
堅実性・信頼感 | ・高い倫理観があるか ・計画性があるか ・公平・公正であるか ・肯定的に物事を捉えられているか ・情緒は安定しているか |
協調性・社会性 | ・リーダーシップがあるか ・仲間と協力して活動できるか ・保護者・地域の方と協力して活動できるか ・組織の一員として行動できるか ・他者を共感的に理解できるか |
専門性・多様性 | ・教育に対する情熱があるか ・自ら学ぶ姿勢があるか ・得意分野の向上と活用について考えているか ・豊富で多様な経験を教職に生かせるか ・決断力・主体性があるか |
適応性・使命感 | ・豊富な生活体験があるか ・子どもへの教育的愛情があるか ・粘り強く指導することができるか ・職務についての自覚があるか ・人権に対する認識を持っているか |
模擬授業の評価基準
姿勢・態度 | ・活気や熱意があるか ・児童・生徒と向き合っているか ・安心感があるか ・誠実に取り組んでいるか |
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始動力・表現力 | ・板書・指示は的確か ・教材作成に創意工夫はあるか ・柔軟な対応ができているか ・子どもの意欲を引き出す構成か |
なお、それぞれ基準点(個人面接:100点、模擬授業:24点)が決まっており、これを下回ると不合格(=足切り)なので注意が必要です。
神奈川県教員採用試験 面接試験の対策手順
面接試験の対策を始めるときの手順を解説します。
- 求める教師像を理解する
- 自己分析を進める
- 模擬面接で実践練習
求める教師像を把握する
神奈川県教育委員会が、どんな人物を求めているのか知っていますか?
面接は採用者側(神奈川県)が求める教師像と、あなたの人物像がどれだけマッチしているかを確認するために行われています。ここにズレが生じると不合格が確定してしまうので、必ず求める教師像をきちんと把握してから対策してください。
神奈川県が求める教師像は以下のとおりです。
- 人格的資質・情熱のある人
-
- 豊かな人間性と高いコミュニケーション能力
- 子どもへの教育的愛情と責任感
- 高い倫理観と公正・公平な行動
- 変化に対応し学び続ける向上心
- 課題解決力のある人
-
- 子どもを理解し、多様な教育ニーズに対し適切な指導・対処できる
- 得意分野をもち、個性豊かな指導
- 新たな課題への積極的に挑戦
- 教職員と協力し、組織的な取り組み
- 保護者や地域の人々と協力的な取り組み
- 授業力のある人
-
- 子どものやる気を引き出し意欲を高める
- わかりやすい授業実践
- 高い集団指導の力と望ましい学級づくり
- 研究授業を生かした校内研修への取り組み



「このような人物が欲しい!」という教育委員会からのメッセージです。今までの経験や体験からアピールできるような内容を準備しましょう。
自己分析をする
続いて、自分自身をきちんと理解(自己分析)しましょう。自己分析ができていないと、面接官を納得させられる話をできないからです。
多くの方は自分という人間について深く理解し、売り込む経験をしたことなんてないですよね。なので、自己分析をきちんと行って話す内容を考えておかなければ、面接では絶対に上手くアピールすることはできないのです。
過去の質問内容などを使いながら、面接で話す内容(自己PRや志望動機)を作るところから始めていきましょう。
模擬面接で実践練習
最後は、模擬面接を受けて実践力を鍛えましょう。
- 本番特有の緊張感
- 回答に困る深掘りポイント
- 客観的な評価
このように1人で面接練習をしていては気が付かない部分がたくさん発見できるからです。練習相手は友達や家族でもいいですが、できるだけ経験者(予備校やその道のプロ)にもみてもらってください。
なお、教員採用試験の面接対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
神奈川県教員採用試験の面接で高評価な人の特徴は?
結論からいうと、高評価な人は以下の特徴を持った人です。
- 印象がいい(笑顔、元気、熱い)
- 将来性や伸びしろがある
- 教員としての適性が感じられる
面接において、「自慢できるエピソードがないとダメだ」とか「全国大会で優勝した実績が必要だ」というような内容に拘わりがちですが、話の内容よりも印象(雰囲気)が重要なんですよね。
もし面接官として、受験者が素晴らしいことを言っているのに、目線を合わせずボソボソ話したり、覚えた回答を棒読みしたりしていたらどう感じますか?そのような受験者を採用したいと思います?
僕なら、その受験者が筆記試験で満点を取っていたとしても、留学経験や難関資格をたくさん持っていたとしても、そんな人を採用したいとは思いません。それよりも、一生懸命に取り組みながらも明るく大きな声で自分の言葉で話している人を採用したいと思います。
なので、面接で受かりたいのであれば、話す内容だけに時間をかけるのではなく、どのように振る舞い、話し方をすることで受け入れられるかにも時間を費やすことが必要です。
当然、これらの要素を1人で判断することはできません。必ず第三者に協力してもらい、面接で受かるためのポイントを学ぶよう努めましょう。
なお、面接でのNGポイントなどを教員採用試験の面接で落ちる人・受かる人の特徴は?合格・不合格サインを徹底解説で解説しています。あわせて確認してみてください。
まとめ|神奈川県教員採用試験の面接で落ちないために必要なこと
今回は、神奈川県教員採用試験の面接試験における過去の質問内容や傾向を解説しました。
面接試験は筆記試験と違い、どのような対策をすれば良いのかが分かりにくく、努力がそのまま結果に繋がらない不透明な試験です。そのために対策を後回しにしてしまい、不合格になる人が後を絶ちません。
不合格にならないためには、面接で必要とされる「自己分析」をしっかりと行い、過去問を繰り返し練習することで自分オリジナルの回答を作り上げることが重要です。
そして、第三者にきちんと伝わるかどうか、話し方や表情、態度などを確認しながら練習を続けることで、面接対策は考えているよりも簡単に行えます。
面接試験は筆記試験よりもやることが多く、時間もかかるため、できるだけ早めに対策を開始することが重要です。
まずは過去問を使いながら、自分なりの回答を考えてみましょう。
詳しくは、こちらの『神奈川県教員採用試験の面接対策!過去の質問と模範解答』でまとめています。
今回は以上です。