教員採用試験の内容は、自治体によって大きく異なっていることを知っていますか?
日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく試験対策できるかどうかは、志望先の試験内容をどれだけ理解しているかが重要です。
本記事では、茨城県教員採用試験の内容(一次試験と二次試験)を徹底解説します。
本記事を読めば、「試験内容はもちろん、傾向や最終合格するにはどう対策すればいいか」まで網羅的に理解できるので、ぜひ参考にしてください。
茨城県教員採用試験とは?
茨城県教員採用試験とは、茨城県内の公立学校で働く正規教員を決める選考試験です。
様々な試験科目を課すことで、教育現場で必要とされる知識、技術、人格などを総合的に評価・判断します。
求める教師像
教育方針や学校の規模は自治体によって違います。そのため、求められている資質や能力も自治体によって様々です。
茨城県が求める教師像は次のとおり。
茨城県教育委員会
- 教育者として資質能力に優れた、人間性豊かな教師
- 使命感に燃え、やる気と情熱をもって教育にあたることができる活力に満ちた教師
- 広い教養を身に付け、子どもとともに積極的に教育活動のできる指導力のある教師
- 子どもが好きで、子どもとともに考え、子どもの気持ちが理解できる教師
- 心身ともに健康で、明るく積極的な教師
志望先に見合った人物でないと採用されることはありません。どんな人物(人間)が求められているのか理解しておきましょう。
受験資格
茨城県教員採用試験を受験するには、次の1~3の受験資格を満たす必要があります。
- 2025(令和7)年度採用の要件です。
- 一般選考が対象です。
茨城県教員採用試験の内容
茨城県教員採用試験の内容(一次試験、二次試験)は次のとおり。
一次試験 | 教職専門 |
---|---|
専門教科・科目 | |
二次試験 | 個人面接 |
模擬授業 | |
実技試験 | |
集団活動 |
教職専門(教職・一般教養)
教職専門(教職・一般教養)は、教育に関する基本的な知識や理解力を測る筆記試験です。
校種や教科に関係なく、全員が同じ問題に解答します。
試験時間 | 30分 |
---|---|
問題数 | 20問 |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 100点満点 |
試験科目は教職科目とローカル問題(茨城県の教育施策)がメインで、一般教養科目(人文・社会・自然科学)の出題はありません。
試験科目 | 出題内容 |
---|---|
教育原理 | 学習指導要領や教育時事など、教育の基礎知識、 |
教育法規 | 教育基本法や学校教育法など、教育関連の法令知識。 |
教育施策 | ・茨城県教育大網 ・茨城県教育振興基本計画 など |
教員として必要な知識・基礎学力を評価するため、幅広い範囲の勉強が不可欠です。
どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向を理解し、効率よく勉強しましょう。
専門教科・科目(専門教養)
専門教科・科目(専門教養)は、志望する校種・科目の専門的知識や理解を測る筆記試験です。
指導教科の専門性を問われるので問題レベルが高く、教職専門に比べて配点が高いという特徴があります。
試験時間 | 90分 |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式(一部の教科は記述式) |
配点 | 300点満点 |
出題範囲(内容)は、志望教科の専門知識だけでなく、学習指導要領からも出題があります。
専門教科・科目は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいので、現状に合った方法での対策が必須です。
たとえば、英語教員を目指す人の中には英検1級レベルの人から3級すら危うい人までおり、同じテキストで勉強しても意味がありません。
まずは過去問を自力で解き、現在の実力に合わせて、次のような勉強計画を考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門教科・科目を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
個人面接
個人面接は、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などを評価・判断する人物試験です。
グループ面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
試験時間 | 25分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
配点 | 240点満点 |
評価基準 | ・使命感 ・堅実性 ・判断力 ・表現力 ・態度 ・内容 |
最近の面接試験では、一つの回答に対し、より掘り下げて受験者の行動特性を把握する「コンピテンシー評価型面接」が一般的です。
たとえば、「長所は何ですか?」→「長所を活かせたエピソードはありますか?」→「その長所を教員としてどのように活かしますか?」といったように追加質問をしてきます。
しっかり自己分析ができていないと、深掘り質問に対応できません。聞かれた質問に根拠を踏まえて回答できるよう、早め早めに準備を始めましょう。
模擬授業
模擬授業は、教師としての指導技術や専門性を評価する人物試験です。
指定されたテーマに沿って、導入から展開にかけての最初の10分間を模擬授業として行います。
試験時間 | 10分 |
---|---|
テーマ | 事前にHPで公開 |
配点 | 240点 |
模擬授業では、正確な知識を与える授業を行うことは重要ですが、それよりもどのように子供の興味・関心を高めることができるか、という部分が大事です。
塾や予備校のようなやや強引な展開で授業を進める人もいますが、学校での授業では、子供とのやり取り・掛け合いが非常に重要。発問や質問を重ねて、クラス全体で授業を「つくっていく」ことを意識して準備しましょう。
集団活動
集団活動は、テーマに沿って意見交換をしたり、発表したりする人物試験です。
集団行動を通して、コミュニケーション能力やチーム内での役割の果たし方などを総合的に評価します。
試験時間 | |
---|---|
人数 | 1グループ8人 |
配点 | 240点 |
集団活動では、説得力のある発言を心がけることです。
具体的には、自分の意見を言うときは、「こう思う」というだけでなく、「こういう理由だから、こう思う」と自分の経験や事例を交えて話す練習をしてください。
根拠のない発言を繰り返しても、討論になりませんし、適当なことを言っていると評価を下げかねません。
また、他の人が何を言っているか聞くのも重要。前の人が言ったことをきちんと受け止めながら、自分の意見を話せるように準備しましょう。
実技試験
実技試験は、専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。
専門知識の有無だけでなく、児童生徒に知識を伝えるための教育的なアプローチや方法論も重要視されます。
中学校 | 音楽 | ・新曲視唱 ・簡易伴奏づけ ・ピアノによる弾き歌い(歌唱共通教材) |
---|---|---|
美術 | デッサン | |
技術 | 製作(LEDライト)とはんだ付け | |
家庭 | ・製作(ファイルカバー) ・調理(酢のもの) | |
保健体育 | ・陸上(ハードル) ・球技(バレーボール又はバスケットボール) ・武道(柔道又は剣道) ・ダンス | |
高校 | 音楽 | ・新曲視唱 ・リズム視奏(リズム打ち) ・ピアノによる弾き歌い(高等学校教科書掲載の楽曲程度) |
美術 | 鉛筆デッサン | |
書道 | 臨書と創作(半切を含む) | |
保健体育 | ・陸上(ハードル) ・球技(バレーボール又はバスケットボール) ・武道(柔道又は剣道) ・ダンス | |
家庭 | ・被服(ショートパンツとポケットの標本作成) ・調理(ポテトサラダ) |
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
茨城県教員採用試験に関するFAQ
最後に、茨城県教員採用試験に関するよくある質問(FAQ)を紹介します。
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます
-
面接
茨城県教員採用試験の面接対策!質問内容や攻略のコツを徹底解説
茨城県教員採用試験の二次試験で行われる個人面接。 「自己PRや志望動機を聞かれる試験でしょ?」となんとなく内容をイメージできるけど、実際に”何を質問されるのか”気になるのではないでしょうか。 結論からお話すると、茨城県教員採用試験の個人面接で… -
教員採用試験の倍率
【教科別】茨城県教員採用試験の結果(倍率・受験者数・合格者数)
本記事は、茨城県教員採用試験の結果(倍率・受験者数・合格者数)を詳しくまとめています。 教員採用試験全体の結果(倍率)はこちら。 この記事でわかること 茨城県教員採用試験の結果(2024〜2019年度) 茨城県教員採用試験の結果(教科別) 【茨城県… -
教員採用試験の日程
2025年度茨城県教員採用試験の日程は?合格発表までの流れを解説
本記事では、茨城県教員採用試験の日程・スケジュール(流れ)を詳しくまとめています。 茨城県教育委員会は2024年2月19日、2024年春〜夏に実施する「2025(令和7)年度茨城県教員採用試験の日程」を発表しました。 今年度の1次試験は約2ヶ月前倒しし、5…