京都府教員採用試験の一次選考で行われる小論文。
「文章を書く試験でしょ?」と何となく内容を想像するけど、イマイチどんな試験なのか把握できていないのではないでしょうか。
そこで本記事では、これから京都府教員採用試験の小論文対策を始める方向けに、過去の出題テーマや傾向を紹介します。評価を上げるコツも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
京都府教員採用試験 小論文の傾向
京都府教員採用試験の小論文は、テーマに沿って自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。筆記試験(一般教養や専門教科)では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。
ここでは、小論文の傾向を3つ解説します。
- 教育施策に関する内容
- 試験時間と文字数
- 3点以下で足切り
京都府の教育施策に関する内容
京都府教員採用試験の小論文の出題形式は、京都府の教育施策に関して自分の考えや主張を論述する内容です。
京都府教育委員会では、「教育環境日本一プロジェクト」の共通アプローチとして、ICTの積極的な活用を示しています。教育現場においてICTの積極的な活用が求められている理由について、昨今の子どもを取り巻く環境や課題を踏まえ、あなたの考えを述べなさい。また、あなたはICT活用の利点を生かしてどのような教育活動に取り組んでいきたいと考えますか、その効果とともに具体的な活用事例をあげながら述べなさい。
与えられたテーマをしっかりと理解し、自分の意見を論理的かつ具体的に展開することが求められます。文章の構成や表現に工夫を凝らし、誤字や脱字を避けることも重要です。
試験時間と文字数
試験時間 | 40分 |
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文字数 | 600字程度 |
制限時間内で文章を適切に構成し、要点を明確に伝えることが重要です。また、普段から時間配分を意識して書く練習をしてください。

僕なら、テーマの把握と見直しに5分ずつ、その他の時間を執筆にあてます!
何文字書く?
結論、9割以上書きましょう。
論文用紙は罫線のみなので、文字数は決まっていませんが、600字程度が上限になります(1行20文字×30行)。試験時間は40分と短いため、500字程度を目安に書くといいでしょう。
文字数は誰が見ても一発でわかる評価基準なので、極端に文字数が少ないと減点もしくは採点不可の判定を受けることになるんですよね。



6割も埋められていないと厳しいですね。
知識や語彙が乏しいと多くの文字を書くのは難しいので、普段から語彙力も増やしておくといいでしょう。
C評価で足切り
京都府教員採用試験の小論文は観点に沿ってA~Cの3段階で評価します。
そのうち、C評価以下で即不合格です。
評価が悪くなる理由としては、テーマの把握ができていなかったり、文字数が6割以下だったりすることが挙げられます。また、字が汚い(丁寧であればOK)、誤字脱字が多いっていうのもよくないですね。
以上の傾向を理解してから、小論文対策を始めてみましょう。
京都府教員採用試験 小論文の過去問テーマ
ここでは、京都府教員採用試験の小論文試験で過去に出題されたテーマをまとめています。
- 令和5年度(2022年実施)
- 令和4年度(2021年実施)
- 令和3年度(2020年実施)
- 令和2年度(2019年実施)
- 平成31年度(2018年実施)
令和5年度(2022年実施)
京都府教育委員会では、子どもたちに目指す人間像として「めまぐるしく変化していく社会において、変化を前向きにとらえて主体的に行動し、よりよい社会と幸福な人生を創り出せる人」と定めています。この「目指す人間像」が示された理由や背景について、あなたの考えを述べなさい。また、この「目指す人間像」の実現に向け、あなたはどのような教育活動に取り組んでいきたいと考えますか、具体的に述べなさい。
令和4年度(2021年実施)
京都府教育委員会では、「認知能力と非認知能力を一体的にはぐくむ教育の展開」を学校教育の重点の中に掲げていますが、その必要性について、昨今の子どもを取り巻く状況や課題を踏まえ、あなたの考えを述べなさい。また、これらの能力を一体的にはぐくむために、あなたはどのような取組をしていきたいと考えますか、具体的に述べなさい。
令和3年度(2020年実施)
京都府教育委員会では、「一人一人を大切にし、個性や能力を最大限に伸ばす」ことを重点目標の一つとして掲げ、教育活動を推進しています。すべての児童生徒が豊かな未来を切り拓いていけるよう、それぞれの個性や能力を最大限に伸ばしていく取組を行う上で、どのような点に留意する必要があると考えますか。昨今の子どもを取り巻く状況や課題に触れながら述べなさい。また、このことを踏まえ、具体的にどのような教育活動を進めていこうと思いますか。あなたの考えを述べなさい。
令和2年度(2019年実施)
京都府教育委員会では、教員が資質能力の向上を図る際の目標となるものとして、「求められる京都府の教員像」において、「教員に必要な5つの力」を掲げています。この5つの力のうち、「気づく力」は、様々な教育課題に対応するためには、アンテナを高く張り、児童生徒の小さな変化に気づくことができる、教員としての感性が大切であるというメッセージを込めて、最初に掲げています。この教員に求められる感性をどのように捉えるか、その必要性に触れながら、あなたの考えを述べなさい。また、その感性をどのように磨いていきますか、具体的に述べなさい。
平成31年度(2018年実施)
京都府教育委員会では、「京都府教育振興プラン」において、重点目標の一つに「学校の教育力の向上」を掲げ、教職員の資質や能力の向上を図る取組を推進しています。「教員に必要な資質や能力」とはどのようなものであるか、あなたの考えを述べなさい。また、それらを向上させるため、あなたは採用後にどのように取り組もうと考えますか。具体的に述べなさい。
京都府教員採用試験 小論文の対策はいつから始めるべきか
結論をいえば、人によります。「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
まずは今の実力を確認してみる
自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答になっていなかったりすることはよくあります。
なので、とりあえず予備校の模試などを受けてみて、今の論文力を把握してから、対策する時期の判断をしてみましょう。



東京アカデミーや時事通信などが模試を実施していますよ!
そこできちんと書けているようであれば、月に1枚~2枚の論文を書くだけでも対策になります。逆にまったく書けないなら基礎からやる必要がありますよね。
3ヵ月前には始めることを推奨
小論文対策はやることが多いです。
- 課題把握力(読解力)
- 文章構成力
- 表現力
- 語彙力
- 教職関連の知識
これらの力は短期間で身につくものではありません。語彙力や教職の知識くらいなら1ヶ月でも何とかなりますが、他の力を短期間で身につけるのは厳しいです。
書き方の勉強→推敲→フィードバック(添削)→繰り返す(最低2回)
こういった順番で勉強することになるので、やはり最低でも3ヶ月は必要だと思って学習スケジュールを組んでみてください。
小論文には、明確な解答がないため独学では限界があります。そのことを踏まえて勉強してくださいね。なお、小論文の書き方や添削方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。


京都府教員採用試験 小論文で落ちないように準備しよう
今回は、京都府教員採用試験の小論文について、傾向や過去のテーマをまとめていました。
小論文試験では、どんな人が落ちると思いますか?答えは、最初から最後まで1人で対策しようとする人です。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。答案を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。
過去問を眺めるだけでは、小論文を攻略することはできません。過去問を使って答案を作成し、添削を受けることで徐々に上達します。
小論文が原因で不合格にならにように、早めに(遅くても試験の3ヶ月前を推奨)準備を始めていきましょう。
今回は以上です。
その他、京都府教員採用試験の内容や対策はこちらの記事で解説しています。

