- 東京都教員採用試験の論文はどんな傾向?
- 東京都教員採用試験の論文はどんなテーマ?
- 東京都教員採用試験の論文の書き方は?
本記事は、東京都教員採用試験の論文について解説しています。
最初に論文試験の傾向を明確にしつつ、過去問を紹介していきます。
実際、論文が書けずに不合格になる受験者は多く、対策を後回しにしないことが重要。本記事の後半では、過去問を使いながら書き方のコツやNGポイントも解説しているので必見です。
それでは、前置きはこの辺にしてさっそく内容を見ていきましょう!
なお、その他試験の詳細は「東京都教員採用試験の内容は?一次・二次別に傾向と勉強方法を解説」でまとめています。
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東京都教員採用試験 論文の傾向
東京都教員採用試験の論文は一次選考で行われます。
東京都は生徒指導や学習指導について記述させ、問題解決能力や実践力・指導力を評価する傾向があります。
そのため日頃から問題意識をもって、様々な問題についてシミュレーションしておくことが必要です。
試験時間
試験時間は70分です。
論文を書くときには、時間配分を意識する必要があります。
時間配分の目安は以下のとおり。
- 課題の把握、文章構成:10分
- 執筆:55分
- 推敲(見直し):5分
時間配分の感覚をつかむためには、実際に時間を図りながら練習することが必須です。
文字数
文字数は910字~1,050字です。
文字数は大きな評価ポイントなので、必ず守ることが大切です。
1,000字前後を目安に書けるように準備しましょう。
配点
以下の観点をもとに100点満点で採点します。
- 課題把握力
- 教師としての実践的指導力
- 論理的表現力
- 文章構成力
- 国語力
とくに「課題把握力(テーマの把握)」がズレてしまえば、大幅に評価をさげてしまいます。
このような観点は独学ではなかなか判断できないので、添削指導を受けて自分の弱点をあぶり出して対策しましょう。
- 東京都の傾向は「学習指導や生徒指導」について論じる
- 試験時間70分、文字数は1,050字以内
- 配点は100点、不足している能力を把握して対策する
東京都教員採用試験 論文の過去問テーマ
ここでは東京都教員採用試験の論文で出題された過去問をまとめています。
問題は小学校とその他校種でわかれているので、該当する問題を見て内容を確認しましょう。
令和2年度(2020年度)
令和3年度(2021年度)
令和4年度(2022年度)
なお、2020年度より前の過去問を「【東京都教員採用】小論文の過去問テーマ10年分を公開」でまとめています。
併せて確認してみてください。
- 東京都の論文は小学校とその他でテーマが異なる
- 過去問をたくさん説いて傾向を理解する
- 書いた答案は添削してもらい出来具合を把握する
東京都教員採用試験の論文対策|書き方を解説!
論文は「三段型」を使って書くことをオススメします。
なぜなら、文章の構成がしっかりでき、論旨に一貫性を持たせることが簡単にできる型だからです。
三段型の構成は以下のとおり。
- 【序論】:テーマに対する自分の考えや解釈を主張
- 【本論】:主張を裏付ける根拠や具体例を提示
- 【結論】:全体を占める、今後の抱負や熱意を示す
この型を使い、全体的に4~5段落構成で書くといいでしょう。
書き方の例
2022年度の問題を参考に考えてみましょう。
あなたは、第5学年の学級担任である。
年度初めの学年会で、昨年度の児童の課題に関する引継事項として、学年主任から、「学習面では、授業のめあてを達成できない児童がいる一方で、めあてに到達すると、それ以上は、取り組まない児童がいます。また、生活面では、相手の身になって考えることが苦手な児童が多く見られます。」と報告があった。
この引継事項を踏まえ、話合いを行った結果、学年主任から、「今年度の学年経営の方針を、『教師と児童との信頼関係を築き、児童相互のよりよい人間関係を育てる』とします。」と示された。
学年会終了後、学年主任からあなたに、「先ほどの学年経営の方針に基づいて、主に集団の場面で、必要な指導や援助を具体的にどのように行えば学級経営の充実が図れるか、一緒に考えてみませんか。」と話があった。
学年主任の発言を受けて、あなたなら学級担任としてどのように学級経営を行っていくか、学習面と生活面について具体的な方策を一つずつ挙げ、それぞれ10 行(350 字)程度で述べなさい。その際、その方策を考える上での問題意識を明確にし、全体で30 行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26 行(910 字)を超えること。
ここで意識すべき点は以下の5つ。
- 「学習面では、授業のめあてを達成できない児童がいる一方で、めあてに到達すると、それ以上は、取り組まない児童がいます。また、生活面では、相手の身になって考えることが苦手な児童が多く見られます。」と報告があった。
- 第5学年の特徴
- どのように学級経営を行っていくか
- 「学習面」の具体的な方策
- 「生活面」の具体的な方策
そして、「それぞれ10 行(350 字)程度で述べなさい 」と字数制限まで決まっています。
あとは、このポイントを守りながら、先ほど紹介した型(三段型)に当てはめて書けばOK。
- 【序論】第5学年は「〇〇」な学年である。私は学級経営の目標として△△ということを掲げる。(250字程度)
- 【本論】まず、学習面において~(350字)、次に、生活面において~(350字)
- 【結論】このように~していきたい(100字)
このようにスッキリした文章を書くことができます。
情報収集が必要
過去問を見てわかったと思いますが、「教育」に関する知識が必要です。
書くためには、教育問題に対する知識、東京都の教育方針や施策、自らの教育観といった多くの情報が必要。
ただ自分の考えを書くだけでは評価はもらえないため、事前に情報収集をしておくことが大切です。
マイナス評価を受けない書き方
どれだけ上手に文章が書けても、以下に該当する答案はマイナス評価を受けてしまいます。
- 雑、汚い
- 原稿用紙の使い方
- 誤字・脱字
- 横文字だらけ
- 一文が長い
なかでも誤字・脱字や文体(常体・敬体)の混同は大きく減点されてしまいます。
- 「常体」・・・文末が「である」「だ」形
- 「敬体」・・・文末が「です」「ます」の形
✕「学習指導において、正しい言葉遣いを身につけさせたいです。言葉遣いは良好な人間関係を形成するためにも必要不可欠な要素だからだ」
◎「学習指導において、正しい言葉遣いを身につけることができるようにする。言葉遣いは良好な人間関係を形成するためにも必要不可欠な要素だからだ」
詳しくは「【模範解答例あり】教員採用試験の論文が書けない理由と対策法を解説」で解説しているので確認してみてください。
- 書き方は「三段型(序論・本論・結論)」を使って執筆
- 書くには前提知識(教職、教育時事、教育施策など)が必要
- 書いた答案は添削を受けて弱点を把握することが上達のポイント
東京都教員採用試験 論文対策はいつから始める?
結論をいえば、人によります。
「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
とはいえ、とりあえず書いてみて評価を受けてから判断することをオススメします。
何度も言うように、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあるからです。
添削を受けてみて、ある程度書けていれば月に1~2枚ぐらい書く、まったくダメなら繰り返し書く。このように判断するといいでしょう。
論文対策は明確な解答がないため、独学では限界があります。そのことを踏まえて練習してください。
- 東京都の傾向は「学習指導や生徒指導」について論じる
- 過去問をたくさん説いて傾向を理解する
- 書き方は「三段型(序論・本論・結論)」を使って執筆
- 書くには前提知識(教職、教育時事、教育施策など)が必要
- マイナス評価を受けないように注意