- 名古屋市教員採用試験の小論文はどんな傾向?
- 名古屋市教員採用試験の小論文はどんなテーマ?
- 名古屋市教員採用試験の小論文の書き方は?
本記事は、名古屋市教員採用試験の小論文について解説しています。
最初に小論文試験の傾向を明確にしつつ、過去問を紹介していきます。
実際、小論文が書けずに不合格になる受験者は多く、対策を後回しにしないことが重要。本記事の後半では、過去問を使いながら書き方のコツやNGポイントも解説しているので必見です。
それでは、前置きはこの辺にしてさっそく内容を見ていきましょう!
タップできるもくじ
名古屋市教員採用試験 小論文の傾向
名古屋市教員採用試験の小論文は、一次試験で行われます。
「ハードル」や「勇気」といったワードからテーマを自分で決めさせ、これまでの体験や教育観を関わらせて論述させることで、教師としての使命感や向上心などを評価します。
一般的な小論文と少し違うので、しっかり書く練習をしてください。
論文の試験時間
試験時間は50~60分です(※年によって時間に変動あり)。
論文を書くときには、時間配分を意識する必要があります。
時間配分の目安は以下のとおり。
- 課題の把握、文章構成:10分
- 執筆:35~45分
- 推敲(見直し):5分
時間配分の感覚をつかむためには、実際に時間を図りながら練習することが必須です。
論文の文字数
文字数は決まっていませんが、700~800字を目安に書きましょう。
文字数は大きな評価ポイントなので、必ず守ることが大切です。
文字数も、何度か書くうちに型が出来ると思うので、自分なりの文字数を身に付けましょう。
論文の配点
以下の観点をもとに4段階の採点をつけます。採点します。
問題意識 | テーマと論述内容の着眼点は、自分自身の体験や教育に関わる課題を適切に踏まえたものになっているか。また、自らの思いや考えを述べるとともに、見通しや豊かな発想が見られるか。 |
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教育的資質 | 文章全体から、教育に対する情熱や使命感、豊かな人間性が感じ取れるか。 |
表現力 | 「文章構成」「文脈(内容)の展開」「字句の使い方」等が適切で、読みやすい論述となっているか。 |
試験官それぞれの採点の合計によって、最終的にA~Eの5段階で評価。
足切り
なお、論文には基準点(D以下)が設定されています。
この基準点を下回ると他の試験が満点でも不合格になる(=足切り)ので注意が必要です。
とくに「論旨」がズレてしまえば、大幅に評価をさげてしまいます。
このような観点は独学ではなかなか判断できないので、添削指導を受けて自分の弱点をあぶり出して対策しましょう。
- 名古屋市の傾向は「テーマ」について自分で設定する
- 試験時間50~60分、文字数は700~800字を目途に書く
- 足切り(基準点)に注意
名古屋市教員採用試験 論文の過去問テーマ
ここでは、名古屋市教員採用試験の小論文で課されたテーマを三年分(令和2~4年度)まとめています。
模範解答例や他のテーマも見たい場合は「【名古屋市教員採用】小論文の過去問テーマと模範解答例」で解説しているので併せて確認してください。
令和2年度(2020年度)
人との関わりを通して、あなたが成長したと感じた体験を想起してテーマを設定し、その体験とあなたの教育観を関わらせて論述しなさい。
令和3年度(2021年度)
新型コロナウィルス感染症の流行により、社会全体が影響を受け、私たちの生活も変更を余儀なくされています。これらの状況の中で、あなたが強く感じた事をもとにテーマを設定し、その内容をあなたの教育観と関わらせて論述しなさい。
令和4年度(2022年度)
「踏み出す」という言葉から想起されるテーマを設定し、あなた自身の具体的な体験とあなたの教育観とを関わらせて論述しなさい。
- 論文テーマは全校種おなじ
- 過去問をたくさん説いて傾向を理解する
- 書いた答案は添削してもらい出来具合を把握する
名古屋市教員採用試験の論文対策|書き方を解説!
論文は「三段型」を使って書くことをオススメします。
なぜなら、文章の構成がしっかりでき、論旨に一貫性を持たせることが簡単にできる型だからです。
三段型の構成は以下のとおり。
- 【序論】:テーマに対する自分の考えや解釈を主張
- 【本論】:主張を裏付ける根拠や具体例を提示
- 【結論】:全体を占める、今後の抱負や熱意を示す
この型を使い、全体的に4~5段落構成で書くといいでしょう。
書き方の例
実際の問題を参考に考えてみましょう。
「踏み出す」という言葉から想起されるテーマを設定し、あなた自身の具体的な体験とあなたの教育観とを関わらせて論述しなさい。
ここで意識すべき点は以下の2つ。
- 踏み出す=苦手なことや困難なことを乗り越えたり、自分を変えようとしたりする力
- これまでの体験を具体的に論じる
- 自分なりの教育観を述べる
そして、「700字程度」と字数制限まで決まっています。
あとは、このポイントを守りながら、先ほど紹介した型(三段型)に当てはめて書けばOK。
- 【序論】子ども達を取り巻く環境が急速に変化する中で、これからの学校や教員に求められているのは、「挑戦」へ踏み出す力である。(100字程度)
- 【本論】体験談と、それで身につけた教育観を述べる(500字程度)
- 【結論】このように~していきたい(100字)
このようにスッキリした文章を書くことができます。
具体的な模範解答は「【名古屋市教員採用】小論文の過去問テーマと模範解答例」で解説しています。
情報収集が必要
過去問を見てわかったと思いますが、「データの読解力」や「社会的背景」に関する知識が必要です。
書くためには、教育問題に対する知識、名古屋市の教育方針や施策、自らの教育観といった多くの情報が必要。
ただ自分の考えを書くだけでは評価はもらえないため、事前に情報収集をしておくことが大切。
マイナス評価を受けない書き方
どれだけ上手に文章が書けても、以下に該当する答案はマイナス評価を受けてしまいます。
- 雑、汚い
- 原稿用紙の使い方
- 誤字・脱字
- 横文字だらけ
- 一文が長い
なかでも誤字・脱字や文体(常体・敬体)の混同は大きく減点されてしまいます。
- 「常体」・・・文末が「である」「だ」形
- 「敬体」・・・文末が「です」「ます」の形
✕「学習指導において、正しい言葉遣いを身につけさせたいです。言葉遣いは良好な人間関係を形成するためにも必要不可欠な要素だからだ」
◎「学習指導において、正しい言葉遣いを身につけることができるようにする。言葉遣いは良好な人間関係を形成するためにも必要不可欠な要素だからだ」
- 書き方は「三段型(序論・本論・結論)」を使って執筆
- 書くには前提知識(教職、教育時事、教育施策など)が必要
- 書いた答案は添削を受けて弱点を把握することが上達のポイント
名古屋市教員採用試験 論文対策はいつから始める?
結論をいえば、人によります。
「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
とはいえ、とりあえず書いてみて評価を受けてから判断することをオススメします。
何度も言うように、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあるからです。
添削を受けてみて、ある程度書けていれば月に1~2枚ぐらい書く、まったくダメなら繰り返し書く。このように判断するといいでしょう。
論文対策は明確な解答がないため、独学では限界があります。そのことを踏まえて練習してください。
- 名古屋市の傾向は「自分でテーマを設定して」論じる
- 過去問をたくさん説いて傾向を理解する
- 書き方は「三段型(序論・本論・結論)」を使って執筆
- 書くには前提知識(教職、教育時事、教育施策など)が必要
- マイナス評価を受けないように注意