- 教職・一般教養の概要
- 教職・一般教養の試験科目
- 教職・一般教養の過去問(問題例)
- 教職・一般教養の出題傾向
- 教職・一般教養対策のポイント
宮城県教員採用試験の中で特に厄介なのが、今回解説する教職教養・一般教養。
なんとなく情報を集めて勉強を始めたものの、「結局、何から手をつければいいの?」と悩む方がほとんどでしょう。
事実、DMや公式LINEで相談を受けていても、的外れな(悪くいうとデタラメに)勉強をしてしまっている人が相当多いです。
そこで今回は、宮城県教員採用試験の教職・一般教養について徹底解説します。
試験科目や出題分野は自治体によって違います。まずは、志望先の傾向を把握してから勉強をスタートしましょう。
*合格に向けて準備を始めたい方は「【初心者向け】宮城県教員採用試験の内容は?傾向と対策方法」をご覧ください。傾向や対策方法をまとめたガイドブックです。
教職・一般教養試験の概要
教職・一般教養は、宮城県教員採用試験で行われる筆記試験の一つです。
校種・教科に関わらず、全員が同じ問題を解きます。
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 25問 |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 100点満点(1問4点) |
1問1分で解かないと時間切れになるので注意!
教職・一般教養試験の科目
宮城県教員採用試験の教職・一般教養は、教育に関する知識を問う「教職科目」と、今までに学んだ基礎学力を問う「一般教養科目」で構成されています。
過去3年間の出題科目は次のとおり。
教職教養 | 教育原理、教育法規、教育心理、教育史 | |
---|---|---|
一般教養 | 人文科学 | 国語、英語、音楽、美術、保健体育 |
社会科学 | 日本史、地理、政治、国際関係 | |
自然科学 | 数学、物理、化学、生物、地学 | |
その他 | 教育施策 |
大学の教職課程や中学~高校までに学んだ内容から出題されるので、”科目の多い大学入試共通テスト“と呼ばれることも。
共通テストとの大きな違いは、科目選択の有無です。
たとえば共通テストであれば、社会なら日本史か地理、理科なら物理か生物のように、受験に必要な科目を自由に選択できます。
しかし、宮城県では全科目が必須です。なので、社会なら日本史も地理も、理科なら物理も生物もすべて勉強しないといけません。
教職・一般教養の過去問
宮城県教員採用試験の過去問について、詳しくは次の記事でまとめています。
教職・一般教養試験の出題傾向
教職・一般教養試験の科目は多いですが、問題数は科目によって異なります。
次の科目数一覧表を参考にして、どの科目から手をつけるのか考えてみましょう。
採用年度 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 |
---|---|---|---|
教育原理 | 7 | 9 | 12 |
教育法規 | 3 | 5 | 5 |
教育心理 | 1 | 1 | 1 |
教育史 | – | 1 | 1 |
国語 | 5 | 3 | 2 |
英語 | 2 | 2 | 1 |
音楽 | 1 | – | – |
保健体育 | 2 | – | – |
美術 | 1 | – | – |
世界史 | – | – | – |
日本史 | – | 1 | – |
地理 | 1 | 1 | 1 |
政治 | 1 | – | – |
経済 | – | – | – |
国際関係 | – | 1 | – |
環境 | – | – | – |
数学 | 3 | 2 | 1 |
物理 | 1 | 1 | – |
化学 | 2 | 1 | – |
生物 | 1 | – | – |
地学 | – | – | 1 |
情報 | – | – | – |
その他 | – | 1 | – |
まずは問題数の多い教育原理や教育法規から勉強を始めるといいでしょう。
なお、過去10年間の頻出分野を科目別にまとめた出題分野一覧について、詳しく次の記事で公開しています。
「どこから勉強すればいいの?」という悩みを即解決できるので、ぜひ参考にしてください。
教職・一般教養試験の対策方法
教職・一般教養の勉強を始めるときは、以下のポイントを意識すると効率よく対策できます。
- 問題数の多い科目に集中する
- 出題頻度の高い分野から着手する
- 復習をメインに進める
問題数の多い科目に集中する
教職・一般教養では、おおむね6割が合格の目安です。なので、25問中15問くらい正解できればOK。
そう考えたときに、問題数の多い科目が重要になるとわかるはずです。問題数が多い科目で得点できなければ、15問に達するのは難しくなりますからね。
上記で紹介した科目数一覧表を参考に、まずは教育原理と教育法規を優先的に勉強するといいでしょう。
これらの科目だけで全体の約7割(令和6年度の場合)を占めています。
逆にここで点が取れないと他の科目に負担がのしかかるので気をつけてください。
国語や教育史も対策必須ですが、ガッツリやる科目ではありません。徐々に着手していけばOK!
出題頻度の高い分野から着手する
たとえば、教育法規を勉強するなら「教職員の法規(地方公務員法や教育公務員特例法)」から始めましょう。
なぜなら、出題頻度が最も高いからです。
次の表は、過去10年間の出題内容をまとめた表です。
このように、教職員の法規からは過去10年間で7回、直近では4年連続で出題がありますね。一方で、日本国憲法はまったく出ていません。
すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題頻度が高い(よく出る)分野に重点を置き、知識をインプットしていきましょう。
なお、過去10年間の頻出分野を科目別にまとめた出題分野一覧について、詳しく次の記事で公開しています。
復習を意識して進める
勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。
僕の経験上、どれだけ勉強量を増やしても復習に時間をかけていないと覚えることはできません。僕も勉強時間の7割ぐらいを復習に充てていました。
復習のタイミングは一概ではありませんが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
1日目 | 1〜10ページをやる |
2日目 | 1〜10ページを見直して、11〜20ページをやる |
3日目 | 1〜20ページを見直して、21〜30ページをやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。
これをしないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。
最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、復習メインを意識して勉強していきましょう。
【教員採用試験】教職教養・一般教養の内容は?勉強法や問題例を紹介」で解説しています。
勉強の進め方やオススメの参考書などは、次の「教職・一般教養試験は差がつきやすい
宮城県教員採用試験の筆記試験には、教職・一般教養の他に専門教科があります。
専門教科は、あなたが指導する校種・教科に関する知識を問う筆記試験です。
専門教養を得意とする人は多く、合格ライン上にいる人であれば誰でもそんなことは知っています。それを見越して専門対策をしっかりしてくるので、実は教職・一般教養で一番差がつきやすいのです。
教職・一般教養の範囲は膨大ですし、まったく学習したことのない科目がいくつもあるため、できる人とできない人の差がハッキリでます。
やみくもに手をつけるのではなく、出題傾向をきちんと理解して対策しましょう。
過去10年間の頻出分野を科目別にまとめた出題分野一覧について、詳しく次の記事で公開しています。
「どこから勉強すればいいの?」という悩みを即解決できるので、ぜひ参考にしてください。
今回は以上です。
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