教員採用試験は難しいんだってさ!
こんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか?もしかしたら逆に、『教員採用試験は簡単!』と思っている方もいるかもしれません。
結論を先にいうと、教員採用試験自体の難易度は高くありません。
合格者の出身大学を見ても東大卒の人もいれば偏差値40台の私大や短大卒など幅広い学歴の人がいますし、筆記試験のレベルを見ても大学共通テスト(旧:センター試験)より簡単なので、勉強をしっかりすれば全く歯が立たないなんてことはありません。
とはいえ、「勉強ができるだけでは合格できない」ってところが教員採用試験が難しいと言われる理由なんですね。
そこで今回は、教員採用試験が難しいと言われる理由を深堀して解説していきます。すぐに対策をはじめられるように都道府県ごとの情報もまとめているので参考にしてみてください。
さっそく、見ていきましょう。
教員採用試験が難しい3つの理由
教員採用試験が難しい理由は次の3つ。
理由①相対評価(競争試験)だから
教員採用試験は英語検定や漢字検定のような絶対評価の試験ではなく、成績順に合格者が決まる相対評価の試験なんですよね。
自動車運転免許のように9割取れれば全員合格できる試験とは違い、9割を取ったとしても合格できる人数は決まっているので、必ず合格できるとは限らないのです。

また、受験者や採用数によって合格基準(ボーダーライン)が変動する点も難しいといえるでしょう。
関連記事:教員採用試験の合格ラインは何割?合格最低点と基準点を超えるポイント

極端な話、6割の成績で合格できる年度もあれば、8割あっても不合格ってこともあるわけです。
理由②試験科目が多いから
たとえば、宮城県教員採用試験の教職・一般教養の試験科目は以下のとおり。
分野 | 科目 |
---|---|
教職教養 | 教育原理、教育法規、教育心理、教育史 |
一般教養 | ・人文科学(国語、英語、保健体育、音楽、美術) ・社会科学(地理歴史、政治経済) ・自然科学(数学、物理、化学、生物、地学) |
その他 | 一般常識、コンピュータ |
このように、大学入試の約3倍の科目を勉強しないといけません。
問題レベル自体は中学~高校までに習った範囲なので大したことはありませんが、教員採用試験は「とにかく勉強する科目も範囲も広い」ため、効率よく対策できるかどうかがポイントとなります。
関連記事:2023年教員採用試験の勉強はいつから?オススメの勉強法を徹底解説
理由③人物重視だから
教員採用試験では、一次試験に筆記試験を行って受験者を篩にかけ、二次試験の面接や論文で最終合格者を決定する二段階選抜式を採用しています。


どの自治体も人物重視の傾向が強く、どれだけ筆記で高得点を取ったとしても、面接がダメだったら即不合格です。



自治体(神奈川県や兵庫県など)によっては、筆記試験の結果を反映させないリセット方式を採用していることも・・・。
理由①でも触れましたが、面接は筆記試験以上に基準が不透明(人が人を評価する)なので、対策に苦労する人がとても多いです。試験勉強=筆記対策となりがちですが、面接や論文にこそ時間を割くべきと言えるでしょう。
関連記事:【過去問あり】教員採用試験の面接対策はいつから?頻出質問や内容を解説
教員採用試験の難易度ランキング|難しい県と簡単な県TOP3を紹介
ここでは、教員採用試験で難しい県と簡単な県をそれぞれ紹介します。



試験内容、倍率、試験レベルなどを基準に個人的なランキングを作成しました!あくまでも僕の感想なので、参考程度に見てもらえればと思います。
難しい県TOP3
1位沖縄県
僕が思う最も難しい自治体は沖縄県です。
倍率は全国で1番高く、どの科目も平均倍率より上なんですよね。2020年から問題数は減ったものの、一般教養の試験科目は15科目ほどで対策が難しく、二次試験では、個人面接にくわえて模擬授業もあります。
筆記試験の合格率が25%くらいしかないため、高得点が必要な部分からも難しいといえるでしょう。
関連記事:【令和6年度】沖縄県教員採用試験の日程は?合格発表までの流れを紹介



保健体育などは100倍を超えることもよくあるので、多分、東大に合格するより難しいです・・・。
2位石川県
2番目は石川県です。
倍率自体は全国平均よりやや下なので、そこまで高くはありません。しかし、試験内容というか選考方法が少し変なんですよね・・・。というのも、一次試験と二次試験の概念がなく、すべての受験者が筆記、面接、模擬授業を受けて合否を決定します。なので、普通であれば、一次試験に受かってから、面接練習に本気を出すって場合が多いですけど、それができません。
全員がすべての試験を受けるため、バランスよく対策が求められるため2位としました。
関連記事:【令和6年度】石川県教員採用試験の日程は?併願や対策方法も紹介



筆記試験の内容も一般常識や一般・教職教養にくわえて論文などが総合的に出題されるので対策が大変なんですよね・・・。
3位名古屋市
そして3番目は名古屋市です。
まず筆記試験の出題レベルが高く、教職・一般教養ともに幅広い知識が求められます。また、面接試験では、個人面接にくわえて、集団面接が実施されます。
中でも集団面接は毎年傾向が変わるため対策のしようがありません。ある年では、思いついた漢字を叫ばせたり、また別の年では思いついた童話を発表させたりなどなど。
やることが多く、対策も難しいため3位としました。
関連記事:【令和6年度】名古屋市教員採用試験の日程は?併願や対策方法も紹介



参考書を使って独学で対策することが困難なので、人によっては愛知県に受験先を変えることもあるんですよね・・・。
簡単な県TOP3
1位新潟県
僕が思う最も受かりやすい自治体は新潟県です。
倍率は低い、試験内容も筆記と個人面接だけというシンプルさなので対策がしやすいです。配点比率は筆記試験(専門試験)が最も高く、負担のかかる教養が最も低い点もありがたいですね。
養護教諭など一部は10倍を超えることもありますが、総じて簡単な自治体といえるでしょう。
関連記事:【令和6年度】新潟県教員採用試験の日程は?併願や対策方法も紹介
2位愛知県
2番目は愛知県です。
以外かもしれませんが、倍率は全国平均と同じくらいで、採用数も多い。そのうえ、令和4年度からは筆記試験と小論文、個人面接、(一部実技)といった試験になり、対策がしやすくなりました。特別選考での一次免除がなくなり(加点に変更)全受験者が一次試験から受ける必要があるため、一般選考でも受かりやすくなっています。
教養試験の科目数は多いですが、出題傾向はつかみやすいので、あまり苦労することはないでしょう。
関連記事:【令和6年度】愛知県教員採用試験の日程は?合格発表までの流れを紹介
3位大阪市
3番目は大阪市です。
倍率はやや高めですが、試験内容は筆記(教職教養、専門教科)と個人面接、実技試験なので独学でも対策しやすいです。最初に教職教養で受験者を絞りますが、ボーダーは5割程度と低いですし、面接も10~15分しかないため対策すれば問題ありません。
関連記事:【令和6年度】大阪市教員採用試験の日程は?合格発表までの流れを紹介
教員採用試験の難易度を都道府県別に紹介
教員採用試験の志望先を選ぶにあたり、競争倍率を把握しておくことは重要です。
厳密には、『競争倍率=難易度』とはなりませんが、ある程度の指標(レベル)を測ることは可能なので気になる自治体をチェックしてみましょう!
北海道・東北
関東
甲信越北陸
東海
近畿
中国・四国
九州・沖縄
教員採用試験は難しいけど無理な試験ではない!
本記事は教員採用試験が難しい理由を解説していました。
難しい理由は次の3点。
また、倍率や試験内容などから判定した難しい県と簡単な県TOP3がこちら。
教員採用試験の難易度について解説してきましたが、結局のところは、「捉え方は人それぞれ」になってしまいます。どうしてもなりたい教科なのに、一般的に「難易度が高い」と言われているからといって諦めるのはもったいないことです。
志望先の難易度が気になるのは仕方ないことですが、やはり一番大切なのは、「教員になってどのような仕事をしたいのか」「どのような教員になりたいのか」です。
ここを明確にした上で対策をはじめましょう!
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!