東京都教員採用試験の内容は?一次・二次別に傾向と勉強方法を解説

東京都教員採用試験の勉強方法

  • 東京都教員採用試験の内容は何があるの?
  • 東京都教員採用試験の傾向は?。
  • 東京都教員採用試験はどうやって対策するの?

東京都教員採用試験の対策をはじめよう!」と思うものの、何からはじめていいかわかりませんよね。

そもそも、どんな試験があるのかどうかもよくわかっていない…。

教員採用試験は、自治体ごとに試験内容や出題される問題が違います。そのため、内容を知らずに対策することはNGです。

そこで本記事では、東京都教員採用試験の具体的な内容と、試験ごとの傾向から対策方法まで解説します。

東京都の教員になるには筆記対策と面接対策の両方が必要です。

今すぐにでも勉強を始めたいと考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

※一般選考の内容をまとめています。

▼この記事を書いている人▼

東京都教員採用試験の内容は?

東京都教員採用試験は、大きく「筆記試験」と「面接試験」に分類できます。

試験は段階式で行われ、まず一次選考で受験者をふるいにかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。

試験の流れを知らない人は「【令和5(2023年度)】東京都教員採用試験の日程は?合格までの流れを解説」を参考にしてください。

まずは試験ごとに大まかな内容を把握しましょう。

福永
福永

令和5年度(2022年実施)の内容をまとめています。必ず要綱で確認してください。

一次試験の内容

  • 教職教養
  • 専門教養
  • 論文

一次試験は筆記をメインに実施します。

二次試験の内容

  • 集団面接
  • 個人面接
  • 実技試験

二次試験は面接をメインに実施します。

合格率はどれぐらい?

(2019〜2021年実施 東京都教員採用試験の合格率)
年度合格率受験者合格者
令和2年度
(2019年実施)
32.9%10,3783,418
令和3年度
(2020年実施)
36.7%9,2653,402
令和4年度
(2021年実施)
30.8%8,6072,650

詳しくは「【過去の推移】東京都教員採用試験の倍率(実施結果)を教科別に解説!」を参考にしてください。

続いて、試験ごとに傾向と具体的な対策方法を解説していきます。

東京都教員採用試験 教職教養の傾向

東京都教員採用試験の教職教養は、教員として知っておくべき知識を問う筆記試験です。主に大学の教職課程で勉強するような内容から出題があります。

教職教養の試験科目

科目主な内容
教育原理学習指導要領や生徒指導など、教育の基礎知識、
教育法規教育基本法や学校教育法など、教育関連の法令知識。
教育心理学習に関する心理過程や成長発達、教育評価などの知識。
教育史教育制度や観念、思想など、教育の歴史に関する知識。
ローカル東京都の教育や施策、取組みなどに関する知識。

この5科目から25問出題されます。

※1〜23問は全校種が同じ問題を、残り2問は校種によって問題が異なります。詳しくは下記の過去問で確認しましょう。

試験時間は60分。

出題形式は「正誤問題」や「正誤問題の組合せ」が多く、解答方法は択一式(マークシート)となっています。

福永
福永

補足ですが、人文科学や社会科学などの一般教養分野から出題がありません。

教職教養の過去問

東京都教員採用試験の過去問はいつ使う?過去3年間の問題を公開」で過去の問題をまとめています。

試験内容や出題レベルなどの確認をしてみましょう。

教職教養の傾向

ここまで解説した通り教職教養は、出題科目が多く、対策する試験は他にもあるため、全科目に同じ時間を使って勉強してはいけません。

まずは、以下の科目内訳を参考に勉強する科目を決めていきましょう。

(2019〜2021年実施 東京都教員採用試験 教職教養の科目別内訳)
科目 / 年度202220212020
教育原理91010
教育法規998
教育心理434
教育史111
その他222
合計252525

見てのとおり、教育原理と教育法規が全体の7割を占めており重要科目だとわかるはず

合格者の多くは教職教養で6割程度(15/25問)を取っているため、この2科目が全問正解なら十分に合格ラインを越すことになります。

つまり、この2科目の正答率が高ければ高いほど、その他の科目の負担が少なくなるので、効率よく勉強できます。

逆にこの2科目で点が取れないと、その他の科目でも点を取らなければいけなくなるため多くの時間がかかってしまうんですね。

教職教養の対策法

また、重要科目だからといって全範囲を勉強することはNGです。

なぜなら、すべての範囲から満遍まんべんなく出題されているわけではないから。

たとえば、教育原理の出題率を見ると「教育方法」や「学習指導要領」は100%出題されていますが、「社会教育」や「生涯学習」は一度も出ていません。

出ない範囲まで時間を使っても損ですよね。

これを間違えると、時間をたくさん使って勉強したのに点数が取れない、つまり不合格という悲惨な結末になってしまいます。

過去の出題傾向をしっかり把握しておけば、「どこから手をつければいいのか」なんて悩まなくてよくなります。

まずは試験に必要な全体像をつかみ、最重要箇所から勉強していくようにしましょう。

具体的な勉強方法は下記記事で解説しています。

>>【教員採用試験の勉強法】独学で合格したい初学者におすすめのやり方を完全解説

Point!
  • 全科目・範囲を勉強することはNG
  • 出題数の多い科目から手をつける
  • 最重要箇所を把握して効率よく勉強する

東京都教員採用試験 専門教養の傾向

東京都教員採用試験の専門教養は、教員として授業等を行う上で必要な専門的知識を問う筆記試験です。

専門教養の試験科目

教科ごとに出題される科目が違うので、過去問などをみて傾向を把握することが必要。

(主な教科と試験科目)
小学校国語分野、社会分野、算数分野、理科分野、英語分野など
中高国語現代文、古典分野など
中高社会地理、歴史、公民など
中高理科物理、化学、生物など
中高保体体育分野、保健分野など

試験時間は60分ですが、問題数は教科によって異なります(小学校53問、公民36問など)。

出題方式は教職教養と同じく択一式で、正答番号をマークシートに記入。

専門教養の出題レベル

専門教養は、中学〜高校までに習う部分が中心に出題されますが、大学の専門課程で学習するレベルの問題も出ています。

詳しいレベルは過去問を見て確認してください。

専門教養の過去問

専門教養の過去問3年分を「東京都教員採用試験の過去問はいつ使う?過去3年間の問題を公開」でまとめています。

内容やレベルの確認をしてください。

【注意】分野別基準点

教科によっては、分野別基準点(足切り)が設定されています。

東京都教員採用試験 専門教養の分野別基準点
(令和4年度の内容)

1分野でも基準点(2割)を下回ると総合点がボーダーに達していても落ちます。

バランス良く対策しましょう。

専門教養でオススメの参考書を下記記事で紹介しています。

>>【2023年版】教員採用試験でオススメの参考書・問題集は?選び方のコツ

Point!
  • 得意な人が集まるため平均点は高くなりがち
  • 目標は最低7割
  • 過去問等で出題割合を把握して勉強する

東京都教員採用試験 論文の傾向

東京都教員採用試験の論文は、筆記試験では判断できない「課題把握力」、「実践的指導力」、「論理的表現力」などの能力を評価する試験です。

文章を使って「自分」を表現することができる唯一の筆記試験なので、合否の重要な判断材料となることを覚えておきましょう。

論文の傾向

傾向は「課題(事例)読解タイプ」で、教育現場で起こりうる事例を読んだ上で自分の考えをまとめるというものです。

小学校小学校の教育に関するテーマ
その他教育に関するテーマ2題から1題を選択

どんな場面なのか、問題は何かといったポイントを押さえる読解力にくわえて、文章力が必要になります。

普段からどのような教育、指導をするのか考えておくことが大切です。

論文の文字数

論文の文字数は決まっており、910~1050字が設定されています。

文字数は下回っても、超えても減点になります。1,000字ぐらいを目安に練習するといいでしょう。

また、試験時間は70分です。

書き始めるとわかりますが、意外と時間は短いので、時間配分に注意してください。

論文の過去問

東京都教員採用試験の過去問はいつ使う?過去3年間の問題を公開」で出題されたテーマをまとめています。

確認して書いてみることをオススメします。

論文の書き方(対策法)

「型」の勉強

まずは参考書で、基本的な文章の書き方を勉強しましょう。また、過去問を見て傾向を把握することも大切です。

オススメの参考書は「教員採用試験 差がつく論文の書き方」です。

いい答案、悪い答案を知ることができますよ。また、初めて勉強する人でもわかるように書かれているので、まったく論文が苦手な人は参考にしてください。

実際に書く

ある程度、論文の「型」を勉強したら、実際に自分の手を動かして書いてみましょう。そして必ず第三者に見せて評価を受けてください。

論文が書けている、書けていないは1人で判断できないので、「書く→添削」を1セットと考えることが大切です。

改善する

添削してもらった内容を改善して繰り返し書きましょう。

論文はスポーツと同じで、何度も繰り返し書くことで徐々に上達するからです。また、書いているうちに自分なりの書き方が身についてくれば論文は攻略したようなもの。

Point!
  • 論文は合否に大きく影響する
  • テーマは課題解決型。教職の知識や指導力が試される
  • 過去問を読み込んで傾向を把握し、何度も書いて対策する

東京都教員採用試験 集団面接(討論)の傾向

東京都教員採用試験の集団面接(討議)は、テーマに沿って受験者同士で議論させることで、集団組織のなかでどのような行動を取るのか判断する試験です。

はじめに、面接官が提示する課題について、受験者が順番に各自の考えや、それを実現するための具体的な取組を発表します。

その後、各自が提示した課題に関連することについて、「受験者間の話合い」を行い評価。

集団面接(討論)の傾向

  • 形式:集団討論
  • 試験時間:40分程度
  • 受験者数:5人
  • 面接官:3人

集団面接(討論)の評価基準

  • 「教職への理解」
  • 「教科等の指導力」
  • 「対応力」
  • 「将来性」
  • 「心身の健康と人間的な魅力等

これらの観点に沿ってA~Eの5段階で評価され、最終的に600点満点(個人面接と合計)に換算して総合点を決めます。

集団面接(討論)の流れ

テーマの発表

事前に発表(東京都教委HP)されたテーマから当日1つを指定され、グループとしての具体策を出すように指示されます。

※メンバーは「各学校の初任者」という状況設定あり。

構想&発表

テーマ発表後、2分間の構想時間が与えられます。

その後、一人90秒以内で考えた意見を発表(挙手制)。

※時間を過ぎると強制終了となります。

討論

全員が意見を発表し終えたら、討論を行います。(24分)

※時間を過ぎると強制終了となります。
※テーマに沿ってグループでの意見をまとめる必要があります(発表はなし)。
※司会などの指示はなし。

福永
福永

同じようなテーマが繰り返し出ているんですよね。

Point!
  • 集団面接の内容は討論
  • テーマは事前に発表、高レベルが求められる
  • 意見を言うだけでなく協力する姿勢、態度も重要

東京都教員採用試験 個人面接の傾向

東京都教員採用試験の個人面接は、筆記では判断できない受験者の人間性や教員への資質・適性、志望意欲などを評価する人物試験です。

試験時間は30分で、面接官3人から質問される形式。

個人面接の流れ

入室

集団討論が終わると、順番に面接室に入ります。

※その他メンバーは控室で待機。

「面接票」に関する質問

まず事前に提出した面接票について質問されます。(10分)

「単元指導計画」に関する質問

続いて事前に提出した単元指導計画について質問されます。(10分)

「場面指導」を実施

最後にテーマに沿って場面指導を行い、簡単な質問に回答して終了。(10分)

場面指導とは

日常の教育現場で想定されるワンシーンを実際に演じることを指します。

面接票の内容と聞かれた質問

面接票は面接をするときの資料です。また、合否判定をするときにも参考にされるので慎重に記入する必要があります。

一次試験に合格すると、面接票が手に入るので期日までに作成してください。作成した面接票は原本とコピー2部の計3部を試験日に提出します。

面接票の内容は以下のとおり。

  • 校種・教科・受験番号
  • 氏名・生年月日
  • 学歴
  • 取得免許状の種類
  • 特技・資格
  • 学校教育で生かせる得意領域や分野
  • 部活動の成績
  • 職歴
  • 賞・罰
  • 教育実習・そこで学んだこと
  • 東京都の教員を志望する理由
  • 今までの体験や成功を教育としてどう活かすか。

面接票に関する質問

  • 教師を志望した理由は何ですか。
  • 集団討論の出来はどうでしたか。
  • 教師はいつから目指していますか。
  • 得意分野は何ですか。
  • 指導できる部活はありますか。
  • 経験したことがない部活動の担当をお願いされたらどうしますか。
  • 今までの経験で一番成果を上げた話をしてください。
  • 東京都が求める教員像を知っていますか。
  • コロナのなかどうやって生活していましたか。
  • 子どもたちにどうやって成功体験を積ませていきますか。
  • 東京都と他府県で違う点は何がありますか。
  • 保護者対応で不安なことはありますか。
  • 保護者との信頼関係をつくるうえで大切にしたいことは何ですか。
  • モンスターペアレントといわれる保護者がいた場合,どのように対応しますか。

単元指導計画の内容と聞かれた質問

単元指導計画は、1つの単元の中で、子どもたちにどのような力を身に付けさせるを表した計画表のことです。

面接官は受験者が作成した単元指導計画をみて質問し、実践的な指導力や授業力を判断します

単元指導計画に関する質問

  • ICTを活用した授業は想定していますか。
  • 学力が低い子供にはどう接しますか。
  • この単元指導計画で何を学ばせたいですか。
  • この単元でICTを活用するならどこですか。
  • この単元で注意する部分はどこですか。
  • この単元の次は何をやりますか。
  • 今後の授業計画を簡単にいってください。
  • 授業が終わったあとに気を付けることはありますか。
  • 単元指導計画を作るうえで、この単元にした理由と教材名は何ですか。
  • 担当教科の目標に即して、選んだ単元を説明してください

場面指導の内容と聞かれた質問

個人的な感覚として1番ウエイトが高い部分です。

  • 課題を認識して、柔軟な対応ができているか。
  • 子ども・保護者に応じた対応ができるか。
  • 状況を把握して、誠実に対応できるか。

とくに講師経験者や社会人経験者はより深く聞かれる可能性があるので、しっかり対策しておくことが大切です。

曖昧な返答だと圧迫気味に返されることもあります。

しっかりと自分の考えを、言葉にして話せるように練習しておきましょう。

場面指導に関する質問

  • あなたが担当している部活動がうるさいと地域住民からクレームがあったらどう対応しますか。
  • あなたの隣のクラスがとても汚れています。どう対応しますか。
  • ある生徒から相談を受けました。その子の手首にはリストカットの後があります。どう対応しますか。
  • いじめの加害生徒へどのように対応しますか。
  • いじめの加害生徒への保護者へどのように対応しますか。その際、配慮することは何ですか。
  • 遠足のグループ決めで、友達と同じグループになれなかったから行きたくないと言っている子供にどう対応しますか。
  • クラスで盗難があったらどう対応しますか。
  • クラスの子が虐待されているたらどう対応しますか。
  • クラスの様子が分からないという親にどう対応しますか。
  • グループワークで積極的になれない子へどのように支援しますか。
Point!
  • 個人面接は合否に大きく影響する
  • 面接票、単元指導計画、場面指導の順で質問される
  • 面接票をしっかり作りこんで対策することが重要

東京都教員採用試験 実技試験の傾向と対策法

東京都教員採用試験の実技試験は、教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。

音楽や美術など、知識よりも技能を専門に教える教科を中心に行われています。

実技試験のある校種・教科

小学校(英語コース)、音楽、美術、保健体育、英語の受験者が対象です。

実技試験の対策法

結論をいえば、十分に練習することです。

上記で示した内容をもとに、何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。

そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。

なお、内容に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。

そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。

Point!
  • 内容を把握して早めに練習する
  • 実技試験は最低限のスキルチェックなのでできて当然
  • 子供たちの手本になることを意識する

東京都教員採用試験に合格する方法まとめ

東京都教員採用試験の内容は幅広いため、「難しそうだな…。」と感じたかもしれませんが、この内容をしっかりと理解して対策していかなければ合格できません。

しっかりと試験の本質を理解して正しい努力をすればある程度の結果は見えてきます。

もちろん、何も傾向を理解せず適当に勉強するだけでは時間のムダになってしまいますが、この記事を見ているような勉強熱心なあなたなら大丈夫です!

確かに試験内容は多いですが、あなたはしっかり勉強したいという意思が強いので、適当に勉強しているその他大勢の人に負けるわけありません。

勤勉なあなたは結果を出すことができるので安心してノウハウを学んで、まずは対策に時間のかかる筆記試験から勉強をはじめていきましょう。

Point!
  • 筆記試験:「教職教養」「専門教養」「小論文」
  • 人物試験:「個人面接」「集団面接」「実技試験」
  • 出題傾向を理解して効率よく対策することが最重要