- 京都市教員採用試験の内容は何があるの?
- 京都市教員採用試験の傾向は?。
- 京都市教員採用試験はどうやって対策するの?
「京都市教員採用試験の対策をはじめよう!」と思うものの、何からはじめていいかわかりませんよね。
そもそも、どんな試験があるのかどうかもよくわかっていない…。
教員採用試験は、自治体ごとに試験内容や出題される問題が違います。そのため、内容を知らずに対策することはNGです。
そこで本記事では、京都市教員採用試験の具体的な内容と、試験ごとの傾向から対策方法まで解説します。
京都市の教員になるには筆記対策と面接対策の両方が必要です。
今すぐにでも勉強を始めたいと考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
※一般選考の内容をまとめています。
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京都市教員採用試験の内容は?
京都市教員採用試験は、大きく「筆記試験」と「面接試験」に分類できます。
試験は段階式で行われ、まず一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。
試験の流れ(試験日)を知らない人は「【令和5(2023年度)】京都市教員採用試験の日程は?流れを解説」を参考にしてください。
まずは試験ごとに大まかな内容を把握しましょう。
一次試験の内容
- 一般・教職教養
- 専門教科
- 個人面接
二次試験の内容
- 論文試験
- 集団討議
- 模擬授業
- 実技試験
配点
試験内容 | 配点 | |
---|---|---|
一次 | 一般・教職 | 30点 |
専門教科 | 100点 | |
個人面接 | 70点 | |
二次 | 論文 | 20点 |
集団討議 | 35点 | |
模擬授業 | 60点 | |
実技試験 | 30点 |
年度 | 合格率 | 受験者 | 合格者 |
---|---|---|---|
令和2年度 | 19.9% | 1,621 | 322 |
令和3年度 | 20.5% | 1,764 | 362 |
令和4年度 | 19.7% | 1,562 | 307 |
教科別の合格率は「京都市教員採用試験の倍率は高い?過去の推移を教科別に解説!」を参考にしてください。
京都市の合格率は全国と比べてかなり低いです。そのため計画をしっかり立てて対策しなければ合格できません。
これから解説する傾向を把握して効率よく対策していくことが重要です。
京都市教員採用試験の勉強時間はどれくらい?
合格までにどれぐらいの勉強期間・時間が必要なのか気になりますよね。
勉強時間が多いからといって合格に直結するわけではありませんが、落ちる人の多くは圧倒的に量が少ないです。
目安は700時間
勉強時間は700時間〜を目標としましょう。
1日2時間やれば1年程度で達成できる時間ですね。
学業や仕事と両立しながら合格を目指すことになるので、負担がなく、現実的に勉強できる計画を立てて実行することが重要。
- 1日2時間・・・350日(約1年間)
- 1日3時間・・・233日(約8ヶ月)
- 1日4時間・・・175日(約半年)
具体的な勉強方法は「【教員採用試験の勉強法】独学で合格したい初学者におすすめのやり方を完全解説」で解説しています。
短期集中がポイント
勉強時間の確保が難しい場合は、はやめに対策をはじめることにプラスして「効率性」を意識することが大切です。
どれだけ「量」をこなしても、「質」が伴っていないと効果減です。逆に「質」が良ければ、最低限の量をこなすだけで効果バツグン。
なので、できるだけ短期集中(9ヶ月ぐらい)で覚えていくことが重要です。
勉強を始めるタイミングについては「教員採用試験の勉強はいつから?合格に必要な勉強時間とスケジュールを解説」でも詳しく解説しています。
京都市教員採用試験 合格ラインは何割ぐらい?
京都市教員採用試験の正式な合格ラインは公表されていません。そもそも競争試験なので、合格ラインは問題レベルや採用者数などで変動するんですよね。
とはいえ、自治体の規模が似ている神奈川県や大阪府を参考にすればボーダーは5割~7割となっているため、大きくは違わないはず。実際に受験者の報告からも6割~6.5割で合格しています。
教科によってはこれより合格ラインが高くなることもあるかもしれませんが、まずは安定して7割を取れるように準備することが受かるポイントです。
まずはこれから解説する試験内容と傾向をきちんと理解して準備をはじめましょう!
関連記事:教員採用試験の合格ラインは何割?合格最低点と基準点を超える3つのポイント
京都市教員採用試験 一般・教職教養の傾向
京都市教員採用試験の一般・教職教養は、「教職科目」と「一般科目」で構成される筆記試験です。
- 教職教養:学習指導要領や法律などの教員として知っておくべき基礎知識
- 一般教養:小学校から高校までに学んだ知識
要は科目の多い大学入学共通テスト(センター試験)のようなもので、その多くが高校までに学んだ内容です。
特徴は試験科目の多さで10科目以上もあるんですよね…。
一般・教職教養の科目
科目 | 主な内容 | |
---|---|---|
教職教養 | 教育原理 | 学習指導要領や生徒指導など、教育の基礎知識、 |
教育法規 | 教育基本法や学校教育法など、教育関連の法令知識。 | |
教育心理 | 学習に関する心理過程や成長発達、教育評価などの知識。 | |
教育史 | 日本や西洋の歴史や教育制度などの知識。 | |
一般教養 | 人文科学 | 国語、英語、音楽、美術 |
社会科学 | 日本史、地理、政治、経済、倫理 | |
自然科学 | 数学、物理、化学、地学 | |
その他 | 教育施策、社会時事 |
これらの科目から30問出題されます。
試験時間は30分しかないので、1問1分ベースで解いていかなければ時間が足りません。
出題は「正誤問題」や「空欄補充」で解答方式は択一式。5つの選択肢から正答を選んで解答します。
一般・教職教養の出題レベル
難度はやや高めです。
というのも、出題形式は択一式ですが、空欄補充の場合、選択肢の組合せで正答することが求められるため、すべての空欄に解答できないと正解となりません。
そのため、一つの空欄に当てはまる語句がわかったら正解ができる自治体に比べると簡単ではありません。
また、試験科目が多いことから対策に苦労するという点からも難度は高いと言えるでしょう。
まずは主要科目や頻出分野を理解して勉強することがポイントです。
一般・教職教養の対策法
ここまで解説したとおり教職・一般教養は、科目が多く、出題範囲も広いため全科目に同じ時間を使って勉強してはいけません。
勉強するときのポイントは、次の2つ。
- 「主要科目から勉強すること」
- 「頻出分野から手をつけること」
主要科目から勉強する
京都市教員採用試験で一番時間がかかる「主要科目」は教育原理、教育法規、数学です。出題数が多く、理解するのに時間がかかる、または物理的に量が多いというのが主要因です。
まずは、これらの科目に絞って手をつけるのが先決!
これらの科目にある程度メドが立たないと、合格点を取ることは厳しいので、最初は主要科目に絞って勉強することがポイントです。
つまり、主要科目の正答率が高ければ高いほど、その他の科目の負担が少なくなるので、効率よく勉強できます。逆に主要科目で点が取れないと、その他の科目でも点を取らなければいけなくなるため多くの時間がかかってしまうんですね。
頻出分野から手をつける
また、全範囲を勉強することはNGです。
なぜなら、すべての範囲から満遍なく出題されているわけではないから。
たとえば、教育原理の出題内容をみると、特別支援教育が最も頻出であるのに対し、全国では頻出の学習指導要領はほとんど出ていません。
使える時間は限られているのに、出ない範囲まで時間を使っても損ですよね。
これを間違えると、時間をたくさん使って勉強したのに点数が取れない、つまり不合格という悲惨な結末になってしまいます。
過去の出題傾向をしっかり把握しておけば、「どこから手をつければいいのか」なんて悩まなくてよくなります。
まずは試験に必要な全体像をつかみ、最重要箇所から勉強していくようにしましょう。
京都市教員採用試験 専門教科の傾向
専門試験は、教員として授業等を行う上で必要な専門的知識を問う筆記試験です。
志望する校種・教科に応じて試験問題が異なります。
実際に自分が教える教科なので、平均点は高くなる傾向にあるため、早めに準備をはじめることが大切です。
専門教科の科目
小学校 | 国語分野、社会分野、算数分野、理科分野、英語分野など |
---|---|
中高国語 | 現代文、古典分野など |
中高社会 | 地理、歴史、公民など |
中高理科 | 物理、化学、生物など |
中高保体 | 体育分野、保健分野など |
養護教諭 | 養護に関する専門知識 |
試験時間及び問題数は校種・教科によって異なります。
出題方式は小学校は択一式で、その他は記述式となっています。
専門教科の配点
専門教科は教職・一般教養に比べて配点が高いです。
- 教養試験:30点
- 専門教科:100点
このように約3倍の点数になるため優先して勉強することが大切です。
専門教科のレベル(難易度)
専門試験は、中学〜高校までに習う部分が中心に出題されますが、大学の専門課程で学習するレベルの問題も出ています。
そのため、よく大学入試と比較されるのですが、大学入試と比べると、大学入試は広く深く、専門試験はやや広く浅くなので、大学入試のほうが難しいと感じる受験者は多いです。
とはいえ、教員採用試験は教科知識だけでなく学習指導要領からも出題があるため注意が必要です。
また、小学校以外の校種・教科は記述式である点からも難度はやや高いといえるでしょう。
専門教科の対策法
まずは、今の実力を把握するために問題を解いてみましょう!
なぜなら、実力によって勉強方法が変わるからです。
簡単にいうと、東大生と私大生(偏差値50)が同じ勉強をする必要はあるかということ。
同じ勉強をしても効率が悪いのでレベルに応じた対策をしましょう。
教員採用試験用の問題集を使って対策しましょう!
どの分野がよく出るのか、どのような問われ方をするのか理解できるからです。
大学入試とは傾向が異なるので、最初に教採専用の教材で傾向を知ることがポイント!
専門試験でオススメの参考書を「【2023年版】教員採用試験でオススメの参考書・問題集は?選び方のコツ」で紹介しています。
教採専用の教材は傾向把握には重宝しますが、高得点を取るには知識の穴が多いです。
そのため、必要に応じて大学受験用の教材をやることも一つの手です。
とはいえ、そこまで高得点が取れなくても合格できるので時間があればやってみましょう。
最後は全国の過去問を使って知識の総復習をしたり、模擬試験を活用したりしてください。
京都市教員採用試験 個人面接の傾向
個人面接では、 筆記試験では判断できない受験者の人間性や教員への資質・適性、志望意欲などを評価する人物試験です。
面接形態は「面接+場面指導」の構成で、面接官2人に対して受験者が1人で行います。
試験時間は10分で、過去の経歴や経験、志望動機から今後の抱負まで幅広い質問に回答しなければいけません。
個人面接の流れ
令和4年度の内容をもとに再現しています。
最初に消毒をしてマスクを外したら入室します。
自己PRや志望動機などを質問されます。
最後に場面指導を行って終了です。
面接カード(志願書)
面接カード(志願書)とは、面接で使用する資料のことです。
面接官は提出された面接カードを見ながら、内容とあなたが一致する人物かどうかを判断します。なので、内容がよくわからなかったり、汚かったりすると質問できません。
何も聞かれないということは、あなたに興味がない=合格は厳しいですよね。面接官に興味を持ってもらえるように、自己PRシートは丁寧に書くことが大切です。
面接カードは出願時に作成して提出しなければいけません。
内容は例年おなじなので、前もって考えておくことが重要!
参考:(2023年度)京都市教員採用試験 面接カード・志願書(PDF)
個人面接の評価基準
個人面接では、面接官それぞれが下記の観点に沿ってA~Eの5段階で評価します。
- 表現・態度
- 積極性、判断力
- 協調性、使命感
- 研究心、指導力
最終的に評価を合わせて、70点に換算して最終評定をつける。
個人面接の過去問(質問)
面接で重要なことは、過去の傾向(質問内容)を知ることです。
なぜなら、聞かれる内容がわからないと何をどう準備すればいいかわからないからです。
たとえば、一般的に自己PRや志望動機はよく聞かれる項目です。でも、自治体によってはまったく質問されておらず、生徒指導や教育問題に関する質問ばかりってこともあるんですよね。
質問内容を把握しているかどうかで面接対策の効率が違ってきます。実際に聞かれた質問を抜粋してまとめているので、 どれだけ答えられるか考えてみてください。
一般質問
- 緊張していますか。
- 今までの経歴を中学校から教えてください。
- 所持している教員免許の種類を教えてください。
- あなたの強みは何ですか。
- 長所と短所を簡潔に言ってください。
- 今までの経験で、直面した課題と解決策を教えてください。
- 教員を目指す理由を教えてください。
- 京都市を志望する理由は何ですか。
- 校種・教科を志望する理由は何ですか。
- どんな教員になりたいですか。
- めざす教師像を教えてください。
- 教員の多忙化を解消するためにどうしたらいいと思いますか。
- 保護者と信頼関係を築くために必要なことは何ですか。
- 体罰に対する意見を教えてください。
- 学習についてこられない子どもにどう対応しますか。
- 教育とは何ですか。
- 教員の不祥事について知っていることを教えてください。
- 叱ると怒るの違いは何ですか。
場面指導のテーマ
- あなたは、2年生のクラス担任です。明日から給食が始まるので、どんな声掛けをしますか。
- 明日は初めての校外学習です。公共交通機関を利用していきます。前日にどんな指導をしますか。
- 学校に不必要なものを持ってきている児童生徒が増えてきました。帰りのHRで指導をしてください。
- 明日から夏休みです。前日指導を行ってください。
- 明日は合唱コンクールです。前日に、どんな声掛けをしますか。
こういった内容を知らずに志望動機ばかり考えていても直接的な対策にはなりません。
効率よく対策するためにも過去問を把握しておくことが大切です。
勉強のスキマ時間を使いながら少しずつ考えてみてください。
京都市教員採用試験 論文の傾向
京都市教員採用試験の小論文は、筆記試験では判断できない「課題把握力」、「実践的指導力」、「論理的表現力」などの能力を評価する試験です。
文章を使って「自分」を表現することができる唯一の筆記試験なので、合否の重要な判断材料となることを覚えておきましょう。
論文の傾向
京都市の論文は2題あり、一つは生徒指導や学習指導に関して具体的な取り組みを書かせる内容、もう一つは教員のコンプライアンスを問う内容です。
そのため、日頃から問題意識を持って様々な課題についてシミュレーションしておくことが大切です。
また、テーマは校種によって異なる。
論文の文字数
文字数は600字です。
試験時間が40分ということを考慮すると500字ぐらいを目安に書けるようにしてください。
書き始めるとわかりますが、意外と時間は短いので、時間配分に注意。
論文の書き方(対策法)
まずは参考書で、基本的な文章の書き方を勉強しましょう。また、過去問を見て傾向を把握することも大切です。
オススメの参考書は「教員採用試験 差がつく論文の書き方」です。
いい答案、悪い答案を知ることができますよ。また、初めて勉強する人でもわかるように書かれているので、まったく論文が苦手な人は参考にしてください。
ある程度、論文の「型」を勉強したら、実際に自分の手を動かして書いてみましょう。そして必ず第三者に見せて評価を受けてください。
論文が書けている、書けていないは1人で判断できないので、「書く→添削」を1セットと考えることが大切です。
添削してもらった内容を改善して繰り返し書きましょう。
論文はスポーツと同じで、何度も繰り返し書くことで徐々に上達するからです。また、書いているうちに自分なりの書き方が身についてくれば論文は攻略したようなもの。
- 論文は合否に大きく影響する
- テーマは2つ。一つは「生徒指導や学習指導」、もう一つは「コンプライアンス」
- 過去問を読み込んで傾向を把握し、何度も書いて対策する
京都市教員採用試験 集団討議の傾向
集団討議は、複数の受験者がお題に対して意見を述べ、話合いをしていく試験です。
「討論」と聞けば、意見を言い合い自分の主張が正しいことを論理的に説明して議論することを想定するかもしれません。
しかし、教員採用試験における討論は議論を交わすよりも、お互い協力して課題を解決するという点を意識しなければいけません。
集団討議の流れ
受験者の確認及びグループわけをした後、お題が発表されます。
テーマについて各自、構想(3分)
進行役(司会)を決めて、討論がスタート。
時間は30分、時間になると途中でも打ち切られます。
1グループ7人程度で行われます。
集団討議の過去問テーマ
過去の出題テーマを校種別にまとめています。
令和2年度(2020年度)
小学校 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
---|---|
中学校 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
高等学校 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
特別支援 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
養護教諭 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
栄養教諭 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
幼稚園 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
令和3年度(2021年度)
小学校 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
---|---|
中学校 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
高等学校 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
特別支援 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
養護教諭 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
栄養教諭 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
幼稚園 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
令和4年度(2022年度)
小学校 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
---|---|
中学校 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
高等学校 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
特別支援 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
養護教諭 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
栄養教諭 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
幼稚園 | 集団討議のテーマを見る(PDF) |
集団討議の対策法
「生徒指導や特別支援教育」がテーマになりやすいです。
そのため、教職の知識や自分なりの教育観を考えおくことが重要。
その際、京都市の方向性や文科省の資料などにも目を通しておくこと。
日頃から友人同士で教育問題などについて意見交換を行いましょう。
討論では他者とのコミュニケーションが何よりも大切なので、意見を聞くこと、まとめることも重要な要素になるからです。
このときは自分の意見に説得力を持たせるため「こういうことだから、こう思う」と、根拠を盛り込んで論理的に話すことがポイント。
必ず1回、できれば2回は実戦形式の練習を受けましょう。
大学などでも対策してくれると思いますが試験は年齢や身分が不特定の人と一緒になるため、予備校などを使うと効果的です。
- 集団討議は協力して意見をまとめる試験
- 協調性やコミュニケーション能力が問われる
- 様々な環境で実戦形式を通して上達していくこと
京都市教員採用試験 模擬授業の傾向
京都市教員採用試験の模擬授業は、与えられたテーマに沿って授業を行ったあと、内容に関する質疑応答(口頭試問)を行います。
評価を上げるには教科に関する専門知識の他に「授業構想力」や「学習指導力」などが必要です。
模擬授業の流れ
令和5年度から事前にテーマが京都市HPで公開されます(幼稚園、小学校、中学校、養護教諭、栄養教諭のみ)。
高校、特別支援学校は当日に発表。
※令和5年度からテーマが事前になるためなくなるかも。
なお、令和4年度までは80分間の指導案作成の時間が与えられていました。
本時の展開を8分間で授業します。
最後に、模擬授業やその他について質問されます。
すべての質問に回答したら個人面接を行って終了。
板書も使えるので上手く使っていきましょう!
模擬授業の対策法(ポイント)
模擬授業の流れやテーマがわかったら、いよいよ対策をはじめると思います。
模擬授業で意識するポイントは次の3つです。
- 児童・生徒の視点を大切にする
- 面接と同じで印象が重要
- 客観的な姿をみて練習
ポイント①:児童・生徒の視点を大切にする
模擬授業では、ただ授業ができればいいわけではなく、「どれだけ子どもたちの興味・関心を惹けるか」が重要です。
よく「講師経験があると有利」みたいに言われていますが、あまり関係ありません。授業方法や専門知識の量、講師経験の有無など受験者によって違いますもんね。なので、模擬授業をするときには、「どんな先生が子どもたちに人気があるのか」を意識して演じる必要があるわけです。
アンケートによると「面白い・楽しい先生」が人気みたいですよ。淡々と知識を教えるだけの先生は求められていないってことです。
ポイント②:面接と同じで印象が重要!
専門知識や授業構成力などの内容も重要ですが、あくまでも試験なので「印象」が超大事です!
例えば「教科書の7ページを開いてください」という動作。
「声に出すだけ」なのと「体全体を使って表現」するのとでは、まったく印象は違いますよね。
とくに小学生の低学年を対象にするのであれば、動作を大きくして授業したほうが子どもたちからすれば楽しいはず。もちろん、本当の授業ではする必要はありませんが、あくまでも試験なのでそれくらいしたほうが評価はよくなります。
- 表情や声の大きさ
- 話し方
- 話す速度
などを練習の段階から意識することが大切です。
ポイント③:客観的な姿を見て練習
模擬授業は自己満足では意味がありません。
声の大きさや表情、板書のわかりやすさなどは第三者の意見がすべてだからです。
一番は勤務先の先生や大学の教職課に見てもらうことが一番ですが、一人でも授業を録画するなどして対策はできます。大切なのは印象ですから繰り返し練習することが大切ですよ。
ただ授業構成を考える対策では高評価をもらうことは難しいです。どんな先生が求められているのか理解しながら対策してください。
- テーマは事前告知(令和5年度から)、当日指定(高校、特別支援のみ)
- 人間性や情熱が重要
- 板書にも注意する
京都市教員採用試験 実技試験の傾向
実技試験は、教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。
音楽や美術など、知識よりも技能を専門に教える教科を中心に行われています。
実技試験のある校種・教科
- 中学校、高校(音楽、美術、保健体育、英語)
- 養護教諭
実技試験の評価
各項目・着眼点に沿って30点満点で評価。
実技試験の対策法
結論をいえば、十分に練習することです。
上記で示した内容をもとに、何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。
そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、内容に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。
そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
- 内容を把握して早めに練習する
- 実技試験は最低限のスキルチェックなのでできて当然
- 子供たちの手本になることを意識する
京都市教員採用試験に合格する方法まとめ
京都市教員採用試験の内容は幅広いため、「難しそうだな…。」と感じたかもしれませんが、この内容をしっかりと理解して対策していかなければ合格できません。
しっかりと試験の本質を理解して正しい努力をすればある程度の結果は見えてきます。
もちろん、何も傾向を理解せず適当に勉強するだけでは時間のムダになってしまいますが、この記事を見ているような勉強熱心なあなたなら大丈夫です!
確かに試験内容は多いですが、あなたはしっかり勉強したいという意思が強いので、適当に勉強しているその他大勢の人に負けるわけありません。
勤勉なあなたは結果を出すことができるので安心してノウハウを学んで、まずは対策に時間のかかる筆記試験から勉強をはじめていきましょう。
- 筆記試験:「一般教養・教職教養」「教科専門」「論文」
- 人物試験:「集団討議」「個人面接」「模擬授業」「実技試験」
- 出題傾向を理解して効率よく対策することが最重要