長野県教員採用試験の一次選考で行われる小論文。
「文章を書く試験でしょ?」と何となく内容を想像するけど、イマイチどんな試験なのか把握できていないのではないでしょうか。
そこで本記事では、これから長野県教員採用試験の小論文対策を始める方向けに、過去の出題テーマや傾向を紹介します。評価を上げるコツも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
長野県教員採用試験 小論文の傾向
長野県教員採用試験の小論文は、テーマに沿って自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。筆記試験(一般教養や専門教科)では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。
ここでは、小論文の傾向を3つ解説します。
- テーマ提示型、抽象型
- 試験時間と文字数
- D評価以下で足切り
テーマ提示型、抽象型
小論文の出題形式は、義務教育(小中特)と高等学校でやや異なります。
義務教育(小、中、特支)
義務教育区分の出題形式は、テーマ(お題)に関して自分の考えや主張を論述する「テーマ提示型」です。
出題例:「子どもをまるごと受け止める教師」について、自分の体験をふまえて、あなたの考えを書きなさい。
与えられたテーマをしっかりと理解し、自分の意見を論理的かつ具体的に展開することが求められます。文章の構成や表現に工夫を凝らし、誤字や脱字を避けることも重要です。
高等学校
高等学校は、与えられた題から自分でテーマを設定して論述する「抽象型」です。
出題例:「創」
この場合、題からテーマを創造し、自分の考えや主張を明確に示す必要があります。論旨を展開し、論理的な思考力を発揮することが求められます。
試験時間と文字数
区分 | 義務教育 | 高等学校 |
---|---|---|
試験時間 | 60分 | 45分 |
文字数 | 800字 | 600字 |
制限時間内で文章を適切に構成し、要点を明確に伝えることが重要です。また、普段から時間配分を意識して書く練習をしてください。

僕なら、テーマの把握と見直しに5分ずつ、その他の時間を執筆にあてます!
何文字書く?
結論、9割以上書きましょう。義務教育区分なら720字程度、高等学校なら540字程度です。
文字数は誰が見ても一発でわかる評価基準なので、極端に文字数が少ないと減点もしくは採点不可の判定を受けることになるんですよね。



6割も埋められていないと厳しいですね。
知識や語彙が乏しいと多くの文字を書くのは難しいので、普段から語彙力も増やしておくといいでしょう。
D評価以下で足切り
長野県教員採用試験の小論文は以下の観点に沿って採点します。
- 題意把握の的確さ(根拠の妥当性)
- 文章構成の工夫(適切な構成等)
- 論理的思考力(論旨の展開等)
- 表記(誤字・脱字・字数)
最終的にA~Eの5段階で評価しますが、D、E評価を受けると即不合格(足切り)です。
評価が悪くなる理由としては、テーマの把握ができていなかったり、文字数が6割以下だったりすることが挙げられます。また、字が汚い(丁寧であればOK)、誤字脱字が多いっていうのもよくないですね。
以上の傾向を理解してから、小論文対策を始めてみましょう。
長野県教員採用試験 小論文の過去問テーマ
ここでは、長野県教員採用試験の小論文の過去問をまとめています。
令和5年度(2022年実施)
「子どもをまるごと受け止める教師」について、自分の体験をふまえて、あなたの考えを書きなさい。
令和4年度(2021年実施)
子ども中心の学びについて、自分の体験をふまえて、あなたの考えを700字~800字で書きなさい。
令和3年度(2020年実施)
「子どもと向き合う教師」について、自らの体験をもとに考えを述べなさい。
令和2年度(2019年実施)
「子どもの多様性を生かす教師」について、自分の体験を踏まえて考えを述べなさい。
平成31年度(2018年実施)
「子どもと共に歩む教師」について、自分の体験を踏まえて考えを述べなさい。
長野県教員採用試験 小論文の対策はいつから始めるべきか
結論をいえば、人によります。「何を当たり前のことを言っているんだ!」と思うかもしれませんが、事実なので…。
というのも、あなたが文章を書くのが得意と思いこんでいるなら本番1カ月前でもよいかもしれませんし、まったく苦手ならもっと早くやるべきだからです。
まずは今の実力を確認してみる
自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答になっていなかったりすることはよくあります。
なので、とりあえず予備校の模試などを受けてみて、今の論文力を把握してから、対策する時期の判断をしてみましょう。



東京アカデミーや時事通信などが模試を実施していますよ!
そこできちんと書けているようであれば、月に1枚~2枚の論文を書くだけでも対策になります。逆にまったく書けないなら基礎からやる必要がありますよね。
3ヵ月前には始めることを推奨
小論文対策はやることが多いです。
- 課題把握力(読解力)
- 文章構成力
- 表現力
- 語彙力
- 教職関連の知識
これらの力は短期間で身につくものではありません。語彙力や教職の知識くらいなら1ヶ月でも何とかなりますが、他の力を短期間で身につけるのは厳しいです。
書き方の勉強→推敲→フィードバック(添削)→繰り返す(最低2回)
こういった順番で勉強することになるので、やはり最低でも3ヶ月は必要だと思って学習スケジュールを組んでみてください。
小論文には、明確な解答がないため独学では限界があります。そのことを踏まえて勉強してくださいね。なお、小論文の書き方や添削方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。


長野県教員採用試験 小論文で落ちないように準備しよう
今回は、長野県教員採用試験の小論文について、傾向や過去のテーマをまとめていました。
小論文試験では、どんな人が落ちると思いますか?答えは、最初から最後まで1人で対策しようとする人です。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いんですよね…。答案を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じことです。
過去問を眺めるだけでは、小論文を攻略することはできません。過去問を使って答案を作成し、添削を受けることで徐々に上達します。
小論文が原因で不合格にならにように、早めに(遅くても試験の3ヶ月前を推奨)準備を始めていきましょう。
今回は以上です。
その他、長野県教員採用試験の内容や対策はこちらの記事で解説しています。

