本記事では京都市教員採用試験の一般・教職教養について傾向と勉強方法を解説します。
合格に向けて勉強を始めたものの、「結局、何から始めればいいの?」と行き詰っている受験者は多いです。
一般・教職教養の勉強を効率よく進めたいなら出題傾向の理解は必須です。
ここでいう出題傾向とは、『過去の出題データ』のこと。
出題傾向を理解せずに(したつもりで)勉強を進めるのは、カーナビなしで旅行に出かけるくらい無謀です。
どんな試験でも「よく出る箇所」と「まったく出ない箇所」があるわけで…。それを知らずに勉強するのは非効率だと思いませんか?
逆に出題傾向を押さえていれば、勉強すべき箇所がわかるので効率的。結果的に浮いた時間を他の対策に使えるため最終合格できる確率はグーンと上がるわけです。
ぜひ本記事を参考にして傾向と正しい勉強方法を知り、効率よく勉強してみてください。
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【京都市教員採用試験】一般・教職教養の傾向
京都市教員採用試験の一般・教職教養は、以下3つの傾向があります。
試験科目が多い
具体的な試験科目(出題科目)は以下のとおり(2023年度)。
教職教養科目
- 教育原理
- 教育法規
- 教育史
一般教養科目
【人文科学】
- 国語
- 英語
- 美術
【社会科学】
- 日本史
- 地理
- 政治
- 倫理
【自然科学】
- 数学
- 物理
- 生物
※一般常識・時事に関する問題もあり。
大学の教職課程や中学~高校までに学んだ内容で構成されています。
どの科目も中学~大学できちんと勉強してきた人からすれば、そんなに難しくありません。それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目が多すぎるからです。
あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないようにしてください。
解答時間が短い
解答時間は30分です。
問題数は30問なので、1問1分ペースで解かないと間に合いません。実際に、解答時間が足りず問題を解ききれない人は少なくありません。
マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが大事。
普段から時間配分を意識して勉強しましょう。
一般教養比重型
全出題の3分の2を一般教養科目が占めています。
教職科目に比べて、科目数が多いため対策が大変です。とくに高校・大学受験を確りしてこなかった人からすれば厄介だと言わざるをえません。
科目ごとの配点(問題数)を把握して、必要な科目を中心に勉強することがポイントです。
【京都市教員採用試験】一般・教職教養の勉強方法
ここでは京都市教員採用試験の一般・教職教養を効率よく勉強する方法(手順)について解説しています。
勉強するときは以下の手順に沿って進めてください。
科目に優先順位をつける
京都市教員採用試験の試験科目は多いですが、科目によって配点(問題数)は異なります。
少しでも楽に、簡単に点数を取りたいなら配点が低い科目に時間をかけてはダメです。
以下に科目ごとの配点をまとめています。配点や自分の学力を踏まえて、現実的に得点できそうな科目を選んでみましょう。
データ)科目別の配点(問題数)一覧
※2021、2022年度は実施なし(中止)
科目 | 2019 | 2020 | 2023 |
---|---|---|---|
教育原理 | 6 | 6 | 6 |
教育法規 | 3 | 3 | 3 |
教育心理 | 2 | 1 | – |
教育史 | – | 1 | 1 |
国語 | 2 | 2 | 3 |
英語 | 2 | 2 | 2 |
美術 | – | 1 | 1 |
日本史 | 1 | 2 | 1 |
地理 | 1 | 1 | 1 |
政治 | 1 | 1 | 2 |
経済 | 1 | 1 | – |
環境 | 1 | – | – |
倫理 | 2 | 1 | 2 |
数学 | 4 | 4 | 4 |
物理 | 1 | – | 1 |
化学 | – | 1 | – |
生物 | – | – | 1 |
地学 | 1 | 1 | – |
その他 | 2 | 2 | 2 |
合計 | 30 | 30 | 30 |
科目選択が今後の勉強効率を大きく左右します。
すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは配点が高い科目に重点を置き、知識をインプットしていきましょう。
出題頻度の高い分野を理解する
どの科目も、最初から最後まで万遍なく出ません。
たとえば教育原理の出題範囲をみると『生徒指導』と『特別支援教育』は必ず出ています。しかし、全国的に出題率の高い「学習指導要領」からはあまり出題がありません(以下データ参照)。
データ)教育原理の出題範囲一覧(直近3年分)
※2021、2022年度は実施なし(中止)
出題範囲 | 2019 | 2020 | 2023 |
---|---|---|---|
教育の意義と目的 | |||
教育方法 | |||
学習指導要領 | 1 | ||
生徒指導 | 1 | 1 | 1 |
道徳教育 | 1 | ||
特別活動 | 1 | ||
人権・同和教育 | 1 | ||
特別支援教育 | 2 | 1 | 2 |
社会教育 | |||
生涯学習 | |||
学校と学級の運営 | 2 | 1 | |
教育時事 | 2 | 1 | |
その他・総合 |
出題範囲が劇的に変化することは稀であり、約6割は繰り返し同じ分野から出題されています。
合格には5~6割程度の得点があればいいので、手を広げず必要分野に沿って勉強することが重要です。
過去の出題範囲は以下の記事でくわしく解説しています。

復習重視で勉強する
勉強では、先に進むよりもどれだけ復習するかが重要です。
僕の経験上、どれだけ勉強量を増やしても復習に時間をかけていないと覚えることはできません。僕も勉強時間の7割ぐらいを復習に充てていました。
復習のタイミングは一概ではありませんが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
参考)復習のタイミング
1日目 | 1〜10ページをやる |
---|---|
2日目 | 1〜10ページを見直して、11〜20ページをやる |
3日目 | 1〜20ページを見直して、21〜30ページをやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。これをしないだけで一気に知識の定着が悪くなります。
最初のうちはけっこうシンドイです。でも、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、復習メインを意識して勉強していきましょう。
【京都市教員採用試験】一般・教職教養でよくある質問
ここでは、京都市教員採用試験(一般・教職教養)でよく相談される質問(内容)に回答しています。
過去問(PDF)はどこでダウンロードできますか?
Web上で公開されていないため、PDF形式でダウンロードできません。
過去の教員採用選考試験問題および正答例等は、『京都市情報公開コーナー』で閲覧およびコピー(有料)をすることができます。

閲覧・コピーできるのは問題と解答だけです。解説も欲しいという場合は協同出版が出している書籍がオススメ!


勉強はいつから始めるべきですか?
専門科目の勉強が一段落したら始めると良いでしょう。
なぜなら、専門科目の配点が高いから。
- 一般・教職教養:30点
- 専門科目:100点
一般・教職教養は試験科目が非常に広範なので対策に時間はかかります。しかし、どんなに高得点を取っても配点の高い専門科目で点数が取れないと総合点は上がりません。
なので、専門科目にある程度メドが立ったら一般・教職教養の勉強を始めていきましょう。
オススメの参考書・問題集はありますか?
オープンセサミシリーズ(東京アカデミー)が無難です。


- 豊富な情報量
- 大手予備校が監修している安心感
- 幅広い科目に対応
人気ランキングでもトップであり、多くの受験者が利用している点からもオススメ。
しかし、「無駄な部分が多い」、「出題傾向表がついていないので独学に適さない」という欠点が…。しかしそこは僕が作成したnoteを併せて使えば出題傾向がひと目でわかるので問題ないんですけどね。
オープンセサミの他にも「らくらくマスターシリーズ」や「Twin Books完成シリーズ」など教採用の参考書・問題集はたくさんあるので、自分にあった1冊を選んで勉強してください。
出題傾向を理解して効率よく勉強しよう
今回は京都市教員採用試験の一般・教職教養について傾向と勉強方法を解説しました。
僕が京都市志望者の相談を受けていて思うのは、適当に勉強をしてしまっている人が相当多いということです。
どんな勉強でもそうですが、どれだけ時間をかけて努力したとしても、それが間違った方法であれば意味がありません。
とくに一般・教職教養は未知な部分が多いので、はじめて受験する方であればこそ、正しい勉強方法を知り、効率よく勉強していくことが大切です。
効率よく勉強する手順は次のとおり。
これらを意識して勉強すれば十分に合格ライン(5~6割程度)まで得点を伸ばせます。
まずは出題範囲の確認、そこから始めていきましょう!

