- 高知県教員採用試験の内容は何があるの?
- 高知県教員採用試験の傾向は?。
- 高知県教員採用試験はどうやって対策するの?
「高知県教員採用試験の対策をはじめよう!」と思うものの、何からはじめていいかわかりませんよね。
そもそも、どんな試験があるのかどうかもよくわかっていない…。
教員採用試験は、自治体ごとに試験内容や出題される問題が違います。そのため、内容を知らずに対策することはNGです。
そこで本記事では、高知県教員採用試験の具体的な内容と、試験ごとの傾向から対策方法まで解説します。
高知県の教員になるには筆記対策と面接対策の両方が必要です。
今すぐにでも勉強を始めたいと考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
※一般選考の内容をまとめています。
▼この記事を書いている人▼
高知県教員採用試験の内容は?
高知県教員採用試験は、大きく「筆記試験」と「面接試験」に分類できます。
試験は段階式で行われ、まず一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定するという流れです。
試験の流れを知らない人は「【令和5(2023年度)】高知県教員採用試験の日程はいつ?流れを解説!」を参考にしてください。
まずは試験ごとに大まかな内容を把握しましょう。

令和5年度(2022年実施)の内容をまとめています。詳細は必ず要綱で確認してください。
一次試験の内容
- 教職・一般教養
- 専門教養
- 適性検査(クレペリン検査)
一次試験は筆記をメインに実施します。
二次試験の内容
- 個人面接
- 模擬授業
- 実技試験
二次試験は面接をメインに実施します。
配点
試験内容 | 配点 | |
---|---|---|
一次試験 | 教職・一般教養 | 150点 |
専門教科 | 300点 | |
二次試験 | 個人面接 | 300点 |
模擬授業 | 150点 | |
実技試験 | 50点 |
年度 | 合格率 | 受験者 | 合格者 |
---|---|---|---|
令和2年度 | 13.5% | 2,299 | 312 |
令和3年度 | 13.0% | 2,306 | 302 |
令和4年度 | 12.7% | 2,397 | 306 |
約10人に1人しか合格できない厳しい状況が続いています。
詳しくは「【2022年】高知県教員採用試験の倍率は高い?教科別に過去の推移を解説」を参考にしてください。
高知県教員採用試験の勉強時間はどれくらい?
合格までにどれぐらいの勉強期間・時間が必要なのか気になりますよね。
勉強時間が多いからといって合格に直結するわけではありませんが、落ちる人の多くは圧倒的に量が少ないです。
目安は700時間
勉強時間は700時間〜を目標としましょう。
1日2時間やれば1年程度で達成できる時間ですね。
学業や仕事と両立しながら合格を目指すことになるので、負担がなく、現実的に勉強できる計画を立てて実行することが重要。
- 1日2時間・・・350日(約1年間)
- 1日3時間・・・233日(約8ヶ月)
- 1日4時間・・・175日(約半年)
具体的な勉強方法は「教員採用試験の勉強はいつから?勉強方法と合格に必要な勉強時間を完全解説」で解説しています。
短期集中がポイント
勉強時間の確保が難しい場合は、はやめに対策をはじめることにプラスして「効率性」を意識することが大切です。
どれだけ「量」をこなしても、「質」が伴っていないと効果減です。逆に「質」が良ければ、最低限の量をこなすだけで効果バツグン。
なので、できるだけ短期集中(9ヶ月ぐらい)で覚えていくことが重要です。
勉強を始めるタイミングについては「教員採用試験の勉強はいつから?勉強方法と合格に必要な勉強時間を完全解説」でも詳しく解説しています。
高知県教員採用試験 教職・一般教養の傾向
高知県教員採用試験の教職・一般教養は、教員として知っておくべき知識を問う「教職教養」と中学から高校までに習った知識力を測る「一般教養」で構成される筆記試験です。
※令和3、4年度は中止となっています。
教職・一般教養の試験科目
科目 | 主な内容 | |
---|---|---|
教職教養 | 教育原理 | 学習指導要領や教育時事など、教育の基礎知識、 |
教育法規 | 教育基本法や学校教育法など、教育関連の法令知識。 | |
教育心理 | 学習に関する心理過程や成長発達、教育評価などの知識。 | |
教育史 | 西洋と日本の教育に関する歴史や制度 | |
一般教養 | 一般常識・社会時事 | |
ローカル | ・高知県教育大網 ・高知県教育振興基本計画 など |
これらの科目から40問出題されます。
試験時間は60分。
出題は「空欄補充」や「正誤問題」が多く、解答方式は択一式(マークシート)。4~6つの選択肢から正答を選んで解答します
教職・一般教養の過去問
「高知県教員採用試験の過去問を参考に傾向やレベルの把握をしよう」で過去の問題をまとめています。
実際の問題を見て内容やレベルの把握をしてみましょう。
教職・一般教養の対策方法
ここまで解説した通り教職・一般教養は、出題数が多く、対策する試験は他にもあるため、全科目に同じ時間を使って勉強してはいけません。
勉強するときのポイントは、次の2つ。
- 「主要科目から勉強すること」
- 「頻出分野から手をつけること」
主要科目から勉強する
まずは、以下の科目内訳を参考に主要科目を考えてみましょう。
※2021、2022年度は中止
科目 / 年度 | 2020 | 2019 | 2018 | |
---|---|---|---|---|
教職教養 | 教育原理 | 18 | 19 | 15 |
教育法規 | 6 | 6 | 8 | |
教育心理 | 2 | 2 | 4 | |
教育史 | 2 | 2 | 2 | |
一般教養 | 5 | 6 | 6 | |
ローカル | 7 | 5 | 5 |
高知県教員採用試験で一番時間がかかる「主要科目」は教育原理と教育法規です。出題数が多く、理解するのに時間がかかる、または物理的に量が多いというのが主要因です。
まずは、これらの科目に絞って手をつけるのが先決!
教育原理や教育法規にある程度メドが立たないと、合格点を取ることは厳しいので、最初は主要科目に絞って勉強することがポイントです。
つまり、主要科目の正答率が高ければ高いほど、その他の科目の負担が少なくなるので、効率よく勉強できます。逆に主要科目で点が取れないと、その他の科目でも点を取らなければいけなくなるため多くの時間がかかってしまうんですね。
頻出分野から手をつける
また、重要科目だからといって全範囲を勉強することはNGです。
なぜなら、すべての範囲から満遍なく出題されているわけではないから。
たとえば、教育法規の出題率についてみると、全国では「学校教育法」が最も出題されていますが、高知県では「教育基本法」や「地方公務員法」が最も出ています。
使える時間は限られているのに、出ない範囲まで時間を使っても損ですよね。
これを間違えると、時間をたくさん使って勉強したのに点数が取れない、つまり不合格という悲惨な結末になってしまいます。
過去の出題傾向をしっかり把握しておけば、「どこから手をつければいいのか」なんて悩まなくてよくなります。
まずは試験に必要な全体像をつかみ、最重要箇所から勉強していくようにしましょう。
- 全科目・範囲を勉強することはNG
- 出題数の多い科目から手をつける
- 最重要箇所を把握して効率よく勉強する
高知県の頻出分野を確認する
高知県教員採用試験 専門教科の傾向
高知県教員採用試験の教科教養は、教員として授業等を行う上で必要な専門的知識を問う筆記試験です。
専門教科の試験科目
教科ごとに出題される科目が違うので、過去問などをみて傾向を把握することが必要。
小学校 | 国語分野、社会分野、算数分野、理科分野、英語分野など |
---|---|
中高国語 | 現代文、古典分野など |
中高社会 | 地理、歴史、公民など |
中高理科 | 物理、化学、生物など |
中高保体 | 体育分野、保健分野など |
特別支援 | 志望する教科の知識及び特別支援教育に関する専門知識 |
養護教諭 | 養護に関する専門知識 |
試験時間は60分ですが、問題数は教科によって異なります。
出題方式は教職教養と同じく択一式で、正答番号をマークシートに記入。
専門教科の過去問
「高知県教員採用試験の過去問を参考に傾向やレベルの把握をしよう」で過去の問題をまとめています。
実際の問題を見て内容やレベルの把握をしてみましょう。
専門教科の出題レベル
専門教養は、中学〜高校までに習う部分が中心に出題されますが、大学の専門課程で学習するレベルの問題も出ています。
詳しいレベルは過去問を見て確認してください。
専門教養でオススメの参考書を「【2023年版】教員採用試験でオススメの参考書・問題集は?選び方のコツ」で紹介しています。
- 得意な人が集まるため平均点は高くなりがち
- 目標は最低7割
- 過去問等で出題割合を把握して勉強する
高知県教員採用試験 模擬授業・口頭試問の傾向
高知県教員採用試験の模擬授業は、個人面接の冒頭で実施されます。
テーマにしたがって実際の授業を想定して行う試験のこと。
試験では面接官を児童・生徒役として行います。応答などはしませんが、目の前に子どもたちがいると思ってやる必要があります。
模擬授業の流れ
令和4年度の内容をもとに流れを解説します。
試験当日にテーマが発表されます。
テーマについて30分間考える時間が与えられます。
模擬授業に向けて準備をしてください。
指定された本時の「導入部分」の模擬授業を行います。
試験時間は10分ほど。
※令和4年度は、感染症予防の一環としてチョークを持つ手に手袋をして行ったようです。
模擬授業に関する質問に回答します。
試験時間は5分程度
口頭試問が終わると、そのまま個人面接にうつります。
模擬授業の評価基準
模擬授業は面接官それぞれが下記の観点に沿って評価します。
項目 | 観点 |
---|---|
授業構成力 | ・学習課題・めあての設定が適切であるか ・めあてに応じた授業展開となっているか ・思考や活動の場面が適切に設定されているか |
指導力 | ・授業の流れや思考の過程が分かる板書 ・話し方や言葉遣い、表情など ・時間配分 |
教材の研究・理解 | ・学習指導要領をもとにした広い知識・深い理解 ・専門領域を分かりやすく伝える ・児童生徒の実態に応じた教材の使用 |
模擬授業の対策法(ポイント)
模擬授業の流れやテーマがわかったら、いよいよ対策をはじめると思います。
模擬授業で意識するポイントは次の3つです。
- 児童・生徒の視点を大切にする
- 面接と同じで印象が重要
- 客観的な姿をみて練習
ポイント①:児童・生徒の視点を大切にする
模擬授業では、ただ授業ができればいいわけではなく、「どれだけ子どもたちの興味・関心を惹けるか」が重要です。
よく「講師経験があると有利」みたいに言われていますが、あまり関係ありません。授業方法や専門知識の量、講師経験の有無など受験者によって違いますもんね。なので、模擬授業をするときには、「どんな先生が子どもたちに人気があるのか」を意識して演じる必要があるわけです。
アンケートによると「面白い・楽しい先生」が人気みたいですよ。淡々と知識を教えるだけの先生は求められていないってことです。
ポイント②:面接と同じで印象が重要!
専門知識や授業構成力などの内容も重要ですが、あくまでも試験なので「印象」が超大事です!
例えば「教科書の7ページを開いてください」という動作。
「声に出すだけ」なのと「体全体を使って表現」するのとでは、まったく印象は違いますよね。
とくに小学生の低学年を対象にするのであれば、動作を大きくして授業したほうが子どもたちからすれば楽しいはず。もちろん、本当の授業ではする必要はありませんが、あくまでも試験なのでそれくらいしたほうが評価はよくなります。
- 表情や声の大きさ
- 話し方
- 話す速度
などを練習の段階から意識することが大切です。
ポイント③:客観的な姿を見て練習
模擬授業は自己満足では意味がありません。
声の大きさや表情、板書のわかりやすさなどは第三者の意見がすべてだからです。
一番は勤務先の先生や大学の教職課に見てもらうことが一番ですが、一人でも授業を録画するなどして対策はできます。大切なのは印象ですから繰り返し練習することが大切ですよ。
ただ授業構成を考える対策では高評価をもらうことは難しいです。どんな先生が求められているのか理解しながら対策してください。
- 試験時間は、構想+実演で11分。
- 人間性や情熱が重要
- 板書にも注意する
高知県教員採用試験 個人面接の傾向
高知県教員採用試験の個人面接は、筆記では判断できない受験者の人間性や教員への資質・適性、志望意欲などを評価する人物試験です。
試験時間は25分で、面接官4人から質問される形式。
模擬授業・口頭試問のあとにそのまま実施されます。
個人面接の評価基準
個人面接は面接官それぞれが下記の観点に沿って評価します。
項目 | 観点 |
---|---|
基本的資質 | ・教職に就く目的意識が明らかであるか ・子どもたちの成長の手助けという基本認識があるか ・子どもたちを温かく包み込む心や悲しむ気持ちがあるか |
積極性 | ・率先してやろうとする意欲があるか ・意見や考え方を進んで述べられるか ・自ら行動に移そうとする姿勢があるか |
社会性 | ・広い視野を持っているか ・客観的なものの見方ができるか ・社会の動きに関心を持ち、相応の理解をしているか |
表現力 | ・分かりやすく、簡潔に表現できるか ・質問に対して、的確に答えているか ・話の筋道が通っているか |
堅実性 | ・誠実で、責任感が強く、信頼できるか ・忍耐力があり、しっかりしているか ・集中力が見られるか |
協調性 | ・協力してうまくやっていけるか ・ものの見方、考え方が独善的でないか ・自己本位の感情が強くないか |
なかでも重要なのは基本的資質や表現力です。短時間でもわかる項目なので印象よくすることが大切です。
配点は300点。
個人面接で聞かれた質問
面接で重要なことは、過去の傾向(質問内容)を知ることです。
なぜなら、聞かれる内容がわからないと何をどう準備すればいいかわからないからです。
たとえば、一般的に自己PRや志望動機はよく聞かれる項目です。でも、自治体によってはまったく質問されておらず、生徒指導や教育問題に関する質問ばかりってこともあるんですよね。
面接では頻出質問と予想外のツッコミ質問に回答することが求められます。
どれだけ答えられるか考えてみてください。
- 今までの経験で一番苦労したことは何ですか。また、それをどのように乗り越えましたか。
- 今までの経験の中で一番感動したことは何ですか。また、それはあなたをどう成長させましたか。
- これだけは誰にも負けないというものは何ですか。
- 高知で採用された場合、県内どこでも勤務可能ですか。
- 併願先すべてに合格したらどうしますか。
- なぜ高知県を志望したのですか。
- 今までで一番感謝している人は誰ですか。
- 教職員同士の飲み会などの付き合いは大丈夫ですか。
- 最近のニュースで気になっていることは何ですか。
こういった質問に箇条書きでもいいので、自分の考えを書いてみてください。
質問内容を知らずに志望動機ばかり考えていても直接的な対策にはなりません。効率よく対策するためにも過去問を把握しておくことが大切です。
- 個人面接は合否に大きく影響する
- コンピテンシー評価型面接で行われる
- 最終合格は二次試験の結果が9割
高知県教員採用試験 実技試験の傾向と対策法
高知県教員採用試験の実技試験は、教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。
音楽や美術など、知識よりも技能を専門に教える教科を中心に行われています。
実技試験のある校種・教科
- 中学校:技術
- 中高共通:音楽、美術、理科、英語、家庭、保健体育
- 高校:書道
実技試験の対策法
結論をいえば、十分に練習することです。
上記で示した内容をもとに、何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。
そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、内容に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。
そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
- 内容を把握して早めに練習する
- 実技試験は最低限のスキルチェックなのでできて当然
- 子供たちの手本になることを意識する
高知県教員採用試験に合格する方法まとめ
高知県教員採用試験の内容は幅広いため、「難しそうだな…。」と感じたかもしれませんが、この内容をしっかりと理解して対策していかなければ合格できません。
しっかりと試験の本質を理解して正しい努力をすればある程度の結果は見えてきます。
もちろん、何も傾向を理解せず適当に勉強するだけでは時間のムダになってしまいますが、この記事を見ているような勉強熱心なあなたなら大丈夫です!
確かに試験内容は多いですが、あなたはしっかり勉強したいという意思が強いので、適当に勉強しているその他大勢の人に負けるわけありません。
勤勉なあなたは結果を出すことができるので安心してノウハウを学んで、まずは対策に時間のかかる筆記試験から勉強をはじめていきましょう。
- 筆記試験:「教職・一般教養」「専門教養」
- 人物試験:「個人面接」「模擬授業・口頭試問」「実技試験」
- 出題傾向を理解して効率よく対策することが最重要
高知県教員採用試験 攻略ロードマップ