本記事では、北海道教員採用試験の内容(科目)を徹底解説します。
教員採用試験の内容(科目)は、自治体によって大きく異なることを知っていますか?
日々の学校や仕事で忙しい中、効率よく試験対策できるかどうかは、志望先(=北海道)の試験内容をどれだけ理解しているかが重要です。
本記事を読めば、「試験内容はもちろん、傾向や最終合格するにはどう対策すればいいか」まで網羅的に理解できるので、ぜひ参考にしてください。
北海道教員採用試験の内容(科目)は?
北海道教員採用試験の内容(科目)は、一次試験と二次試験に分かれています。
一次試験では教養検査と専門検査が、二次試験では個人面接と教科等指導法検査、実技試験がそれぞれ行われます。
一次試験の内容(科目)
教養検査 | 教職員として必要な基礎学力(教職教養と一般教養)に関する筆記試験。(択一式:40問 / 60分) |
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専門検査 | 志望する校種・教科に関する専門知識や学習指導要領の理解度を測る筆記試験。(択一式:20問 / 60分) |
二次試験の内容(科目)
個人面接 | 教育現場での対応力や人柄、コミュニケーション能力などに関する面接試験。過去の経験や指導教科について質問されます。(20分×2回) |
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教科等指導法検査 | 志望校種・教科に関する、「学習指導要領の理解度」「具体的な指導方法」「教育現場での対応策」などを書かせる筆記試験。(記述式:2題 / 60分) |
実技試験 | 音楽や美術、体育など特定の教科の指導能力を見るための人物試験。 |
北海道教員採用試験の教養検査(教職・一般教養)
教養検査(教職・一般教養)は、教職員として必要な基礎学力や一般教養力を測る筆記試験です。
校種・教科に関わらず、すべての受験者が同じ問題を解きます。
教養検査の傾向
試験時間 | 60分 |
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問題数 | 40問 |
出題形式 | 穴埋め問題 |
解答方法 | 択一式(マークシート) |
配点 | 40点満点 |
問題数40問に対して、試験時間は60分しかありません。1問に1分以上かけていると時間に間に合わないので、各問題にかける時間をしっかりと配分することが重要です。
教養検査の出題科目(範囲)
出題科目(範囲)は、教育に関する基礎的な知識を問う「教職教養科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養科目」から出題されます。
採用年度 | 2024 | 2023 | 2022 |
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教育原理 | 16 | 16 | 14 |
教育法規 | 2 | 2 | 2 |
教育心理 | 2 | 2 | 2 |
教育史 | – | – | 2 |
国語 | 2 | 2 | 2 |
英語 | 2 | 2 | 2 |
音楽 | 2 | – | 2 |
美術 | – | 2 | – |
保健体育 | 2 | – | 2 |
世界史 | – | 2 | – |
日本史 | 2 | – | – |
地理 | – | – | 2 |
政治 | – | 2 | – |
経済 | 2 | – | – |
数学 | 2 | 2 | 2 |
物理 | 2 | – | 2 |
化学 | – | 2 | – |
生物 | – | 2 | – |
地学 | 2 | – | – |
情報 | – | – | 2 |
その他 | 2 | 4 | 4 |
合計 | 40 | 40 | 40 |
- 各数字は科目ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
教養検査の対策方法
どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向(範囲)を理解し、効率よく勉強することが重要です。
たとえば、上記の科目別出題表一覧を見ると、教育原理は16問出ていますが、教育法規や教育心理は2問ずつしか出ていません(2024年度の場合)。
どちらの科目に時間を使うかは明白ですよね。まずは、出題数の多い科目(教育原理)から着手することが重要です。
また、どの科目も全範囲から出ません。たとえば、教育心理の出題内容を分析すると、直近4年間の出題は「人格と適応」のみです。
- 各数字は分野ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
過去10年間の出題内容を見ても「教育心理学の歴史」や「教育評価」はまったく出ていませんよね。全範囲を勉強して中途半端になるよりも、まずは出題頻度が高い(よく出る)範囲に重点を置きインプットしていってください。
科目・範囲が膨大だからこそ、どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向を理解し、効率よく勉強しましょう。
より詳しい出題傾向はこちらで解説しています。
北海道教員採用試験の専門検査
専門教養は、志望する校種・教科に関する専門的知識を測る筆記試験です。
専門検査の傾向
試験時間 | 60分 |
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問題数 | 20問 |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 100点満点 |
どの校種・教科も教養検査に比べて配点が高い傾向にあります。
- 専門検査の配点:100点満点
- 教養検査の配点:40点満点
できるだけ高得点を取れるように、優先して勉強しましょう。
専門検査の出題科目(範囲)
専門検査の出題科目(範囲)は教科・科目によって異なります。
たとえば、小学校なら国語、算数、社会、理科、外国語、音楽、図工、体育、家庭などが出題されます。社会科なら日本史、世界史、地理、政治、経済、倫理が出題範囲という具合です。
また、教科・科目に関する知識以外にも、学習指導要領や指導方法・指導案に関する問題が出題されることもあります。
専門検査の対策方法
専門教科は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいので、自分の学力に合った方法での対策が必須です。
たとえば、英語教員を目指す人の中には英検1級レベルの人から3級すら危うい人までおり、同じテキストで勉強しても意味がありません。
まずは過去問を自力で解き、現在の実力に合わせて、次のような勉強計画を考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門検査を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
北海道教員採用試験の教科等指導法検査
教科等指導法検査は、志望校種・教科に関する、「学習指導要領の理解度」「具体的な指導方法」「教育現場での対応策」などを書かせる記述式の試験です。
教科・科目の専門知識だけでなく、学習指導要領の知識や指導力などが求められます。
教科等指導法検査の傾向
試験時間 | 60分 |
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問題数 | 大問2題(小問4~6問) |
出題形式 | 記述式 |
配点 | A~Eの5段階評価 |
評価方法は、設問ごとに設定された評価観点にそって5段階(A~E)で評価します。
基準となる用語や説明が入っていれば、C評価以上はつきますが、白紙で提出したり、キーワードが入っていなかったりすると減点になるので注意が必要です。また、字をきれい・丁寧に書くことも忘れないようにしてください。
教科等指導法検査の問題例(過去問)
第1問 小学校学習指導要領解説(平成29年7月)「国語編」に示されている内容を踏まえて、次の問1、問2に答えなさい。
問1 A小学校では、国語科において、語彙指導の充実を図る場面を具体化して指導計画に位置付けることとしました。第1学年及び第2学年の指導に当たり、どのような場面を設定すると指導の効果が高まるか、書きなさい。
第2問 下の【 】は、小学校第5学年算数科「四角形と三角形の面積」の学習指導案の一部です。
問1 次の【評価する際の留意点】を踏まえ、下線アの場面における「主体的に学習に取り組む態度」の評価基準を満たしている児童の姿を具体的に2つ書きなさい。
教科等指導法検査の対策方法
まずはどのような内容(教科指導 or 場面・事例指導)なのか、数年分の問題を見て傾向をつかむことが大切です。
5年分ぐらい見ておくといいでしょう。
- 過去の問題例は北海道総務部行政局文書課行政情報センターでコピーできます。
傾向を把握したら単元指導計画や評価表を書く練習が必要です。
「具体的に記入するように」と留意点があるので、時間配分や流れをしっかり書くクセをつけてください。
最後は書いた単元指導計画などを教職経験のある先輩などに見せて評価をもらいましょう。
論文や面接と同じで一人では、ちゃんと書けているのかどうかや誤字脱字などに気づけませんよね。なので、最終的には評価をもらうことで上達できます。
北海道教員採用試験の個人面接
個人面接は、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などを評価・判断する人物試験です。
個人面接の傾向
試験時間 | 20分 |
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面接官 | 3人 |
評価基準 | ・態度 ・表現力 ・判断力 ・意欲・情熱 ・指導力 |
配点 | 7段階 |
面接カード | あり(出願時にエントリーシートを提出) |
1人2回の個人面接が行われます。
集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
個人面接の流れ
試験時間は各20分もあり、より人物面を評価するという方針なのできちんと面接対策をすることが大事です。
個人面接の評価基準
態度 誠実さ 倫理性 | 動作、礼儀、服装、身だしなみ、応答の仕方などから、社会人としての品性や基本的な素養等があるか |
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表現力 | 自分の考えを正しく、論理的でわかりやすく説明しているか |
判断力 | 質問事項について正しく理解し、専門性を活かして的確な判断をしているか |
意欲・情熱 | 教員志望の理由が明確であり、教職に対する意欲・情熱をもっているか |
指導力 | 専門知識が豊富で、子どもたちの興味・関心を惹ける魅力や実践的指導力があるか |
これらの観点をもとに面接官それぞれが評価し、最終的に7段階(A、B、B”、C、C”、D、E)で評定をつけます。
なお、D以下で不合格(足切り)です。
こういった着眼点は一人では判断できません。なので、必ず1回は勤務先の校長や大学の教職センター、予備校などに見てもらってくださいね。
面接カード(エントリーシート)
面接カード(エントリーシート)は、面接試験で使用される資料です。氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなど、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための役割があります。
この面接カード(エントリーシート)は出願時に作成し、そのまま提出します。
教員を志望する理由及び北海道で勤務を希望する理由(200字) |
大学で重点的に履修した分野又は、専門の教科や領域に関して現在学んでいること(200字) |
学校で発揮できる自らの力(300字以内) |
自らが持つICTに関する知識を活用し、授業で実践できると考えていること(200字以内) |
実際の試験では、提出する面接カード(エントリーシート)に基づいて過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負など幅広く聞かれているので、わかりやすくアピールできる内容を考えておきましょう。
個人面接の質問内容(過去問)
実際に北海道教員採用試験を受験してきた方々から集めた質問内容を抜粋してまとめています。
- 5年後、10年後に、どのような人になっていたいですか。
- あなたが気になる教育問題は何ですか。
- 「わかる」「できる」「楽しい」のうち、どれを一番にしますか。
- 「主体的で深い学び」を実践していますか。また、それはどのような授業ですか。
- 「いじめられている。」と訴えてきた生徒にはどのように対応しますか。
- 「優しい先生」、「厳しい先生」のどちらになりたいですか。
- ICT機器を生徒にどのように活用すべきと考えていますか。
- アクティブ・ラーニングとは何ですか、あなたの言葉で述べてください。
- 「生きる力」を3つ言えますか。
- 「開かれた学校」とはどのような学校ですか。
- 「嫌い」には他の意味が含まれていると思いますが、どのようなことだと考えますか。
- 「まほうのかいわ」を知っていますか。
- ICT、プログラミング、読書等の中で、具体的に効果があり、活用したいと感じたものはありますか。
- ICT機器を活用したことはありますか。
- LGBTについてどう考えていますか。
その辺に落ちているような出典元が不明なものではなく、僕自身のツイッターやサイトで募集し提供してもらったリアルな情報を集約しています!
「なぜ北海道の教職員になりたいのか」を深く突っ込まれるのも特徴。この質問に論理的に回答し、「北海道の教員にどうしてもなりたい!」という熱意をアピールすることがカギとなります。
また、面接官は現役の学校教職員や北海道教育委員会職員です。北海道の学校教育に精通している熟練者でもあるので、教員の職務内容だけでなく、北海道の教育施策や取り組みについてもHPをチェックし、アピールできるように準備しましょう。
その他、過去の質問内容や回答例はこちらで集約しています。
個人面接の対策方法
なぜなら、近年の面接試験では、一つの回答に対し、より掘り下げて受験者の行動特性を把握する「コンピテンシー評価型」で行われるからです。
たとえば、「どんな学級づくりをしたいですか」という質問に「笑顔があふれる学級」と回答しただけでは、まだあなたに教育的愛情やコミュニケーション能力があるかは判断できません。
そこで、「なぜ、笑顔があふれる学級にしたいのですか」とか「笑顔が苦手な子どもがいたらどうしますか」など、より理解を深めるために掘り下げた質問をして、正確に評価を行えるような情報を聞き出し、評価するのです。
しっかり自己分析ができていないと、深掘り質問に対応できません。過去に聞かれた質問に根拠を踏まえて回答できるよう、早め早めに準備を始めましょう。
自己分析し、回答例を作成したら模擬面接を繰り返し行いましょう。
- 本番特有の緊張感
- 回答に困る深掘りポイント
- 客観的な評価
1人で面接練習をしていては気が付かない部分がたくさん発見できるからです。
このような観点は一人では判断(評価)できないですよね。なので、最低でも3回は客観的な評価をもらえるような環境で練習してください。
練習相手は友達や家族でもいいですが、できるだけ経験者(予備校やその道のプロ)にみてもらうといいでしょう。
北海道教員採用試験の適性検査
適性検査は、質問紙法による性格検査です。
質問紙法は,紙に印刷された質問項目への回答を得ることによって,被検者の行動や構成概念の測定を試みる研究方法である。
質問紙法(しつもんしほう)とは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)
特別な対策は必要ありません。
北海道教員採用試験の実技検査
実技検査は、専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。
専門知識の有無だけでなく、児童生徒に知識を伝えるための教育的なアプローチや方法論も重要視されます。
実技検査の傾向
- 音楽
- 英語
- 保健体育
これらの科目で行われます。
実技検査のテーマ
中高:保健体育 | ・マット運動(倒立、前転、後転、伸膝後転、側方倒立回転) ・バスケットボール(ドリブル、シュート) ・バレーボール(オーバーとアンダーによる連続直上トス) ・柔道(支え釣り込み足、大腰の打ち込みと投げ及び技に応じた受身) |
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中高・音楽 | ・【ピアノ演奏】中学校歌唱 共通教材 のうち 、 当日指定された1曲を、簡単な伴奏を付けて、原調で演奏するとともに、検査時に示された調に移調して演奏する。 ※楽譜の持参可。ただし、コピーしたもので、著作権を侵害するものは不可。 ・【視唱】コールユーブンゲン(第1巻)No1~No41(原書番号)のうち、当日指定された1曲を歌う。 |
中高・英語 | 日常的なことの自由会話と英文を読んで内容について答える。 |
実技検査の対策方法
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
北海道教員採用試験の内容(科目)まとめ
今回は、北海道教員採用試験の内容(科目)を徹底解説しました。
再度、試験内容の確認です。
一次試験 | 教養検査 | 教職員として必要な基礎学力(教職教養と一般教養)に関する筆記試験。(択一式:40問 / 60分) |
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専門検査 | 志望する校種・教科に関する専門知識や学習指導要領の理解度を測る筆記試験。(択一式:20問 / 60分) | |
二次試験 | 個人面接 | 教育現場での対応力や人柄、コミュニケーション能力などに関する面接試験。過去の経験や指導教科について質問されます。(20分×2回) |
教科等指導法検査 | 志望校種・教科に関する、「学習指導要領の理解度」「具体的な指導方法」「教育現場での対応策」などを書かせる筆記試験。(記述式:2題 / 60分) | |
実技試験 | 音楽や美術、体育など特定の教科の指導能力を見るための人物試験。 |
これらの試験を通じて、北海道の教員として求められる資質や能力が総合的に評価されます。
試験内容は幅広いです。やれることからコツコツ始めていきましょう。本記事で解説したポイントを意識しながら、効率よく対策できると良いですね。
以上、北海道教員採用試験の内容についてでした。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!